街場のマンガ論 (小学館クリエイティブ単行本)

著者 :
制作 : 川口あい 
  • 小学館クリエイティブ(小学館)
3.53
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本棚登録 : 500
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778037178

作品紹介・あらすじ

『エースをねらえ!』から"男はいかに生きるべきか"を学び、『バガボンド』で教育の本質を知る。手塚治虫の圧倒的な倫理的指南力に影響を受けた幼少時代、今なお、読み続ける愛すべき少女マンガ…戦後マンガからボーイズラブまで、雑食系マンガ・リーダーの著者が、世界に誇る日本カルチャーについて熱く語る。『日本辺境論』で語りつくせなかった「日本人論」。

感想・レビュー・書評

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  • 最近の話題作は読んでみるのだが、旧作は知らないものが多い。そのため、参考になった。
    サブカルチャー
    日本独自

    記載が論文調になっていないか?

  •  その名の通り、漫画に関するあれこれ。
     いくつかの章あり、まずは「バカボンド」を取り上げ、「井上雅彦は天才だ!」と大絶賛。
     つづいて、「日本辺境論」の延長で、マンガを論じます。
     日本は漢字・日本語・カタカナの混淆言語であり、それは巨大な帝国(つまり、中華帝国)の辺境に生まれやすい。
     それが豊かな自然音と言語のあいだの「擬態音」を生み、それがマンガを醸す土壌になったのではないか、という論です。
     それ、同じことを*斉藤環先生も言ってたよね?

     つづいて、オタク・BL論を論じ、BLは非常に性を自らの付加価値とする近代のエロスの在りようとは真反対で非効率的(つまり、どんなにエロかろうとさっぱり何も生み出さない)から価値があり、さらにそれは「男は男らしくマッチョであるべし」とするアメリカ主義の批判なんだそうな。

  • ブログをまとめたもののため、散漫でつまらない。
    しかし冬ソナ好きは少女漫画読める、はわかる。
    夫は少女漫画読めるし、冬ソナに感動した男。
    私は冬ソナに鳥肌をたて、少女漫画恋愛ものは
    反吐がでる女。
    もっと本としてきっちり考察したのが読みたい。

  • 内田先生の授業面白そう。出てみたい。
    こういう先生に習いたかったな。
    そして井上雄彦先生のすごさにほれぼれ。

  • 本書は著者である内田のブログからマンガに関する記事を抜粋・加筆したものを1冊の本にまとめたものである。世相や自身の研究分野の話と絡めながら、漫画に対する著者の並々ならぬ思いが綴られている。内容は日記に近く、この本から何かを得ようと思って読むものではないと感じた。時間があるときに、暇つぶし程度に読むことをお勧めする。

  • 積ん読だったこの本、読んでみました。最近、マンガは読まなくなりましたが、漫画の主題などをめぐる内田先生のお考えは大変興味深かったです。

  • ブログの記事をまとめたもの(と対談)
    深く突き詰めて書いたものではないので、ものたりなく感じる部分もある。
    それでも、色々な素材を結びつけて新たな発見に導く、それを読ませてしまう技術はすごいなと思う。

    ただ、この人フェミニズムを嫌い過ぎ。
    女子大で教えていようと、娘を育てていようと、少女漫画を愛読していようと、フェミニズムを嫌っている時点で女性を理解するのは無理なんじゃ…
    (フェミニズム嫌いの女性もいるけど)
    そのせいかどうかは分からないけど、BLについての考察は的外れだと思った。

  • 140717

  • 『呪いの時代』が読みあたり良かったので、手にとってみた内田樹のエッセイ。
    ブログの記事そのまま転載のためか、全体的にユルい内容で期待はずれ。

    少女漫画の分析はまま面白いが、作品分析というより、自分の知識を貼り付けてるだけのような感も。この人がフェミニスト嫌いなのはよくわかった。あと、少女漫画好きはロリコンなんだろうなってことも。

    自分はオタクじゃないと否定してるけど、少女漫画にやたら詳しいオッサンの時点でオタクだと思うけどな。学者だからという、ちょっと上から目線も鼻につく。

    最後の養老孟司との対談集は読み飛ばした。
    すでに大家になっていて、漫画と言えばああこの人って思い浮かぶビッグネームを語るのは誰でもできること。学者の限界なんだろうな。

  • どこかで読んだことある内容なんだけど(たぶんブログ)、再編集されるとまた新鮮に感じるのが不思議。とくに巻末の養老孟司さんと対談「戦後漫画家論―戦後漫画は手塚治虫から始まった」がおもしろかった。手塚治虫が「科学信仰と戦後民主主義」をはじめてマンガに盛り込んだという指摘、「表音文字と表意文字を並行使用」している日本だからこそ「動きながら話す」マンガが発展したという指摘、手塚マンガのベースは「枚挙」だからこそ多作だという指摘。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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