蝮の舌 (小学館クリエイティブ単行本)

著者 :
  • 小学館クリエイティブ
3.11
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本棚登録 : 57
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778037482

作品紹介・あらすじ

この森にはね、蝮が出るのよ。誰も入っちゃいけないのよ-伝統ある生田流箏の家に生まれ育った姉妹、京香と清香。二人の男の卑劣な罠によって、生来の激情が剥き出しになっていく姉。姉への複雑な嫉妬心から、自ら暗い罠に堕ちていく妹。そして、四年に一度の盛大な祭事"蝮をどり"の夜、聖なる森への入口が開く-愛と性を描き絆を描く渾身作。第二回団鬼六賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 官能小説でありながら、快楽に落ちて行き気がついた時にはどうしようも無い状況になってしまい、修正がきかない、後戻りも出来ない。
    人生の選択において誰もがその一線を越えるか越えまいか、ボーダーラインの上で足掻く人の心の奥深いところを比喩したような濃厚で虚しい…読み応えのある本でした。

  • 抗えないのか、抗わないのか。
    うかみさんの描く女性はどれも後者な気がします。
    言葉や心情でも初めのうちは拒み逃れようとするものの、快楽に呑まれていく自分を発見してしまい、いつの間にか溺れている。
    その心理は自分自身も女として自覚しているので納得できますが、そのシチュエーションにもっていく過程がどこか稚拙に思えてしまいます。
    女とは本能的に男に組み敷かれるもの、犯されるものとして、自分から罠にかかっていっているような。
    官能小説だからと、エンターテイメントとしてみるのなら良いかもしれませんが、この作品のようにダークな部分を映している作品には少し物足りなく思いました。
    女はいやらしく哀しい生き物だ、という部分の炙り出しより、作中に出てくる猥雑な男性たちにちょっと興醒めしてしまう。
    最後も???な感じだった。

  • 文章と表現が綺麗だけど、普通に官能小説だった。装丁も綺麗だから図書館で普通に並んでるのかな。本を開いて目を通さないと分からないってなんだか良い。

    ドミソラと同じく、重くて暗い。

  • 「ドミソラ」が面白かったので、評判だったこの本も読んでみたかった。
    「ドミソラ」とは違って官能小説そのものだ。
    だから「団鬼六賞」はわかるとしても「日本図書館協会選定図書」にも選出されていたということには驚いた。
    昔、この種の小説は本屋の隅にひっそりと置いてあり、恥ずかしくて買うこともできなかったものだが、時代が変わったと言うことか。
    それはさておき「官能小説は目で感じるもの」と著者が言っている通り、本書での性描写も文字から伝わってくる。
    一級官能小説だ。

  • 琴の田宮流創始者の娘、京香と清香をめぐる話

  • 達人か女性にしか書けない作品

  • この森にはね、蝮が出るのよ。誰も入っちゃいけないのよ――。
    伝統ある生田流箏の家に生まれ育った姉妹、田宮京香と清香。姉の婚約者に一途な想いを寄せる妹の心は、二人の結婚を目前に苦しみに満ちていた。
    いっぽう、四年に一度の盛大な祭事〈蝮をどり〉の準備が進むなか、箏の世界で権力を握ろうとする二人の男が、姉妹を陥れようと陰謀を企てていた。
    邪悪な謀事によって、封印していた過去が蘇り、本来の激情が剥き出しになっていく姉。姉への嫉妬心から、自ら暗い罠に堕ちていく妹。
    そして、この姉妹を幼い頃から見守りつづけてきた使用人の政巳は、〈蝮をどり〉当日の夜、蝮の棲む聖なる森への入口を開く――。
    気鋭の作家が、自身の性愛の原風景を気迫の筆致で描いた意欲作。第二回「団鬼六賞」大賞受賞作品。

  • なかなか心拍数の上がる内容でした。
    匂いまでたち込めてきそうなほどに。

    筆者も奏者であるとなると
    なんとなく物語に現実味がわきますね。
    や、現実だったら怖いですけどね!

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著者プロフィール

大阪生まれ。奈良に育つ。2011年『指づかい』(幻冬舎アウトロー文庫)でデビュー。2012年『蝮(まむし)の舌』(小学館クリエイティブ)で第2回団鬼六賞大賞受賞。近刊に『甘く薫る桜色のふくらみ』(幻冬舎アウトロー文庫)、『ドミソラ』(幻冬舎)、『贖罪(しょくざい)の聖女』(イースト・プレス)などがある。『姉の愉悦』(幻冬舎アウトロー文庫)は2016年『溺愛』と改題、映画化された。

「2016年 『永遠に、私を閉じこめて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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