パンズ・ラビリンス

  • ゴマブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784777107636

感想・レビュー・書評

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  • 映画のノベライズ。
    あー、兎に角ツボなんだ残酷で美しくって。
    先ずはDVDから観てみてよ───トラウマになる人も居るらしいけどね。

  • 劇場で観てきたときにはすぐにうまく消化ができず、数時間かけてやっと胸におさめることができました。人間には「物語(おはなし)」が必要なのです。
     今回DVDを購入して手許に置きますが、実はもう観る勇気はない。
     こう描き、こう語ることで聖められ、鎮められるもの。アンデルセンの「マッチ売りの少女」はこう終わっています。「けれども、少女がどんなに美しいものを見たか、またどんなに輝かしい光の中でおばあさんと共に新年の喜びをお祝いしにいったか、だれひとり知っているものはありませんでした。」 愛惜をこめて★5つ。

  • 第二次世界大戦後のスペインが舞台。

    仕立て屋の父を亡くし、街から継父の支配する山奥の砦にやってきた少女。

    母は弟を妊娠中で臨月の身。
    新しい父となる大尉は残虐で横暴、夫の顔色ばかり窺って、主人公のオフェリアはどんどん孤立していく。

    優しくしてくれるお手伝いさんはいるけれど、そのお手伝いさんにも秘密があって……

    空想好きで夢見がち、本が大好きなオフェリアが語るおとぎ話は、どれも単純なハッピーエンドとは言えない。

    不安定な時勢に過敏な子供の感受性か、どれも濃厚な死と退廃の気配に包まれて暗い影を落としている。不老不死を約束する岩山の薔薇のエピソードといい、この映画自体「喪失」がテーマになっている。

    もっと言ってしまえば「喪失と獲得」……人はなにかを失わずしてなにものをも得られない、その深遠な命題。

    蛹は蝶に羽化する、それは蛹の自分が一度死ぬということ。
    幼年時代の通過儀礼としての仮想的な死。
    その疑似体験。
    子供の純粋さを失う過程なくして大人にはなりえない。

    オフェリアのもとを訪れた牧神パンはギリシャ神話では目立った逸話のない脇役、その醜悪な半人半獣の見た目から恋した精霊に疎まれたエピソードをもつ。
    妖精も全然かわいくない。
    グロテスクなシーンが多くて、その手の描写が苦手な人や心臓が悪い人には刺激が強そう。

    不幸な少女が試練を乗り越え王女として認められると要約するとオーソドックスかつスタンダードなジュブナイルファンタジーだが、当時のスペインのシリアスな世相が占める比重が多く、陰鬱で不吉な雰囲気に覆われた中、権威と暴力を振りかざす大尉の特異な存在感が際立つ。

    三つ目の試練の内容は無垢なるものの血を遺跡に捧げること、だけどオフェリアはそれを拒んだ。
    唯一血の繋がった家族となった弟を犠牲に捧げるのを是とせず、拒み抜いた。

    そんな彼女に訪れた運命は残酷だが……一概に現実逃避の妄想や幻覚とは言えない。

    事実は現実に帰属する、真実は個人に帰属する。

    人の数だけ、その主観の数だけ真実がある。
    オフェリアが見た世界が嘘だと断定する根拠はない。実際マンドラゴラの根は効いたのだし……
    「無垢なる犠牲」は生まれたての赤子を意味すると同時に、最後まで純真さを失わなかったオフェリアをも含んでいた。
    だから別世界への扉は開かれた。
    因果を巡る辻褄はきちんとあうのだ。

    余韻は重たいけど面白かった。
    大尉にオフェリアと対話するパンが見えなかったのは、オフェリアの妄想世界の産物という解釈もできるけど、大人は異世界と繋がってないから……他人の血を流す行為に良心を痛めず、とうに童心の純真さを失った大人に神秘は見えないと二重の解釈もできる。
    肉眼は見えていても心が盲目なら、どんな素晴らしい奇跡や魔法も映らない。

    あの遺跡が実在した現実、オフェリアが体験した真実、そしてそうあってほしいという願いから、私は今も彼女は地下の世界でしあわせに暮らしてると信じる。
    家族と一緒に。

    余談だがオフェリアの父は大尉が裏で手を回して前線に送り出すとかして殺したと思う。
    数年越しの再会を装っていたが、あの大尉なら欲しいものを手に入れるためにそれくらいするだろう。

  • ぎれるもでるとろ先生の最高傑作かと。

  • 一番印象に残っているのは妖精が噛みちぎられるところ

  • クリーチャーたちに心惹かれずにはいられない

  • ギレルモ監督の作品の中で一番好きな作品。
    子供の創造力と戦争残酷物語を融合させたダークファンタジー
    目を背けたいシーンは多いが、なぜか美しさを感じる物語に引き込まれる。

  • 「魔法なんか存在しないの。あなたにも、私にも、誰にも!」

    1944年、フランコ独裁政権下のスペイン。
    12歳のオフェリアは、身重の母とともに新しい父・ビダル大尉が軍を率いて駐屯する山中へと向かう。
    そこでは、いまだ武装した反政府ゲリラたちが新たな独裁主義政権と戦い続けていた。
    母親は旅の疲れから流産をおこしかけて床に伏し、新しい父親は未だ生まれぬ「息子」にしか興味を示さず、孤独なオフェリアの生きる世界は閉ざされていた。
    そんなオフェリアのもとに、ある夜ナナフシの姿をした妖精が現れる。
    彼に導かれて迷い込んだ古代遺跡の迷宮の奥では、牧神パンが彼女を待っていた。
    パンはオフェリアに3つの試練を与える。
    それを乗り越えられたら、彼女はこの残酷な現実ではなく、嘘や苦痛のない魔法の王国で永遠に暮らすことができる――。

    しかし試練は失敗し、オフェリアは魔物に追われ、妖精たちは食いちぎられる。
    さらに難産の末に母親が死に、たったひとりオフェリアを気にかけていた使用人・メルセデスが密かに与する反政府ゲリラたちもビダル大尉たちに追い詰められ、全滅の危機に曝されていた。
    魔物に追われ、大人たちに見捨てられたオフェリアの世界は、一体どちらが夢でどちらが現実なのか。
    犠牲の血をともなって開かれる、迷宮の最奥にある扉の向こうの世界とは。

    スペインの暗黒時代、魔法など存在しない世界で生きる人々のダークファンタジー。
    劇場作品ノベライズ。

  • あの日あの夜。

    いないいないばぁ。

  • ろりこんえいが.笑

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