くつやのねこ

著者 :
  • ビーエル出版
3.80
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本棚登録 : 559
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (24ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776404149

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の絵に一目惚れして、手に入れた本。
    輪郭線がかすかに残っている他は、色鉛筆で丹念に淡い色彩で塗りつぶしてある。
    暗くもなく、明るくもなく、猫の表情が変わる以外は、猫の飼い主である「くつや」の顔はどこも後ろ向き。
    かといって、それぞれのページには蛾やカラスや小さな花、綿のような雲が細かに描き込まれている。そして文字数はごく少ない。
    なんと不思議で繊細で、神秘的な世界なのだろう。

    ペローの『長靴をはいたねこ』へのオマージュを込めたアレンジ作品だというが、これはこれで完成している。
    怪しい魔物のいる城、その魔物と猫との知恵のかけひき、そしてハッピーエンドの前にはやや衝撃的な一ページがある。
    たった2行の文字の下に広がる、小さな鮮血のあと。
    ここで思わず息をのんで、大団円に繋がっていく。

    いまいあやのさんは、2003年から連続で5回、ボローニャ国際絵本原画展に入選しているという。
    その実力も確かなものだが、絵本の織りなす美しい世界に、ひとりでも多くの方に浸っていただけたら、
    ナンテ思うのであります。
    猫好きなワタクシからのひと言は「やっぱり猫って賢いわぁ!」。

    • 円軌道の外さん
      nejidonさん、こんにちわ!
      いいねポチに感謝感激ッス!
      小躍りしてしまうくらい喜んでおります!
      (勢い余って、朝からクイックルワ...
      nejidonさん、こんにちわ!
      いいねポチに感謝感激ッス!
      小躍りしてしまうくらい喜んでおります!
      (勢い余って、朝からクイックルワイパーをマイクスタンドに見立てて、
      ワンマンショーしてしまいました汗)

      いやぁ~、素敵過ぎるnejidonさんの本棚に触れると、
      たくさんの的を得たレビューの数々に、
      (そしnejidonさんの『好き』が伝わるレビューに)
      いつも時間を忘れて読みふけってしまいます。

      まるで物語を読んでるかのように
      す~っと、心に入ってくる読みやすさと分かりやすさと(鋭い切り口も)
      ユーモアを交えたあたたかなまなざしも
      nejidonさんのレビューに惹き付けられる秘密だと僕は勝手に思ってます(笑)


      そして今日はこの本に決めました!(笑)

      これ、僕もnejidonさんと同じく、
      表紙の可愛い絵柄と美しい淡い色合いに惹き付けられて
      衝動買いした絵本です♪

      今井彩乃さんは、発表当時はまだ新人の作家だったそうだけど、
      可愛いタッチの絵柄なのに
      どこか陰りが感じられて、毒気もあって、
      幻想的で独特な世界観に強く惹き付けられました。

      nejidonさんの言うように
      神秘的で美しい絵柄を眺めるだけでも充分に価値がある絵本だと思うし、
      もっともっとたくさんの人に読まれるべき絵本ですよね。

      おおーっ!
      確かに猫ってかしこいッス!

      変わっていく景色を見逃さないようにと声をかけてくれたり、
      星の王子さまのように
      いちばん大切なことは目には見えないってことを気付かせてくれたり、
      僕も彼らから教えられることってたくさんありました。

      普段は、わざわざ読んでる新聞の上に
      スフィンクス座りして邪魔をしたり(笑)、
      (ぽってり体型だったので、新聞なんてまったく何も見えなくなります笑)

      メタボだったのに壁を垂直にかけ上がって、
      スチールラックの上から僕の背中めがけてダイブしたり(驚)、

      マジで死にます!

      ホンマ、やんちゃ坊主やったんスけどね…(汗)


      てか、また油断したら
      長々ととりとめのないことを書いてました!(>_<)

      ということで、
      今週末から来週にかけては
      最強の寒波到来とのことなので、
      風邪など引かぬようお身体ご自愛くださいませ。

      また遊びに来ます!(笑)
      2018/01/20
    • nejidonさん
      円軌道の外さん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます。
      ワンマンショーが間近で見られなくて、まことに残念です・笑

      いえ...
      円軌道の外さん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます。
      ワンマンショーが間近で見られなくて、まことに残念です・笑

      いえいえ、そんな・・褒めすぎですよ。
      円軌道の外さんの叙情性を、少しは分けていただきたいくらいです。
      レビューは苦ではないのですが、感想なのか書評なのか、もう自分でも分かりません。
      書き方を学んだわけではないので、仕方がないのですけどね。
      とりあえずは、ここでご紹介させていただいた本を、おひとりでも「読んでみたい」と思って
      くだされば本当に嬉しいです。

      ところで「いまいあやのさん」のこの本、買われたのですね!!わぁお、お揃いです!
      この本には苦い思い出があって、「長靴をはいた猫」のオマージュ作品ですと言って読み出したら、
      なんとなんと、殆どの子どもたちは「長靴をはいた猫」を知りませんでした。
      そのことに限らず、驚くほど昔話を知らないのです。
      これは、大人の責任大ですよねぇ。
      で、来月の2月22日は「にゃん・にゃん・にゃん」の日なので(笑)まず「長靴をはいた猫」の素話をして、
      それからこちらを読もうかと。それならOKですよね?

