新装版 親なるもの断崖 第2部 (ミッシィコミックス)

著者 :
  • 宙出版
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776740650

感想・レビュー・書評

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  • 結局、直吉は報われないままだったんですね・・・
    ”女郎の子””元女郎”というだけでここまで差別されて、ひどい目に遭わされないといけないのかと、読み始めはつらかったのですが、”女郎の子”道生の力強い生き方と、嫁に対して邪険にふるまっていたばあちゃんの愛情に救われた気がします。そして父と母、ばあちゃん、前半に登場した九条や母の元カレのアカの人など、多くの人から次代を変えていくことを期待され、愛されていたんだなぁと思います。
    そして最後には道生が幸せに結婚していったこと、娘の将来を案じていた母のエピソードに泣けました。

    遊郭の歴史とひと口に言っても江戸の遊郭と明治以降、そして今回の作品の時代である昭和とではかなり違いますね。江戸の遊郭にはまだ”粋"な雰囲気や時代の先端を行くイメージがありましたが明治以降時代がすすむごとに悲哀さが増していきます。もし、学問として歴史を研究するなら遊郭の歴史をやってみたいと思っていましたが、実際研究するとつらいかも・・・

  • ばっちゃんが口は悪いが超いい人だった。

    最後まで読むと救いのある終わり方でよかった。

  • 今の世の中は辛い過去があってのもの。
    苦しい思いで途中何度も本を閉じた。
    貧しさが戦争を呼び込む。
    人間の中にある闇が悪魔を連れてくる。
    キナ臭さがある昨今の世界情勢。
    どうか平和で人間や生き物が
    幸せで心豊かでいられますよう願う。

  • ヒロインは前巻お梅の娘。アカの女郎の子と蔑まされながら育ち、更に戦争の影が濃くなり前巻よりも重く感じた。 自分ではどうしようもない境遇の人をどうして虐めることができるのか。 貧乏ゆえに廓に売られた梅、まして子には何の責もない。今よりも世間体がものをいう、そういう時代だったのだろうか。 しかし嫁を憎み強くあたりながらもその子を愛さずにはいられないばあちゃんは人間味があり憎めない。梅の編んだズロースを道生に大事に履かせてやるあたり お梅には同じ母親として同情もあったものと思う。わからなくてもわかるようになれ、と道生を泣きながらぶつ場面が辛かった。 娘の道生、母のお梅、父の茂世、祖母それぞれに抱える想いが強いゆえに悲しみを生むがどれも責められるものではないと思った。 頁が厚く読み応えがあるが一読して損はない作品。

  • なんと、母娘と世代をまたぐ大河ドラマに。戦争の悲惨も上手くからませて、なかなかに読み応えのある作品でした。

  • 史実に架空の人物を四人あてがうだけで凄まじい展開の人間ドラマになっている。
    昔の女=物って扱いがよくわかるお話し。
    人間がいかに集団になるとイキルのかって事と、それでも母は強い。

  • お梅は家柄の良い家にお嫁に行き、利発な女の子道生が生まれるが、女郎時代とは異なる苦労が絶えない。
    道生が自分の考えをしっかり持って、生きていく様に心を打たれる。ラストには救われた。
    ほんの数十年前の絵空事ではない、祖父母の時代の日本だと意識して読んで欲しいと思います。

  • 一部、二部と続けて読んだ。
    非常に胸が痛くなる内容だった。

    現代でも、女性蔑視、男尊女卑は残っているが、程度が現代の比じゃない。
    ただ、道生が登場したあたりで第一部で中心だった人たちが断片的に描かれてボヤけてしまい、道生の気持ちや周囲を取り巻く環境や状況もボヤけてしまったのが残念だった。
    自分の事のように思えないきそう感じてしまったのは、自分が戦争を経験していない世代であり、どこか対岸の火事という意識があるからかもしれない。

  • 最初から最後まで大体泣いてた(笑)。
    第1部はこれを描くためにあったんだ、と思った。
    1部しか読まないのは勿体ない!

    第2部は戦争中の庶民の苦しい生活がリアルに描かれている。
    左翼的、というレビューがたまにあるけど、戦争中の生活がこうだったのは事実でしょう?
    戦争を誘導したのはアメリカだったかもしれないけどさ。
    この戦争のために苦しんだ人がいたことを、無かった事にはできないし、それを資料に基づいて描いてるだけで、誇張してるとは思えない。
    自分が親や祖父母から聞いた話もこんな感じだったし。

    以下はネタバレ含みます。


    --------------




    2部は1部より救いのある内容で良かった。
    薄幸なお梅は2代かけないと幸せになれなかったんだけど。。
    武子かっこよすぎだし、何でずっと無事なんだ(笑)
    人は変わってしまう、と武子は言ってた。
    確かに、この作品に出てきた人は皆変わった。
    武子も、主人公も、主人公の祖母も。

    人は変わるのだ。
    昔ああだった人が、今も同じとは限らない。
    でも皆生き方を模索してるんだから、変わって当然じゃないかな。
    変わらないのが良いとは限らないよね、と。
    自分も他人も変わって、昔嫌いだったその人を好きになれる事もあるかもしれないよね。
    そういうところがこの漫画はリアルだった。

  • 母親としての感情が理解できるだけに、2巻は読んでいて辛かったです。
    自民党の憲法改正草案が通れば、基本的人権はなくなり、緊急事態条項が発議されれば、いつでもこのマンガのようなことが起こり得るのだなと。
    昔は大変だった…じゃ済まなくなるかもしれない。
    女性はぜひ読んでおいたほうがいいと思います。

    http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-1286.html

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