- Amazon.co.jp ・マンガ (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776791270
感想・レビュー・書評
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『素晴らしき「もののあはれ」の世界』
小学生の女の子がノラ鶏を拾ってきたことで始まる日常生活が
なぜこうも面白く、愛おしいのか。
主人公たちが平気で見せる「アイター」という
変な顔や(これがまたカワイイ)、少しずれた行動。
それは名作『さんさん録』でもキラキラ輝いている
素晴らしき情緒ギャグの世界なのです。
そのしみじみとした調和的な情趣の世界はもはや
もののあはれと言ってもいい。言い過ぎか。
作者が織り成す愛50:ギャグ50の
絶妙なブレンドに只今夢中です。
いま個人的に注目度No.1作家のひとりです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
拾いニワトリ・こっこさんが巻き起こす騒動と飼い主やよいを始めとする周囲の人々の成長。
マンガの中での動物は、書き手や登場人物の都合の良いように脚色されていることが多々あるが、こっこさんは脚色が少なく現実のニワトリそのまんまで、物語に都合よく動いてくれないのが面白い。後書きで書かれている作者のニワトリ飼育経験が反映されているのだろう。
作者が好んで使っていると思われる、下からあおるような構図で描かれる風景と佇む人の絵が綺麗で好き。 -
とても優しいお話でした。
ニワトリを飼ったことはないけど、凶暴さは動物のお医者さんのひよちゃんを思い出した。 -
にわとりのこっこさんと暮らす生活。ドタバタとその合間に来る静かな風景と色々な人の家庭の奥深さのコントラストに妙味。さすがの技術。
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こうの史代さんの作品『こっこさん(2005)』を読了。
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小学生のやよいが、学校帰りに拾ったニワトリの「こっこさん」。根性悪で凶暴、目つきも可愛くないけど、すっかり家族の一員となって……。心温まるコメディです。
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ニワトリのこっこさん、凶暴でかわいい!ニワトリといえば反射的に『動物のお医者さん』のヒヨちゃんが思い浮かぶけど、ニワトリに対するイメージは全くそのままだったw
こうの史代さんの描く世界は「世の中決して甘くないよ」ということを教えてくれると同時に、とても温かいものが流れていて、ほっこりして好きだなぁ。そして、佐々木倫子さんもこうの史代さんも、動物に対する観察が細かくて楽しい。 -
2017.6.3市立図書館
このところハマっているこうの史代の過去作品シリーズ。1999〜2001年の作品。
まるでかわいげというものが感じられないオンドリをなぜかペットとして飼うことになってしまうなんて不条理&ほとんど受難ながら、いつしかそこはかとない交流もなんとなく感じられるようになる不思議、へたにことばがつうじてしまう人間よりもよほど真実があるかもしれないとさえ感じた。オンドリ側に押し切られるように飼い始めつつ投げ出さず辛抱強くこっこさんのためにあれこれ知恵を絞って工夫できるやよいちゃんのまじめさとやさしさがいいし、なんでもないように受け入れている家族もありがたいなぁと思う。
娘たちが先に読んで、「長い道」と共通のキャラが出てくる、という発見報告あり。ちょうど前後する時期の連載だったようだから、遊び心かな? スターシステムもあるのかしら? -
こうのさんの鳥が大好きだ。キュートという意味ではあんまり可愛くないけど、愛すべきという意味ではものすごく可愛い。
人間くさく描いてあるので、読んでいるうちに鳥の形をした人間なんじゃないかと思ってしまいそうなくらい・・・。
「こっこさん」はニワトリという、これまた人間の生活と切っても切れない鳥。ニワトリと人間の交流(?)を描いた物語が果たして他にどれほどあるだろうか。斬新なのに、こっこさんが隣の家にもいるような気がしてくる不思議な物語。