金の鳥 (世界のむかしばなし)

著者 :
制作 : さかた きよこ 
  • ビーエル出版
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本棚登録 : 36
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776408635

作品紹介・あらすじ

美しい金の鳥をつかまえたいという王の命令により、金の鳥をさがす旅に出た3人の王子。
途中に出会ったおじいさんの忠告をきいた、優しくかしこい末の王子は…。

感想・レビュー・書評

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  • ブルガリアの昔話です。

    むかし、あるところに王さまと3人の王子がいました。
    お城には金のりんごがなる、不思議な木がありました。
    りんごの木は、毎日、真昼に花を咲かせ、夕方に実をつけ、夜に甘く熟すのでした。
    ところがある朝、王さまが庭に出ると、りんごが1つもありませんでした。
    王さまは3人の王子に、夜の間、番をするように命じます。
    王子たちは一晩ずつ順番に見張り番につきますが、上の2人の王子たちは眠ってしまってりんごを盗られてしまいます。
    一番下の王子が眠らずに待っているとそこに現れたのはまばゆく光る金の鳥でした。王子が矢を射かけると、鳥は逃げていきます。
    翌朝、落ちていた1枚の羽を王さまに見せると、王さまはこの鳥を捉えたものに王国を譲ると言います。
    さあ、王子たちは鳥を見つけ出すことができるでしょうか。

    3人兄弟、何かを探し求める旅、助言者の出現、美しい姫との出会い、裏切り、と、昔話ではときどき見られる展開ですが、このお話には予想を超えたふくらみがあり、素朴で温かい奥行きがあります。
    七十七の門、金の鳥が入った金の鳥籠、空飛ぶ馬、クルミのからに収まる薄い婚礼衣装。
    美しい描写に空想が広がります。
    幻想的な挿絵も物語の奥へと読者を誘ってくれます。

  • 内田莉莎子さんのコーカサスの昔話の「金の鳥」とカスピ海を隔て反対側の国、ブルガリアでは、ちょっとゴージャスなお話になっているようなイメージ。

    三人の息子は王子であり、王の命令で何故金のリンゴがなくなるのかを探ることになる。
    そもそも、その不思議な金のりんごの必要性が分からない、その点だけがこちらのお話で私がモヤモヤするところ。コーカサスのお話では、おじいさんの健康のために必要なりんごだった。ここでは鈴なりにりんごが実り、一夜にして金の鳥がさらっていく。

    そして、旅に出た末の王子は、途中おじいさんにパンをわけてやる。が、そのおじいさんはとくに、病気だとか、飢えてたという訳でもなく、ただ、おじいさんである。

    コーカサスでは末の息子を助けるのはおおかみで、おおかみが昼夜息子を背にのせかけめぐったのだが、ここではおじいさんが王子のうでをかかえて、あるき通すとある。なんともエキセントリック。

    さてここから先はかなり物語の展開が変わり、ブルガリアでは美しい姫と、不思議な婚礼の衣装がお話の鍵になる。ロマンチックでゴージャスな感じがするのはこの先かな。

    もともと好きだったコーカサスのお話と比べてしまい申し訳ないけれど、後半2転3転とするお話がグリム童話のようでなかなか楽しかった。ぜひ、2つのお話を比べて読んで欲しい。

    幻想的で魅力的なイラストも素敵だった。

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著者プロフィール

八百板洋子 福島県生まれ。ソフィア大学大学院に留学。訳詩集『ふたつの情念』(新読書社)、『吸血鬼の花よめーブルガリアの昔話』(福音館書店)でそれぞれ日本翻訳文化賞を受賞。『ソフィアの白いばら』(福音館書店)で産経児童出版文化賞・日本エッセイストクラブ賞を受賞。その他の訳書に『いちばんたいせつなものーバルカンの昔話』(福音館書店)など。日本民話の回で民話の採録、研究に携わる。日本の昔話では、『おはなし12か月(全15巻)』(共著・国土社)などがある。

「2017年 『猫魔ヶ岳の妖怪 福島の伝説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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