お茶と写真の時間 (エイ文庫)

制作 : エイ出版社編集部 
  • エイ出版社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784777901111

感想・レビュー・書評

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  • 自称:脱力写真家の藤田一咲(ふじたいっさく)さんの、写真とエッセイのいっぱい詰まった文庫本です。
    テーマは、カメラそのものにまつわるお話や、植物・動物・自然との付き合い方、旅についての思いなど多岐にわたっています。
    中でも好きだなぁ、と思ったのは
    「美味しいお茶のいれ方」と「うまい写真の撮り方」との共通点。
    どちらもそのルールにしばられず、工夫や試行錯誤を繰り返し、失敗から学びながら自分で見つけるもの。
    型どおりに考えず、自由に肩肘はらずに愉しんでいいものだ。──と書かれているところ。
    ”永遠のド素人”の私としては、ありがたーいお言葉です。

    藤田さんの文章からは、たえず物事の本質を偏見のない目で見ようと(考えようと)されているしなやかな精神を感じます。
    写真だけでなく、その素敵な文章は、まるで哲学者のような詩人のようなたたずまいなのです。

  • 色々なお茶を味や気分で楽しむようにカメラも写真も楽しもう。一眼レフカメラのよさは撮りたいものをよく見ることができること。自分で満足のいく写真が撮れないのは、撮りたいものを十分に見ていないから。自分の気持ちも見えていない。写真を撮る時はファインダーの向こうに自分を取り巻く世界と自分の眼差しを見る。だから写真を撮るものは誰でもどこにいても孤独を感じる。孤独とは自分と世界とが分離しているように感じる感覚。写真を撮るということは、孤独のうちに宇宙や世界を友に自分の心の探索の冒険に出ることだ。

  • 2019/05/30


    藤田一咲さんのカメラエッセイ
    昔のカメラの味とか、想いとか
    今でこそデジカメスマホだけど、「カメラを含めての旅、日常」そして「ティータイム」となると
    記録や思い出のもの、作品!とか そういうものではなくなるのが写真。
    「写真」という存在そのものの癒しのような効能があるのだろう。

  • うーん、いいんだけど、ちょっと文章が持って回ったようなところとか、やけにセンチメンタルになってしまうところがあって少ししっくり来ないところがある。最初に読んだときもそんなふうに感じたような。内田ユキオとはそのあたりが違うのかな。

    とはいえやっぱり写真を撮るのは楽しくて、参考になる写真もけっこうある。でもフィルムで撮ることにこだわっている人の文章を読むと、そりゃたしかにそうだけどコストの問題を考えるとやっぱりデジカメでどんどんシャッターを切ることができるというのは便利だし躊躇なくいろんなアングルを撮れるのでいいと思うんだけどなあ。僕はフィルムとデジタルの写りの細かいところは、人の肌を除いてはそれほど気にならないタイプだし。前から思っているけど、どんなメロディか、どんなアングルや構図で何が写っているか、は気になるけど、画質とか音質の細かい違いにはそんなにこだわらないというかよくわからないというか(笑)。そのあたりは脳内で自動補完しちゃうんだよな。

    ただフィルムカメラのあの金属の感触やファインダーを覗いた感じ、シャッターを切ったとき感触、感覚、フィルムを巻き上げるときの感覚やリズムは、やっぱり写真を「撮っている」という気にさせられるんだよな。

    デジタルで腕を磨いて、たまにはフィルムも使うって感じだろうか。ただ、ここぞ!というときにはやっぱり撮ってすぐ露出を確認できるデジタルは便利なんだよなあ…。

  • 読書録「お茶と写真の時間」4

    著者 藤田一咲
    出版 エイ文庫

    p166より引用
    “「何もないところ」と言われるところで
    だって人々は暮らしている。きびしい自然環
    境の中で、神々とともに宗教に支えられ、自
    然の恵みに感謝しながら。”

    目次から抜粋引用
    “カメラを手に入れよう!
     カメラを手に外へ飛び出そう!
     和・旅
     洋・旅
     「何もないところ」への旅”

     フリーカメラマンである著者による、いろ
    んな種類のカメラを使って撮った写真を用い
    たフォトエッセイ。
     手作りピンホールカメラから本格的一眼レ
    フカメラまで、世界中をいろんな角度から写
    されています。

     上記の引用は、あまり人が足を踏み入れな
    いようなところを写して周った章での一節。
    日々の生活を贈る人々がいるのに、何も無い
    と言った言い方も無いのではないかと思いま
    す。
     タイトルを見て、しっかりとお茶がテーマ
    になっていると思って買うと、少し肩透かし
    を食らうでしょう。著者の気持ちの中で、い
    ろいろな写真を撮ることと、いろいろなお茶
    を楽しむことが、深く関係しているのかもし
    れません。
     自然物・人工物・人物と、あらゆる写真が
    あり、飽きさせないないようなのではないで
    しょうか。反対に言えば、まとまりがないと
    言った印象です。

    ーーーーー

  • 写真を現像(!)に行き、その店に置いてあったのでぱらぱらとめくったら、良さそうだったので買いました。
    見開きに写真、次の二ページがエッセイ、という構成。
    前半は、まあまあ、写真やカメラのことが勉強になるな、という程度だったのですが、後半、「旅」と「物語」が話に加わってくるくらいから、どんどんおもしろくなった。

    小説を読む(書く)ように、写真を見る(撮る)。

    そういう視点は、今まで、全くなかった。
    美しいもの、今しかないものを残したい、という思いだけだった。
    だから観るときも、きれいだな、いい写真だな、好きだな、という感覚しかなかった。
    でも、もっと感情を入れて撮ったり、見たりしたら…。

    写真を撮ることが(観ることも)、もっと楽しくなりそうな、素敵な一冊です。

  • ちょっとテーマが曖昧
    私好みではなかった(^_^;

  • 肩肘張らないエッセイ、
    数多くの優しい写真たち、
    カメラと過ごす日々がどれだけ楽しいかを
    教えてくれます。

    最初はただのエッセイかと思っていたのですが
    実際フォトエッセイとして
    読んだ方がいいのかもしれません。

    フィルムのカメラもいいもんなんですよね。

  • ここに掲載されている写真は、どれもいいなと思える雰囲気のある写真ばかりでした。

    いい写真って、カメラの精度や能力ではなくて
    写す人の目線や気持ちやものの捉え方に尽きるのだなあ。

    としみじみ思いました。

  • デジタルは便利なのですが、この本を読んだら、一眼レフを触っていました。週末、久しぶりにフィルムで撮ってみようかな、そんなことを思わせてくれます。

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