国防論

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776205487

作品紹介・あらすじ

陸・海・空元自衛隊最高幹部が大集結!ついに明かした「制服組」のホンネ!タブーのない「日本の安全保障」論を徹底展開。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙に“暴に×”なんて意匠が入っているため、
    パッと見ではふざけた感じに見えますが、中身は至極真っ当。

    2009年当時の、日本を取り巻く状況が、非常によくわかります。
    そして、今はそこから危険水域は跳ね上がっているであろう、ことも。

    それを語る登場人物は、、

     元陸将・松島さん
     元海将補・川村さん
     元空将:田母神さん

    という、国防の最前線で戦ってこられた、トップの方々。
    その方々を、“そこまで言って委員会”の勝谷さんがコーディネートした内容です。

    共通して感じたのは、軍人は徹底的なリアリスト、ということ。

    大事なのは、何か起きてから対応するとの対処療法ではなく、
    何が起きても大丈夫なようにしておく、という心構え。

    今週末の都知事選投票の前に読んでよかったとあらためて、
    “危機管理”とは何かということを、リアルに体感できました。

    「和をもって尊しとなす」とは、日本人のエトスの一つと思いますが、
    「和」は決して「同じる事」では無いということも忘れてはいけないかと。

    この辺りを意識的にも無意識的にもごっちゃにして、
    近隣諸国だけに迎合してきたのが、戦後ではないでしょうか。

    波風を立てないのが「和」であると勘違いして、、
    なんてことをあらためて感じさせてくれた内容でもありました。

    日本人であるならば、今考えておかないといけない感じた、
    そんなテーマが満載な一冊でした。

    もう一つ興味深かったのが、地図を逆さにしてみようと。
    そうすると、日本が“蓋”になっているのが、よくわかります。

    やはり地政学、興味深いです。

  • そこまでやって委員会!でお馴染み勝谷誠彦さん。核心を突く鋭さはさすが!

  • 仕事で、ある保守側論壇の著名人を講演に招聘することになった。
    秋の実施予定だが、企画提案から3年が経ち、機が熟して
    実現できる見通しとなった。いろいろ仕掛けた仕込みが
    うまくいき、組織の意思決定に持ち込めた。
    また機会があったら、このことを書いてみたい。

    ということで、保守の最近の流れをつかむために以下の本を読んだ。
    講演者の周辺の考えをおさらいしたいので、
    秋までこの手の本は今後も読んでみたい。
    世論が左傾化しているから、普通であたりまえのことが
    書かれていても右という印象になってしまうかな。
    ご覧のとおり、本当にあたりまえだ。

    以下の4人の対談で進められる。
    元中方総監 松島悠佐元陸将
    元統幕学校副校長 川村純彦元海将補
    元空幕長 田母神俊雄元空将
    コラムニスト勝谷誠彦

    内容は、目次を引用し、印象に残ったところを【】でくくり、
    → で追記する。

    第1章 田母神以前、田母神以後
        論文騒動で何が変わり、何が変わらなかったのか

     阪神・淡路大震災の災害救助活動が最後の大きな仕事でした
     川村純義海軍大将は一族だが、直系の先祖は西南戦争で戦った間柄です
     航空幕僚長の職を解かれて半年、今は全国各地を講演に飛び回っています
     「田母神論文はけしからん」と言うのは、政府、防衛省、マスコミ関係者だけ
     背広と制服というのは、本当に仲が悪いんですか?
     中国が脅威でないと考える自衛官がいたら、それこそ問題でしょう
     直接行けば五分ですむ話も、内局が間に入ると止まってしまう
     そんなのをすっ飛ばして、直接やってしまったらいいんじゃないですか?
    【サッカーの素人が、Jリーガー相手に戦略や戦術で口を出すようなもの】
     もしもし東京ですか、目の前に武装ゲリラがいますが、撃ってもいいですか?
    【軍人は暴走するという先入観が、シビリアンコントロールを歪めている】
    【戦争をやると言うのが政治家で、反対するのが軍人】
    →近衛文麿、毛沢東、ブッシュ・チェイニー、ヒトラー、ムッソリーニは文民。
     守屋事件で啓発用のビデオを作ったら、接待を受けているのは制服組なんで
     すよ(笑)
     私たちの教育がいかにしっかりしているか、防衛大臣なら主張してほしい
     本当に国のことを考えていないなら、大臣たちには政局しか見えない
     石破茂防衛大臣は、福田康夫さんが兵器オタクになっただけ
     俺が、イージス艦衝突の真相を記者会見で言ってやろうか
     自衛官の犯罪は、一般人に比べても十分の一以下です
     いいことをやる自衛隊には、まったく関心を向けないメディアの偏向
     地元も住民も食い物にして嫌がらせを続ける反戦地主たち
     世の中を左傾化させないためにも、保守の論壇を支えなければならない

    第2章「日本は侵略国家ではない」
        捻じ曲げられた歴史認識、これが問題だ!
     
