ピアニスト辻井伸行 奇跡の音色 ~恩師・川上昌裕との12年間の物語~

著者 :
制作 : 神原一光 
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本棚登録 : 72
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776206477

作品紹介・あらすじ

NHK総合テレビドキュメンタリー番組「こころの遺伝子」で放送。辻井と川上の往復書簡も特別掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の心血を教え子に注げるの、すごくいい先生

  •  youtubeで辻井伸行が弾くラ・カンパネラを聴いて感動したので購入。
     何でも「できる!」と言い切れる、何が起きても前進だと考えられる前向きさ、辻井さんを指導してきた川上さんの人の育て方や、音楽に対する考え方が胸に刺さった。

  • 川上氏の指導法が印象的。川上は、辻井が楽しいと感じる曲から順番に教え、聴いて楽しんだりする要素が少ない楽曲は、時期が来るまで待った。バイエルは用いず、チェルニーも数曲しか教えなかった。きちんとした表現力や基礎的な技術力を身に付けさせることよりも、教え子の素養を伸ばすことを優先した。

    指をまっすぐに伸ばし、鍵盤に張り付くように弾く弾き方は、鍵盤を強く叩けないと考えられるが、川上は他の指を鍵盤に触れておきたいからではないかと考えた。鍵盤から指を上げる距離が近いと、音の強弱や色付けが難しくなるとされているが、川上は辻井がそれを怖がっていると考えた。体を揺らして弾くのも、リラックスしていると判断した。結果として、辻井の独特の演奏スタイルを生んだ。まさに、川上の指導法が辻井伸行を育てたと言えるだろう。

    17歳で挑戦したショパン・コンクールの後、上野学園大学で横山幸雄、田部京子らの下でレッスンを受けた。10月にはデビューCDを発表し、それに合わせて組まれた全国コンサートも成功を収めた。翌2008年には、佐渡裕、ベルリン・ドイツ交響楽団とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をレコーディング。2009年には、アメリカのヴァン・クライバーン・コンクールに挑戦して優勝し、世界各地のコンサートを約束された。

  • 辻井さんの心がいつも情熱で、驚かしたい!、という純粋な気持ち。とても心がきれいな人だと思った。

  • 友人神原くんの渾身の一作です。盲目のピアニスト辻井信行の“奇跡の音色”がなぜ生まれたのか、そこにはひとりの指導者がいました。

    「自分の分身を作るのは指導者の役割ではない」すべての先生、すべてのコーチ、すべての親、すべての上司に聞かせたい言葉です。才能、個性を邪魔しないでも、でもただ任せるわけではなく、その成長を促進する。目指すべき姿がそこにはありました。ぜひみんな読んでください。

    で、で、で。ここに僕は本書を積ん読のまま読んでなかったことを告白します。神原くんごめんw でも、買ったやつだから許してw(2012.11.11読了)

  • 最近読む本が偏っているので、
    ちょっと毛色の違う本を紹介。
    一言で言うと感動の本。これはおススメです。

    世界的に有名なコンクールで優勝して、
    一躍有名になった辻井さんの半生記。
    辻井さんと12年間辻井さんを教育した川上さんのお話です。

    目の見えない子供がピアノを与えられて、
    水を得た魚のように音楽にのめり込んで
    成功していく過程を読むと、
    自分の天職をいかに早くに見つけれたかが
    一つのキーポイントだったような気がします。

    そして、教師の川上さんの指導方法も
    辻井さんにとてもマッチしていたのだと思います。
    徹底的に強みを伸ばす、型にはめ込まず考えさせる、褒める等、
    音楽教育だけには留まらない教育のヒントが詰まっています。

    久々に心が震える本を読むことが出来ました。

  • スゴイ!!!
    勇気をもらえる一冊。
    辻井さんが楽しんで挑戦する姿に勇気付けられ、視覚障がいを持っていることを忘れてしまうほど・・・
    それを支える川上先生もスゴイ!!!

    (以下、本文より)
    『辻井は演奏を通して、音楽とは文字どおり音を楽しむことであり、ただ耳で「聞く」のではなく、じっくりと「聴き」そして最終的には心で感じるものだということを世界各地に伝え続けている』

    『「教育」という言葉には、ただ教え育てるのではなく、共に育つという「共育」の意味も含まれている』


    伝えることの大切さを改めて認識した。
    ぜひ、TV番組も見てみたいと思う。

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