イルミナシオン (mellow mellow COMICS)

  • 宙出版
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本棚登録 : 2206
感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776794967

感想・レビュー・書評

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  • ヤマシタトモコさんの描く男が好きだ。
    ゲイの繊細な心のアヤをいくつかの短編集で。
    なかなかにいい。

  • BLって、ホモという生物的に生産性のない関係をいかに生産性のあるように表現するかだと思うのですが、ヤマシタトモコ作品って生産性のないもんはないんだからあるようにはなんないですって感じのイメージ。
    異性間でも当たり前ですが、自分が好きだから相手も好きになってくれるとは限らないし、想いあってもどうなるかわかんない。そういう現実的な部分を綺麗に描かないところがとても好きです。
    そして揺るぎないどうしようもなさ!ひとの感情ってほんとに暴力的だな。


    『イルミナシオン』
     うわーって感じでした。途方もないことを描いていると思います。そして終着点がなさすぎて、好き嫌いが分かれそうな話。
     “誰にも嫌われない”と“誰にも好かれない”って“誰も嫌いじゃない”と“誰も好きじゃない”に似てる。確かに孤独な人とか孤立してる人ほど誰かを求めてるのかもしれない。求めすぎてそうなのかもしれない。

    『ラブとかいうらしい』
     画面的に動きはないけれど、やっぱりこの方の描かれる会話のやりとりが好きです。
     性指向に絶望しても生きてかなきゃいけないって、当たり前のことなんですけど、ふつうに描かれてるし、その恋が一生に一度の恋じゃないって、現実世界で当たり前のことも当たり前に描いてる感じが哀しいけど人間くさい。

    『ばらといばらとばらばらのばらん』
     わたしはこの話に★5を付けていると断言していいくらい好き。初めて読んだとき、心が震えました。
     ヤマシタトモコ作品の女の子って豪傑っぽい。女という生き物特有のネチネチした部分がなくて、強くて逞しい。

    『あの人のこと』
     構成が秀逸。人が死んでるけれど、人間の温かさを感じるお話だと思います。
     好意という感情は時たま暴力的だと思うのですが、しっかりやさしさも含まれているから愛しいものなんだな、と。
     BLというには些か違和感を覚えるお話。BLが好きっていう人以外にも読んでほしい。

    『神の名は夜』
     すべてにおいて神がかっている。こういう暴力的な愛が好きです。…病んでないです。
     男同士だし、殴り合いの延長にセックスがあっても「ふうん」って思う。
     しかしこの二人は依存っぽさを感じる。病んでるけど、描き下ろしの結末的にはポジティブ。

  • ワンシチュエーションで会話のうまさがより際立っていてえらい読みごたえだった。→「ラブとかいうらしい」
    「ばらといばらとばらばらのばらん」「あの人のこと」も最高です。

  • 痛さとか心の機微とか、すごく伝わってきて悲しくなる。結構ガチなBL要素も含んでるんだけど、そんなことはそう気にならない。心の揺れに、ホモだとかヘテロだとかそんなことは関係ないということなのか、それはわかるべくもないけれど。

  • 短編集。切ない話が多くて胸が苦しい。おまけ漫画のおかげで読後はスッキリ

  • 短編いろいろ詰め合わせ。
    誰もちゃんと幸せになれてないんだけど、最後のおまけ漫画で救われた。良かった。

  • 救えない。だけどそれでも読み返してしまうお話。おまけ漫画があるのでそこで救われる感じです。ヤマシタさんの描く女の子は男前でかっこよくて好きです。「恋敵よ今、きみの手を取る!」のセンスに圧倒。

  • 表題作の結論のでない平行線な感じも良かったけど、「ばらといばらとばらばらのばらん」の恋敵同士の男女の友情(?)と「あの人のこと」がとてもよかった。
    特に「あの人のこと」は複数人から見たあの人についてそれぞれ証言する形式で、まるで映画を見てるみたいでした。表紙をめくったところにあるカラーイラストで、あの人が幼馴染の女の子の頭をはたいてるのがなんかかわいい。
    描き下ろしがどれも面白くてにやにや笑いました。「ばらと~」の「演奏を中止しろ!」も面白かったし、夜のふたりが面白くてかわいい(笑)

  • むくわれない三角関係の表題作よりも、同時収録の短編がとても好きでした。

    「ばらといばらとばらばらのばらん」は、暗そうで苛められてておそらくゲイの男子と、彼と同じ男子を好きになっちゃった女子の友情もの。恋敵との共感、しかもそれが男女というのが新鮮だし、女子キャラの潔さが痛快だった。

    ある男性の葬儀に集められた友人だちの、「あの人のこと」もシンプルだけどドラマがあってとても好き。

  • 覚えてない。レビュー見ても思い出せないから最後まで読んでないのかも。

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著者プロフィール

1981年5月9日生まれ。 2005年のデビュー後、すぐに「ねこぜの夜明け前」で講談社「アフタヌーン」主催の四季賞、夏・四季賞を受賞。 19年には「違国日記」がマンガ大賞4位に入賞する。主な作品に『BUTTER !!! 』『ひばりの朝』『さんかく窓の外側は夜』(本書原作コミック)『花井沢町公民館便り』などがあり、幅広い層の支持を得ている。

「2020年 『さんかく窓の外側は夜  映画版ノベライズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヤマシタ・トモコの作品

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