     幹部自衛官に学んでほしくて、「歴史観・国家観」という科目を新設した
     世の中は左へ左へと傾いていくから、「俺は右翼じゃなくて中心だよ」と
     言ってます
     日本の左翼は、なぜあんなに自衛隊を目の敵にするのか?
     戦闘力をぶつけ合う戦場のほかに、軍には情報戦という目に見えない戦場
     がある
     軍艦マーチの演奏を禁じた日本政府、代わりに演奏してくれたアメリカ海軍
     諸悪の根源は、すべて戦後の教育にあるんです
     油断していたら、「にせ保守派」に防大も乗っ取られてしまう
     問題を起こさないご都合主義が、日本をどんどん悪い方向に持っていった
     小泉前首相は、女性天皇と女系天皇の違いも分かっていなかった
    【「人名は地球よりも重い」が、日本を事なかれ主義国家にした】
    →北朝鮮拉致事件とダッカのハイジャック事件が原因
     謀略計画をめぐらす中国、トラップに引っ掛かり続ける日本
    【自分の国に誇りをもてない自虐史観の押し付けは、即刻やめよ】
     「村山談話を踏襲しますか」と聞かれたら、踏襲しないと答えたらいい
     自衛隊嫌いの兵庫県で起きた大震災
    【頭の固いお役所仕事が、震災の救援活動にも悪影響】
    →公平性を保つために炊き出しに役所から中止要請が。
     田母神騒動が、国民の間に国防意識を呼び覚ましつつある
     中身を知らないから、自衛隊は怖いものだと思わされている
    【日本は、追い込まれて、追い込まれて戦争に突入させられた】
    →ルーズベルトの策略。ハルノートの提示。
     軍と文民が両輪でやらないと戦争には勝てない
     立派に戦って靖国神社に祀られている先輩方をもっと素直な目で見てほしい


    第3章 激動のアジアを生き抜く戦略とは
        自衛隊の強さ・弱さを検証する
     
     経済の地盤沈下で、アメリカはもうあてにできない
     軍拡を続ける中国、軍縮してきた日本、いまや「何かやられると困る」状況
     「自衛隊相手なら勝てる」と認識されたら、極東アジア情勢が不安定になる
    【日本がアメリカと一緒にやるべきなのは、地図を見たら誰でも分かる】
    →地政学的にロシア・中国に対抗するため。
     日本はどんな脅威に備えるべきなのか
    【中国が東へ東へと進出するとき、沖縄と南西諸島がキーになる】
     中国とアメリカの海軍力がぶつかり合うのは、どこの海域か?
     中国軍が手を出せないように、尖閣諸島の実効支配をさらに固めよ!
     対馬や沖縄の土地を韓国人や中国人が買い漁っている
     明らかな侵略ーこれに対応できるのは自衛隊しかない
     尖閣諸島に自衛隊を置くなら、今が最後のチャンスである
     矛はアメリカがやるとしても、楯である基地は自衛隊が守ってくれよが本音
     核兵器は持たずとも、核抑止力を保持する方法がある
     「君たちがいるから戦争が起こるんだ」と、我々はよく言われました
     日本が原子力潜水艦を持てば、中国・原子力空母の最高の抑止力になる
     兵力の均衡を必要としない核兵器は、ひとつ持っているだけでいい
     この国の防衛をどうするかは、何よりも先送りしたい問題なんでしょう
    【北朝鮮の体制が崩壊するとき、何が起こるか】
    →韓国が北朝鮮、中国の流れになる。日本が緩衝地帯になる。
     拉致被害者を奪還する気があるなら、空自が救出機を飛ばして、助けに
     行ったらいい
     
    第4章 自衛隊よ精強たれ
        自衛隊が守るべきものとは何か?
     
