経済ニュースが10倍よくわかる「新」日本経済入門 (アスコムBOOKS 3)
- アスコム (2010年6月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776206187
作品紹介・あらすじ
「困った人たち」が垂れ流す怪しい6つの論点を数字で検証。マスコミや評論家の「わかったようなこと」の嘘、無知、誤解がわかる、目からウロコの経済新常識。
感想・レビュー・書評
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第1章:「本当に日本は財政破綻するのか?」から始まります。著者は会計士。日本のBSとPLを読んで持論を展開。
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この著者は少し胡散臭いのだが、あまりマクロ経済学を知らない私にとっては色々と勉強になることが多く書かれていた。面白かったのが、民営化すると生産性が高まるため、物の価値が下がりデフレになるので、デフレのときは公共投資的な生産性の低い需要を作ったほうがいい話や、金利が下がれば銀行とか生保のような機関投資家は金が余り国債を買わなければならない構造になるという。あとは中国やヨーロッパ、アメリカともに破綻の危機を迎えているが、日本は潜在的な資源大国なのでそれほど心配する必要はない旨のことが書かれていた。
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面白い!
自分があまりにも悲観論なので、友人が貸してくれて読んだ一冊。
マスコミが報じてるのと違った切り口、視点論が展開されて、
普段見てなかった事実やデータも示されていくので、
気づきの連続で面白い♪
ただ面白かったゆえに、ちょいと気になってしまった二点。
生産性を下げた雇用を増やす、という主張は確かにロジックは正しいけど、著者がこうした主張をする真の意図はどこにあるのだろうか?と考えたら、怖くなった。
そしてこうした本全般に言えることだけど、主張が強い人が書くとどこか胡散臭くなってしまう。
ま、一人一人の姿勢というよりは、そこまでの警鐘を鳴らさねばならんほど悪化してしまってる現状と、平和ボケしたうちらがいけないんだろうな。
普段あまりメディアに触れない人はもちろん、
普段見てる人の見識の厚みを増すべく、オススメしたい一冊。 -
youtubeなどで三橋さんが言っていることが簡潔にまとまっている
基本的な問題は変わらず、デフレ。
勉強不足な自分は、分からないことも少し有。
デフレ脱却の際の経済政策のあり方については確かにと思う。
ただ、中国との関わり合い、ユーロから学ぶこと、などの章は、三橋さんの思想的な影響が強いと感じた。それに私は異論なしだが、他の立場の著書も読まなければならないと感じた。 -
世間一般で、マスコミが報じているものとは、
違った視点で描かれた作品。
世界経済に興味がある方には読んでもらいたい作品です。 -
三橋氏による日本経済を解説した本です、彼の本も何冊も読んできたので、日本は巷で騒がれているような「破綻」は起きそうにないことが理解できてきました。
特に彼の場合は、「破綻」という言葉をしっかりと定義して、それから議論している点が気に入っています。また、一次データを紹介することで彼の持論を展開している点が良いと思っています。
今までの彼の本との相違点は、日本の歴史の事件も参照にして解説されている点が、歴史好きの私には興味が更に惹かれた点です。
特に、日露戦争時に欧米から外貨建て国債を発行して返済し終わったのは、1980年というのは驚きでした。また金利が上がると大変なことになると危機を煽っている本がありますが、預金超過額がこの10年ですごく増えている中では(p61)それも起こりにくいことも理解できました。
以下は気になったポイントです。
・1910年には日本は当時の大韓帝国を併合したが、同国には巨額の対外債務があった、日本がその債務を引継ぎ返済した(p26)
・日露戦争のときは、国内で戦費を調達できず、欧州から外貨建て国債を発行してお金を借りた、返却し終わったのは1980年(p27)
・対内債務の正しい返し方は、経済成長とインフレの進行によって、政府債務を徐々に薄めていくのが正しい返し方、ナポレオン戦争時にはイギリス政府の借金はGNPの280%(p29)
・金利が上昇したときには、現実の日銀やFRBが行っているように、中央銀行に国債を買い取ってもらえば良い(p31)
・日本国家のバランスシートによれば、980兆円の負債は、国内の金融機関の資産(2718兆円)の中に国債の形で含まれている(p33)
・アルゼンチンが通貨危機になったのは、政府の対外債務がドル建てであった上に、為替をドル連動させていたのに、隣国のブラジルが変動相場制に移行したためブラジルに対してアルゼンチン製品の競争力が下がって外貨を稼げなくなったため(p43)
・ユーロ導入は、ドイツが輸出しやすい国をたくさん作りたいがための戦略とも推論される(p46)
・例えば、国が「国債が増えすぎたのので10兆円返します」と言って、銀行に返済してきたら銀行は困る(p56)
・1999年ころから、預金超過額が増えてきて2009年には150兆円ほどなっていてその8割が国債購入になっている、この環境が変わらない限り金利は上がらない(p60)
・政府負債が減っているデンマークは、平均収入が40万円程度だが、手取りは10万円、消費税は25%(p64)
・群馬県八ッ場ダムは建設中止でもめたが、小沢氏の地元の胆沢ダムはまったくカットされなかった(p79)
・享保の改革が成功したというイメージがあるのは、改革が始まって20年経過してから、デフレ対策のために元文の改鋳(小判1両に対して1.65両を渡す)というリフレーション政策を見事を成功させたから(p80)
・江戸時代にデフレ期に緊縮財政にして、少子化、社会が不穏になった(p81)
・226事件が起きてしまったのは、投資先を朝鮮半島や満州にしてしまい、凶作の続いていた東北地方にしておくべきであったのにしなかったのが一因である(p113)
・歯医者には一生涯で4度しか行けないという契約もアメリカにはある、最終的に株主利益が最優先される保険会社は恐ろしい存在、命や社会保障にかかわる事業を民営化するのは良くない(p118)
・日本は経済収支黒字大国だが、貿易黒字大国でない、所得収支が黒字大国(p125)
・2009年の金融危機にも拘わらず黒字を残すことができた中国は、人民元の対ドル相場を事実上固定しているから、このため毎日為替介入を行い外貨準備をためている(p127、136)
・2009年の中国の実質GDP成長率は8.7%だったが、景気対策・公共投資・公務員増員・軍事費増額により押し上げた分が7%あったから(p129)
・中国が先進国になるには、1)人民元高、2)人件費高、3)社会保障制度が完備されること、である(p138)
・中国政府の公式統計では、失業率は2008年末で4.2%、800万人、これは都市戸籍を持っていて失業して登録した者という意味、実際には2億人であると温家宝首相が2010年3月にコメントした(p139)
・中国市場は大きいが5%成長を続けても2050年で一人当たり国民所得は1万ドルに達しないので最終消費財は売れにくい、しかし輸出基地としての中国に工作機械や部品等の資本財の売り込みは可能(p146)
・国の借金と自分のローンは異なる、アメリカの失敗は、1929年の大暴落の後に1937年に景気持ち直しによって政府支出を減らした=借金返済をしたから(p185) -
データに基づく解説が相変わらずわかりやすい。
一部違うだろうと思う事もあるけど
テレビと新聞も好い加減だなと思った。
正確な情報を伝えるメデイアが日本にはあまり無いってのが不幸だよね。 -
少し偏向気味
終わり方が唐突