説得ゲーム (Next comics)

著者 :
  • 宙出版
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本棚登録 : 313
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776792727

感想・レビュー・書評

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  • 大昔に買った漫画ですが、定期的に読み返しています。漫画はレンタル派なのですが、これは一生手元に置くであろう大事な一冊。
    短編集で、中には5ページしかない話もあるのですが、どれも伝えたいことがはっきりわかり、また人というものがきちんと描けています。
    どれも好きですが、私は特に、NOBODYがおすすめです。
    全身が麻痺して死に至る難病にかかった大学生が、脳死した男性の体に自分の脳を移植する。周りに温かく支えられながら、新しい体で生きていこうとするが…。
    突拍子も無いSFベースの設定ですが、作者の技量でリアルさが加えられ、主人公やその家族、恋人、脳死した男性の母親の気持ちが、ゆっくりズレていく様を短いながらもよく描いています。
    決して楽しい話は少ないのですが、どの話も、人生ってままならない…けどなんか捨てたもんじゃ無いな、と思える良作が入っています。

  • 結構古い漫画だったのか。
    「人間」はどこまでが人間なのか、を扱った最初のヤツとかは、いかにもSF。
    表題のヤツとかも含めて、結局結論は出てないんだけどそれでもなんか、とにかく結論がなくても生活の中にやって来る問題だよね、って言う感じで、おもしろい。

  • 著者の漫画はこれまで何冊か読んでいますけれども、今回もまた、良かったですね!

    まあ、「ワンピース」とか、ああいう架空のお話が好きな方には決して受け入れられないタイプの漫画ではありますが…まあ、今作もフィクションと言えばフィクションなんですけれども、話の設定とかが現実の家族・カップルを参照して作られている感じでして、真に迫るかのような読後感を僕に残してくれました…

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、僕も最近では現実のそういう辛いこと・悲しいことに向き合わせるかのような作品は苦手になりつつありますが…ま、この漫画はそういったことと向き合うことの大切さ、みたいなものを思い出させてくれたのだけれども、読後、三秒で忘却の彼方へ…さよなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 2013年9月2日

    <PESUATION GAME>
      
    装丁/名和田耕平デザイン事務所

  • まだ私も未練がある。
    だから、生きていける。
    時にはその重い柵が、私をここに留める錨になる。

  • 「たぶん脳だけじゃダメです。たぶん自分の目で見て自分の手で触らないと…
    (中略)ありがとうございました」(『キオリ』

    「子供は親の都合で中絶されるんですよ?自分で死んだっていいじゃないですか」
    「…甘いんだよあんたは そんなことは全員知ってるんだ」
    「…認めるならちゃんと言って下さいよ 生きるための理由はあっても
    生きてることに意味なんかないでしょ?」(『説得ゲーム』

    元々はこの作者さんのサイト「COMPLEX POOL」に掲載されていたショート漫画です。
    エロ・グロ・同性愛と思いっきりRな内容が生々しく描写されていますが(サイトも18禁です)視点はとても純粋。
    痛くて仕方ないコンプレックスやトラウマが逃げずにまっすぐ描いてあって、読み終わるとどこかホッとします。他の本に掲載されている『わるい子』や『幸せ』や『殺人計画』もオススメ(『殺人計画』は未だに読むのがテレくさいです・笑)

  •  「タイムマシン」が一番ページ数が短かかったが、一番良かった。
     人によっては良くあるパターンと思うかもしれないが、
    メッセージがストレートで心にすっと入ってきた。
     自分がタイムマシン使えたら、中学時代くらいに戻って
    同じ事しそうです。

  • また出ました。泣ける『笑うセールスマン』。人知を越えた力を手に入れる恐怖だけでなく、それを克服した喜びまで書いているのが良いです。『タイムマシン』に笑い、『NOBODY』に泣き、『クバード・シンドローム』は身につまされました

  • やっぱ戸田さんって人も、こういうSFチックな世界を構築する力がずば抜けていて、天才やなあと毎回どの本を手にとっても思う。外れがないなあ。
    絵は上手くないのに、どうしてこうもキャラクターに適度に感情移入させて、自然に物語に入り込ませることができるんだろうか。読み手の期待に応えるドラマが必ず1話に1つ。
    やっぱ左ページの一番最後に読むコマ大事やなあ。次ページにめくらす力。
    男性の妊娠を扱った「クバード・シンドローム」は、読み始めた時点でオチが読めたけども、これはこれでアリだなあと思わせてくれる。
    脳だけを取り出し培養する「キオリ」、これはアイディア勝ちだけど、そのアイディアをしっかりストーリーとして見せれているのがプロのすごさですね。
    カラーの「タイムマシン」は、ちょっと『夏への扉』を思い出した。たった5Pなんだけど、響く。と同時に、自分だったら、自分に何を伝えるんだろうって、読み手に立ち止まらせるような作品。
    「説得ゲーム」は、この本のタイトルにもなってるけど、もっともっと膨らまして面白いストーリーにもできたのかなあ。短編だからこそ生きたのかなあ。「自殺志願者を説得できなければ、このゲームは終わらない」→どうしても、ここが未回収に感じてしまって、無理矢理終わらせてしまったような感覚。
    でも、だれも不幸にはしないから、この作品集は好きです。

  • 脳味噌が移植される話がありますが将来医学が発達してもこの話にでてくる問題は解決されないでしょうね。
    タイムマシンの話は現実的だがロマンが無いな。

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