     お金は一銭もかけずに自衛隊を普通の軍隊にする方法
     憲法などの法律がぐらぐらの土台に、自衛隊というビルが建っている
     安全保障という軸で二分されて、政界再編されればいい
     アメリカとうまくやっていくための四つのオプション
    【内局は陸・海・空をけんかさせて統治している】
     武士道の精神を受け継いでいる「自衛官の心がまえ」
    【米軍が攻撃、日本は守るのパッケージが、航空自衛隊の基本】
     人と人との絆の強さが、陸上自衛隊の土台になっている
     「銃は持たせない。裸で行け」と言うなら、ボーイスカウトに行ってもら
     ったらいい
     ソマリア沖まで行って、ただ浮いていろですむ話ではない
     グローバルスタンダード化している軍隊の中で日本だけが異様
     海軍とはとても言えない、フォワードのいない半端な組織
    【海上自衛隊は、ソ連を相手に冷戦を戦って勝利している】
     学校教育の一環として、軍隊生活を経験させてみたらいい
     試験の結果を重視しすぎると大事なものを失ってしまう
     九割の自衛官は私を支持しているが、官僚化している幹部もいますから
    【我々が守るべきは、形ある。目に見えるものだけではない】
    →伝統文化、国家の尊厳である。


    軍は国を守るために存在する。軍事に意図的に無知でありつづけ、
    自衛隊を不当に評価し、国防に必要な手を何も打っていない
    事なかれ、先送り主義の蔓延をそろそろやめる必要がある。

  • 陸・海・空の元将官で、現在も言論活動を続ける3人がジャーナリストを交えて国防の現在と将来像を語り合う座談会本。座談会形式ではあるが、非常によく論点が絞られており、日本の国防に関する問題点と将来的な改善への道が明確に見えてくる良書である。

    日本は地政学的に見て、極東アジアの太平洋(アメリカ)にとっての蓋となっているという指摘はもっともであり、それゆえにこの国でいかにして防衛を行なうかが、世界のパワーバランスを左右するカギとなっている。国民はこの事実を直視しなければならない。その意味では、米軍基地が日本国内に存在することは重要な意味を持つ。グアムに移転したのでは、防衛線としての日本の機能は相当に削がれることとなる。

    核保有の議論も国防上重要である。NPTがあるとはいえ、紛争が世界中で起こっている現状を見るに、核を世界から廃絶するという思想は現実的ではない。核保有は、その使用のためではなく、外交カードのひとつとして考える必要がある。しかし、本書でも述べられているように、日本が独自で保有する必要はなく、ヨーロッパで行なわれているシェアリング・システムや、アメリカとの協働によるデュアル・キー・システムの導入によって十分その機能を果たすことができる。こういった手段を知ることができたのは、最も大きな収穫であった。

    こうした議論の大前提には、平和とは戦力の拮抗によって起こる「現象」である、という認識がある。日本人が「平和」でいられるのは軍事大国同士の狭間に位置するからであるという事実を、国民は改めて知るべきであろう。

  • コラムニストで有名な勝谷さんと陸海空それぞれの自衛隊からトップクラスの役職を務めた三人、田母神、川村、松島さんが靖国神社で日本の国防なんかについて語り合う。
    歴史認識や日本の国体に関しては恣意的だなとか思うし異論もあるけども、それでも実際の制服組トップを勤めた人たちの本音が聞けたのはよかった。
    また冷戦中に海自が勤めた役割なんかも触れられてて誇りに思っちゃったし。シビリアンコントロールは官僚(内局)が軍をコントロールすることではないって話や戦争を始めるのは文民との指摘も聞き慣れた感があるけどやっぱ実際こうゆう人たちが言ってるのを聞くと違う。災害派遣とか防衛省の内局なんかの具体的な話がでてきたりしたのもよろし。

  • 国防の重要性について考えさせられる本

  • 豪華なメンバーによる語り合い。いろいろ難しい。

  • テレビでおなじみの方たちが国防について語る。国防についてとても考えさせれる本。

  • 自衛隊のトップだった方達の座談。
    しかし、日本ってヘンな政治家が作った軍隊を
    よく運用しているなと思う。

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著者プロフィール

第29代航空幕僚長

「2015年 『田母神「自衛隊問答」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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