- 本 ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776403159
感想・レビュー・書評
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世界を動かした塩の物語
2008.09発行。字の大きさは…中。
塩の物語を書いた、大人向けの絵本です。
人間にも、動物にも塩をかかせないものです。
塩がなければ、人も、動物も生きて行けません。
塩は、高価で黄金と交換されていました。
塩を支配したものが、富を支配し、王国を作りました。
いまは、塩は、安くて科学的に作られますが、昔は、塩は高価で、湖(塩湖)か、地中か地表(岩塩)を掘りました。そして、塩を取れる所が限られていました。
中国では、塩を掘っていて天然ガスを発見し、アメリカでは、塩を掘っていて石油を発見しました。
【読後】
魚や肉は、すぐ傷んでしまいますが、塩漬けにすれば流通することが出来ます。
そのためには、大量の塩が必要です。
醤油を作るにも、大量の塩が必要です。
時代小説を読んでいると武田信玄が、今川と戦ったときに塩を止められて困っている時に、上杉謙信が塩を送ったという有名な話があります。
2020.10.28読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間だけでなく経済をも動かす鉱物、塩について詳しく綴られている大人向けの絵本です。
塩の作用や歴史や製造法・使用法等が、素敵な絵と共に解説されています。
塩は大変高価なものでしたが、今では当たり前のようにあります。
塩が貴重であることを改めて教えてくれる一冊。 -
文も絵もボリュームがあり、内容からしても読み聞かせには不向きだが、塩をめぐる世界史を語ったものとして非常に面白い。
小学校高学年くらいから大人まで。
特に受験にシフトした勉強ばかりしている年齢には、新鮮なものにうつるだろうことは必定だ。
塩が人類史といかに密接に繋がってきたか。
今やスーパーでいつでも安価で買える塩が、幾度も歴史を動かす要因となってきた事を再認識できるだけでも、この一冊の価値はかなりのもの。
絵は、「しゃっくりがいこつ」や「うごいちゃだめ!」などを手がけたS.D.シンドラーさんのもので、見開きごとのテーマにそって上手に描かれている。
時にリアルに、時にユーモラスに。
そのデフォルメを楽しむのもおおいにアリだ。
最後まで読むと年表が現れ、この一冊を振り返ることが出来るつくりなのも心憎い。
「塩」というと必ず思い出すのが民間信仰のブードゥーで、呪術による麻痺状態から抜け出るためには「塩」を与えるのだと昔聞いたことがある。
真偽のほどは分からないが、この本の中にも「塩がないと」「呼吸したり 消化したり 栄養や酸素が 体内に回らなくなってしまい 神経が働かなくなる」という記述があり、もしや本当だったのかと少し身震いもしたり。
エピソードのひとつひとつがとても興味深く、知らないことだらけなのがこんなにも楽しいという本も珍しい。
文明は塩とともに。
古代ローマ人の気前の良さや、中国人は昔々からそうだった(笑)ことや、「採掘」というと塩ではなく石油になったという時代まで、面白さでどんどん読み進めてしまう。
歌舞伎で「汐汲み」という演目があることや、同じ名の人形があることなども思い出した。
「山椒大夫」では、安寿は汐汲みをさせられていたものね。
「塩」って人間の歴史そのものなのだね。
今夜の台所では、ちょっと違う気持ちで料理に塩を振るだろう。 -
死んだら塩漬けにされるっていうのが少し怖い気がしました
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小2の息子に読んでやったが、まだ内容的に難しかった。大人の目では、塩が古代よりいかに重要で権力と密接であったかとか、その後の流れとか概要としてはよくわかったが、お話としてはイマイチだった。
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今では簡単に手に入る「塩」の世界史絵本。絵本の中で紹介されているヴィエリチカ岩塩坑の彫刻をいつか見に行ってみたい。
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塩の歴史が学べる本。
無くてはならない塩を巡って戦争までおきていたとは。
じっくりと読まないと1回では理解するのが難しいかな。 -
いきものが生きていくうえで、なくてはならない「塩」について、どのような歴史をたどってきたのか、わかりやすく解説された絵本。食の文化史とともに世界史も関連付けられているので読みやすい。
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表紙の絵にひかれました
どのページも丁寧に丁寧に描かれていて
お塩の役割、位置づけ
するすると頭にはいって
知識がふえる嬉しさがあります
著者プロフィール
マーク・カーランスキーの作品





