一富士茄子牛焦げルギー

著者 :
  • ビーエル出版
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本棚登録 : 53
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776409243

作品紹介・あらすじ

元旦の朝。変な夢を見たと、おとんが言う。牛みたいな大きな茄子が迎えに来て、富士山に連れていき、富士山がなんでも願いをかなえてくれるという。そこでおとんは、餅が焦げないようにしてくださいと頼んでしまったというのだ。その願い通りに、なんと、日本中の餅が焦げなくなってしまった! あともう一つ富士山は、願いをかなえてくれるという。親子がかなえてほしい願いはひとつ。それは死んだおかんを生き返らせてほしいということ……。

感想・レビュー・書評

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  • 初夢が本当になり、餅が焦げない世界になる(笑) おとんと僕の関西弁の掛け合いが面白い、でも切なくほろりとくる。あとがきまでちゃんと読んでほしい。小学生から大人まで楽しく読める。おすすめ。

  • 軽快な関西弁でのボケとツッコミ。なのにほろりとするストーリー。
    家族の温かさの中に切なさを含んでいて、涙がこぼれました。
    小学生(高学年)から大人まで楽しめます。

  • タイトルから内容がまるで想像できないのだけど、読み終わると胸に染みる…。
    茄子牛ー!
    関西弁でリズム良く進む父と息子の会話が、とても心地好い。
    次第に二人の心の穴が明らかになっていっても、空気は変わらないのが良かった。
    友達のエピソードも、短いのだけど充分に伝わり、胸が締めつけられる。
    一体どこから思いついたのかという突飛な発想と、丁寧で地に足のついた心理の描き方のバランスが絶妙。
    他の作品も読んでみたい。

  • 元旦の父と息子の会話から物語は始まる。
    父の初夢は、牛みたいな茄子が出てきて、それに飛び乗って、富士山の山頂に行った“というもの。
    ボケてツッコむ!関西弁で親子の会話が、軽快に繰り広げられる。
    読み進めていくと、そんな会話から切なる願いや悲しみがにじみ出てきて、予想外の展開に胸がしめつけられた。

    そうか、そういうことか。

    それが分かると二人の軽快なやりとりも故意にそうしてるようで、読み手として見方が変わる。
    卑怯なことはできないおとん。大切なものを守っているおとん。幸せを見逃さないように、見せてあげたい気持ち、親になるとよく分かる。

    児童書らしい、ファンダジーとリアルが混じった、前向きになれる話だった。
    子どもの時に読んでいたら、絶対に泣いてたと思う。

    再読すると、ますますおとんの気持ちが伝わってきて、1回目とはちがう気持ちに。はー、切ない。

    最後の一行がなんとも好きだ。

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著者プロフィール

1979年大阪生まれ。画家・絵本作家。海の砂を用いた独特の画法で描く。2005年、台湾にて初の絵本作品を出版。その後の作品に『うたえなくなったとりと うたをたべたねこ』(求龍堂)、『クークーグーグー』(あかね書房)、『ねむねむごろん』『りすのおふろやさん』(KADOKAWA)、『なでてごらん』(幻冬舎)、『いいいろふうせんや』(早川書房)、『さんぽっぽ』(パイ インターナショナル)などがある。2020年『一富士茄子牛焦げルギー』(BL出版)にて、第53回日本児童文学者協会新人賞受賞。

「2022年 『おたんじょうび ふー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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