      猫のエピソードなら、私もてんこ盛りですよ・笑
      そちらの子ほどやんちゃではありませんが、本が一冊書けるくらいです。
      でも確か円軌道の外さんの猫ちゃんは、亡くなったのですよね。
      それでは、(と言うほどでもないかもしれませんが)カテゴリーから入っていただくと「猫もの」というのがありますので
      その中から「ねこのき」をおすすめします。
      愛猫を亡くした友人には、いつもこちらを贈っています。
      もしすでにお読みでしたらごめんなさいね。

      それではまた。楽しい作品に出会いましたら
      ぜひご紹介ください。

      2018/01/21
  • あぁ。もう ピンクほっぺがあると なんでもかわいく見えてしまう。
    この猫の顔だけで ☆5つにしてしまうという。
    とっても キュートで うっとり。
    やさしくて あわい色合いも タッチもすきだな。


    読み終わったあとに 裏表紙を見たら
    ここにすべてが 集約されているのねって かんじ。

    長靴をはいた猫と かぶっていると思ったら
    アレンジ版だったのね。

  • イラストの可愛らしさと、お洒落なデザインがページを捲るたびにわくわくさせてくれます。
    猫の知恵に乗せられた魔物の最期が呆気なくて可愛らしく感じました。
    とにかくイラストに惚れました。

  • いまいさんが描くねこが本当にねこらしいです。そして愛らしい。
    民話「長靴をはいた猫」を新しくアレンジしたお話だそうですが、民話を知りませんでしたが、いまいさんの絵本を始めに読めてよかったと思っています。ラストはちょっぴし怖いですが、絵に吸い込めれる絵本でした。

  • 「こびとのくつや」と「ながぐつをはいたねこ」がとてもうまく合わさったお話で、親しみやすく、絵も綺麗。
    最後のページと裏表紙の遊び心も、子ども達は発見して喜んでいました。

  • 2010年発表。
    あるところに、貧しいくつやが一匹のねこといっしょに暮らしていました。

    くつやは、とてもうでのよい職人でしたが、お客はさっぱりきません。途方にくれるくつやに、ねこは言いました。
    「いい考えがあります。わたしに、いちばんよい革で長くつをつくってください」
    そして森の奥深くにある魔物の住むお城へ、
    つくってもらった
    真っ赤な長くつで出かけていきました。
    さて、ねこはどうするつもりなのでしょうか。


    名作「長靴をはいた猫」を、若手絵本作家、今井彩乃が新しくアレンジ。
    2009年のイタリア・ボローニャ絵本原画展でも
    ひときわ人気の高かった作品です。



    いやはや
    コレは傑作。


    「長くつをはいた猫」を
    オシャレで新鮮な物語として再構築した
    新人とは思えぬ
    今井さんの感性に脱帽です!



    靴やを助けるために乗り込んだ城での
    魔物とのやりとりに重点を置いた
    テンポ良く転がるストーリー。


    ロンドン生まれということからか、
    ヨーロッパ風の
    淡く繊細なタッチの水彩画は、
    美しく軽やかで、


    それでいて
    ロンドンの曇り空のように
    どこか陰りのようなものも感じられて、


    幻想的な世界観は
    何度見ても飽きない魅力にあふれています。
    (グリム童話のような
    少し残酷な毒気もチラリ)



    しかし
    思わず触りたくなる
    ふわふわとした猫の絵が
    本当に可愛いし
    (キュン死にしそう)
    上手いなぁ〜(^_^)


    オシャレでキュートでカラフルな
    靴たちも必見です。


    子供は勿論だけど、
    大人にこそ読んで欲しい
    本当に美しい絵本です☆



    ちなみにラストページから
    裏表紙へと
    ストーリーは繋がっています。
    (あっと驚く仕掛けも)

    お見逃しのないように…(笑)

  • 腕はいいけれど店は古く
    お客がへってどうしようもなくなったくつやに

    「あきらめないで!
     よい かんがえが あります」

    いっしょにくらすねこがいいました

    いちばんよい革で足にぴったりの長ぐつをつくってもらったねこは
    町はずれの森のおくにある大きなお城に出かけてゆきました

    この城には人を食べてしまう魔物が住んでいました
    ねこは魔物に……

    民話「長靴をはいた猫」を下敷きに今井彩乃がうつくしくしあげた絵本

    2009年のボローニャ国際絵本原画展で認められスイスで出版
    本書は翌2010年に出版された日本版

    その後、2011年にはスロバキアのブラティスラヴァ世界絵本原画展で「子ども審査員賞」受賞、『2011年度版 この絵本が好き!』(別冊太陽編集部/編)では「2010年刊 国内絵本」の一位も獲得

    表情、姿勢、毛並みのどれをとっても“手元におきたい猫絵本”の一冊

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