- Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776409243
作品紹介・あらすじ
元旦の朝。変な夢を見たと、おとんが言う。牛みたいな大きな茄子が迎えに来て、富士山に連れていき、富士山がなんでも願いをかなえてくれるという。そこでおとんは、餅が焦げないようにしてくださいと頼んでしまったというのだ。その願い通りに、なんと、日本中の餅が焦げなくなってしまった! あともう一つ富士山は、願いをかなえてくれるという。親子がかなえてほしい願いはひとつ。それは死んだおかんを生き返らせてほしいということ……。
感想・レビュー・書評
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初夢が本当になり、餅が焦げない世界になる(笑) おとんと僕の関西弁の掛け合いが面白い、でも切なくほろりとくる。あとがきまでちゃんと読んでほしい。小学生から大人まで楽しく読める。おすすめ。
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軽快な関西弁でのボケとツッコミ。なのにほろりとするストーリー。
家族の温かさの中に切なさを含んでいて、涙がこぼれました。
小学生(高学年)から大人まで楽しめます。 -
タイトルから内容がまるで想像できないのだけど、読み終わると胸に染みる…。
茄子牛ー!
関西弁でリズム良く進む父と息子の会話が、とても心地好い。
次第に二人の心の穴が明らかになっていっても、空気は変わらないのが良かった。
友達のエピソードも、短いのだけど充分に伝わり、胸が締めつけられる。
一体どこから思いついたのかという突飛な発想と、丁寧で地に足のついた心理の描き方のバランスが絶妙。
他の作品も読んでみたい。 -
元旦の父と息子の会話から物語は始まる。
父の初夢は、牛みたいな茄子が出てきて、それに飛び乗って、富士山の山頂に行った“というもの。
ボケてツッコむ!関西弁で親子の会話が、軽快に繰り広げられる。
読み進めていくと、そんな会話から切なる願いや悲しみがにじみ出てきて、予想外の展開に胸がしめつけられた。
そうか、そういうことか。
それが分かると二人の軽快なやりとりも故意にそうしてるようで、読み手として見方が変わる。
卑怯なことはできないおとん。大切なものを守っているおとん。幸せを見逃さないように、見せてあげたい気持ち、親になるとよく分かる。
児童書らしい、ファンダジーとリアルが混じった、前向きになれる話だった。
子どもの時に読んでいたら、絶対に泣いてたと思う。
再読すると、ますますおとんの気持ちが伝わってきて、1回目とはちがう気持ちに。はー、切ない。
最後の一行がなんとも好きだ。