裏閻魔2 (ゴールデン・エレファント賞シリーズ)

著者 :
制作 : エイ出版社編集部 
  • エイ出版社
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784777921416

感想・レビュー・書評

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  • 閻魔の心の揺れ方が心配だ。鬱になるんじゃないかと。
    同じ不老不死の夜叉は閻魔に比べるとよほど安定しているように見える。見えるだけかもしれないけど。
    閻魔はグダグダ言ってないで、とっとと夜叉に頭でも下げて奈津に会いに行けばいいのに。全ては生きているうちなんだから。

  • シリーズ2の一冊。時代は流れ、今作は昭和20年から29年までを描く。終戦後の混乱の中、20歳のままの閻魔は奈津を求めて彷徨う。そんな最中の偶然か必然かのような数々の出会い。この出会いがもたらす苦しみはもちろん、奈津への届かぬ想いもまた更なるもどかしさと苦しさだ。牟田信正の存在の大きさも改めて心に残ったな。渋くてカッコよくて好きだ。惠子の存在もまた大きい。そして子猫の温もりが今は閻魔の心の支えかもしれない。今回はたくさんの血と死を見た巻だったな。ちょっとしんみりしながらドキドキの最終巻へ。

  • 終戦後、閻魔は手に刺青を入れた自殺者が増えていると聞き、調べ始める。一方、偶然助けた浮浪児に居着かれ、弟子にしてくれとせがまれる。

  • 戦後の動乱の中不死者とそれをとりまく物語。前作よりも1冊の中で年月は経っていない。ただ、幕末から明治に入るだけでも大変な中、大きな戦争もあったこの時代は本当に生きるのが大変な時だったんだと感じた。

  • 「裏閻魔」シリーズ第2弾。
    終戦後、奈津を見つけられないまま東京へ戻ってきた宝生閻魔。その頃東京では奇妙な自殺が相次いでいた。そして自分の死期を悟った信正は、奈津の居所を夜叉に告げるのだった。

    哀しい。閻魔が背負う宿命が哀しい。奈津への思いが哀しい。信正の養女である恵子も、ある意味、死にたくても死ねない、信頼していた人々が老いて、そして死んでいく、閻魔と夜叉が抱えるさだめ哀しい。次作が楽しみ。

  • 作者本人曰く、「和風ファンタジーらしき娯楽小説」だそうです。確かに!!

    続編です。
    1作目の「裏閻魔」http://booklog.jp/item/1/477791870Xを読んでないと全く意味が分からないと思います。

     前作ほどのワクワク感は無いものの、しっかり楽しく読ませてもらいました。前作同様に分かりやすい。読みやすい。ライトノベルのカテゴリーになるんでしょうか?

     前作は、幕末から終戦までを描いてましたが、今回はその続き。戦後の10年間くらいが舞台です。戦後の暗い闇がうごめいて、なかなか楽しかった。

    すでに「裏閻魔3」が出てるって事を知り、慌てて図書館に予約。
     中村さん自身が、本編以外の「裏閻魔」が出る可能性を示唆してます。恐らく「夜叉」がメインで・・・

  • 2020.10.26

  • 【概略】
     幕末、新選組の一員だった宝生閻魔は、手に彫り物「鬼込め」を施され不老不死と化す。時の流れが周囲と異なってしまったことにより、沢山の人達を見送る立場となってしまった閻魔。仇敵でありやはり不老不死である夜叉と、時に反目し合い、時に意見を一つにしつつ、近代国家となった日本の隆盛と敗戦の生き証人となる。
     敗戦のあとの混沌の東京に、「鬼込め」を思わせる怪死が相次ぐ。またGHQも密かに「鬼込め→不老不死」という超常現象を調査することとなった。「写真」「映像」という記録を残すことが可能となる「現代」に近づく中、二人の不死者の進む道は。
     

    2020年09月20日 読了
    【書評】
     本当はもっと早く読みたかった!前作「裏閻魔」が面白くて面白くて。なんだろうなぁ~、ワクワク要素がいっぱいなんだよねぇ~「鬼込め」「不老不死」「彫り物」・・・・これぞジャパニーズダークファンタジーじゃないですか!♪
     前作を読み終えてから少し間を空けてしまったことで登場人物を思い出すのにちょいとだけ苦労した(笑)奈津は覚えてたけど、恵子って誰だったかな?みたいなね。そこへ来て新しいキャラクターなども加わるもんだから(笑)
     さぁ、今回、この新しいキャラクター・・・勿論、素敵な効果を出してたキャラクターもいれば、「うん?」な感じのキャラクターも。ドヤ蜘蛛ってキャラなんかはもうちょっと個性を出してもよかったかなぁ~。戦いの場面などの描写も、もっとあってもよかったかも、なんて思った。
     逆に今回はシリーズ物ならではの、キャラクターのキャラ(心情)変化も楽しめる。主人公の閻魔の変化(不老不死だから「変化」ってのも変だけどw)もさることながら、夜叉の変化がなんとも・・・ザ・ライバル!って感じがね。真っ先に連想したのが「魔界水滸伝」の北斗多一郎だった!安西雄介と最初はガチガチにぶつかってたのに、途中から・・・。夜叉さんも、そんな感じ。
     この「裏閻魔」は3部作。・・・ということで、早めに最終作を読もうと思う。

  • 『裏閻魔』続編。今作は終戦直後からの10年間。前作の最後で閻魔の元を去った奈津を探し続ける閻魔。

    長い間閻魔の心の拠り所であり、彼を支え続けた奈津が離れ、良き理解者であった信正まで亡くした閻魔の苦しみが痛々しい。

    不老不死は人類の見果てぬ夢。その夢を手にしながら、優しすぎて脆い閻魔。そして、閻魔の押しかけ弟子の善哉もクスリに溺れボロボロ、と今回の男性陣は弱くて情けない姿を晒す。

    それに比べ、女性たちの強いこと。奈津や惠子はもちろん、悪役ながら美鈴も自分の願いのために、強く逞しく生きている。
    すべてを失った時、いち早く立ち直って前を向けるのは女性なのかも知れない。

    次でシリーズ完結。奈津の行方と閻魔の想いはどうなるのか。夜叉との関係は。気になることも多く楽しみ。

  • 1の時よりもさらに時代の経過が早くなり、その中で孤独と戦う閻魔。不老不死は憧れるものではないことがよく伝わってくる。
    人のよいエンマがどこにいっても愛され、だけどと閻魔はいつでも孤独。

    著者が女性だからなのか?!切なさがリアルに伝わってきます

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著者プロフィール

秋田県生まれ。『裏閻魔』で第1回ゴールデン・エレファント賞を受賞し、デビュー。他の著作に『陰陽師と無慈悲なあやかし』『なぞとき紙芝居』「夜見師」シリーズなど。秋田県在住。

「2022年 『異邦の使者 南天の神々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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