終わることのない悲しみを (ショコラ文庫)

著者 :
  • 心交社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778111137

感想・レビュー・書評

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  • 傷ついた過去が原因ですれ違う立花と秋ヶ瀬。中学生のときの出来事がなければ、こんなことにはならなかったのかな。と思ってしまう。大人でも向き合いたくない。と思ってしまうようなことだし。そんな過去を話せる相手を得るのは、立花にとって大切なことだろう。秋ヶ瀬にとっても、立花はたった1人の大切な人だから、これまでのことを忘れるくらい2人には幸せになって貰いたい。

  • memo: 番外編ペーパー「春の訪れ」「冬を待つ」

  • えぇっと……。
    なんというか、不幸のバラエティボックスのようなお話です。


    基本的に、受の不幸は蜜の味ですが、攻も不幸です。
    受の娘も受の元妻も、受の中学時代の親友もみんなみんな
    もうとにかくこれでもかって勢いで不幸とトラウマが
    小さな文庫の中にぎゅうぎゅう詰めではち切れそう。

    次はなんだ、もう何が来たって驚かないぞ!
    という勢いで不幸なんですが、その不幸っぷりはもう
    BL業界では使い古されネタ満載で、若干食傷気味。
    そしてBL界における女性の役割の中で、もっとも扱いが
    酷いパターンの連続……。




    一番の犠牲者は、元妻の娘でしょうか……。
    実は自分の父親は昔母が別の男との間に出来た不義の子で、
    しかもその相手は、自分が長年父だと思ってた人の恋人
    でした、ちゃんちゃん♪
    で済めばいいけど……。
    そういう何となく軽い調子で、昼ドラ顔負けの大人3人が
    ご都合主義で勝手に将来娘に本当のことを打ち明けるだ
    なんだと丸く収めてハッピーエンド。




    なにこれ……?
    Juneと分類するにはJuneに失礼なくらい、生理的に
    受け付けないお話でした。
    そして気になり出すとなかなか先に進めなかった文章。
    文末が全て「~た」「~だった」と短いセンテンスで
    綴られるのが、もう……なんだか。



    次回に期待したいと思います。
    ずっしり重いシリアス好きですが、これは無理でした。

  • 攻、受、それぞれ深く傷ついた過去を持っている。
    攻の子どもを我が子として育てるが、子どもの母親とは夫婦としての関係は上手く築けず離婚。
    子どもの難病治療に巨額の費用が必要となり・・・。

    シリアスで題材も悪くないのに、なぜかしっくりこない。
    元妻や、真矢の心情の変化が強引で、無理矢理ハッピーエンド感。
    受の過去に対する罪悪感の持って行き方ももうちょっとなんかあっても。

  • 同じ作者の「茜色デイズ」が好印象だったので、読んでみたのですが...こっちはダメでした。なんでだろ?

    しかし、両親は離婚、自分は母と暮らし、父親は男と同棲。しかも父親の相手は自分の本当の父親だった...なーんてことを知らされたら、娘さんどうなるんだろーねー。盛大にぐれても、両親+育ての父親は何も言えないよね。

  • とても硬質で緻密な文章が特徴的です。正統派?な筆力が読んでいて心地よく、素直に感動できました。
    文体が、海外文学の翻訳ものみたいで、ちょっとカタいのが特徴的。内容はもちろん、ちゃんと現代の日本設定のBL。

    ストーリーはあらすじにもあるように、かなりベタな話です。重病を患う娘の治療費として莫大な金を提供してくれた遼平は、透がある出来事を許せなくて絶交した高校の同級生。
    しかし、大事な娘のために、なりふりかまわず金を受け取ってしまった透は、その見返りとして遼平に身体を要求されます。

    ベタなんだけど、中身が濃くて読み応えアリ。人物の心理描写が繊細で、映画のワンシーンを思わせる雰囲気に思わず引き込まれます。契約めいた関係そのものよりも、何故遼平がそこまでヤンデレて透に執着するのか、何故透がそこまで意固地に自分の本心を醜悪なものでもあるかのように封印するのか、主人公の気持ちに肉薄していくのが読みどころでした。

    透も遼平も、重すぎる過去を背負っています。若かった二人が壊してしまった友情も、その背景を知るととてもせつなくなります。簡単には修復できない、複雑にもつれる関係は読み進むうちに胸が締め付けられます。
    心がすれ違ったまま、身体だけを繋ぐ関係ををグレーという色に例える透ですが、そうは言っても一緒にいてやさしく扱われれば情も湧くし、官能も目覚めます。

    硬質な文章のせいか、禁忌を犯している罪の意識が際立っていて、濡れ場はとても煽られました。ベッドシーンじゃなくても、二人の間にはそこはかとなく淫靡な空気が漂ってます。いけないいけない、と思いつつ感じてしまって、羞恥して、自分を責めていた透が、次第に殻を脱ぎ捨てて素の自分をさらすようになる過程がとても清々しいかんじ。鬱屈していた気持ちが一気に解放される瞬間は感動します。きっかけはちょっとジコチューな独占欲とか嫉妬なんだろうな…そういう気持ちが、恋愛なんだと思いますが。

    つっこみどころもいろいろあったし、冗長な部分もあったけど、濡れ場がステキだったので不問です。

    「聖夜」は、暗いムードから一転して、とっても甘々なSSでした。あのままキッチンでHでも始まるかと期待しすぎましたが、そんな節操のない話を書く作家さんではなかった。

    番外編ペーパーが同梱されてたけど、これは透がちょっと濃厚な夜を回想する話。けっこう、ラブラブでハードに絡んでいるのね…と想像。邪魔者の真矢の登場で、嫉妬というスパイス付。このSS、とてもよかった。

  • 2人とも不幸テンコ盛りだった。それだけに波風の起きる前の学生時代を懐かしむ気持ちがよくわかった。攻の執着ぶりは結構好きかも。あと一歩を踏み出せない受に対してよく耐えたと思う。残念なのはイラストで、表紙カバーはまぁいいとして、明るい顔の可愛いめの顔が話の雰囲気とそぐわない。

  • 10年前に訣別した親友と再会してあれやこれや。
    ん?って思う所があったり、凄く重い話だたけど、個人的には凄く好きなジャンルのお話。


    どうも脇役を好きになってしまう性でもあるのか、真矢さんが気になってしょうがない。

  • 2011/4/12読了。

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