- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778115265
感想・レビュー・書評
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何度か読み返していた作品。なので、文庫化で「プラネタリウム」と、もうひとつ書き下ろしがついているということで迷わず購入。
書き下ろしまで読み終えて、やっぱりいいと太鼓判です。
遠藤の執拗さがハンパなく恐怖。逃げても逃げても追いかけてくる、ストーカーそのもの。でも、どこか憎みきれないし、気持ち悪いのに最後にはなぜかほだされてしまいます。
読者にとっても、笠井にとっても唯一の救いは、遠藤が「ただし、イケメンに限る」だからなんですよね~
外見と身体の相性は大切。
そして、共有できるきらきらとした思い出ですね。
…それでも、血を吐くほどに気持ち悪いのは間違いないです。
「プラネタリウム」は、笠井が抱える男同士の恋愛への深いトラウマが描かれています。笠井の心の傷は、遠藤のせいでさらに深手に。
遠藤って卑屈でネガティブなくせに、やることは大胆ですからね。それに嫌われるとわかっているだろうにまだ懲りていない。
そんな彼を受け入れて、気がついたら主導権もしっかり握っている笠井って、意外に女王様でした。
書き下ろし「週末は甘い病気」は、笠井が後輩の失恋を慰めるためのコンパを断ったら、恋人の束縛を皆にありえないとつっこまれてしまう…という話。
すっごく面白くて笑いました。遠藤のぱんつくんかくんかが変態で最高。
笠井はもう慣れた?
痴漢プレイがさらに変態風味を増していて、遠藤らしかったです。
地獄は続いてるけど、あまあま地獄でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
執着攻めBLは多々あれど、ここまでまんまストーカーで脅迫まがいに強引で、それでも攻めに感情移入出来てその執着かつ変態ぶりが逆に愛おしいと思えてしまうストーリーは初めて。
大概のBLが鬼畜に攻められるうちに身体が絆されてという展開が多い中、これは身体よりも精神的に絆されていく様子がよく分かる。所々学生時代のシーンを入れながら、笠井が心の奥底では昔から遠藤を憎からず思っていること。決して流されたのではなく、葛藤しながらも笠井はいつも自分で解決策を模索して選択して結果を受け入れていること。気が強くて口が悪く素直じゃなくて、支配されているようで実は笠井の方がかなり優位な立場にいること。だからこそ痛い展開ながらも安心して両者に感情移入しながら読めたのだと思います。
笠井にとことん惚れて愛情を余すことなく全て捧げる遠藤。その執着たるや変態過ぎて気持ち悪いwけれども何処か不憫で絆されてしまうのも事実。一歩間違ったらただの鬼畜になるキャラだけに佐田さんの彼の描き方が本当にお上手で憎めない。
書き下ろしではその気持ち悪さを十分に発揮してグレードアップさせていて笑ってしまいましたww こんな風にこれからも遠藤は笠井の事を心配しながら嫉妬しながらもだもだしてればいいと思います。遠藤が思うより笠井はずっと遠藤を好きだと思うけれど。このまま笠井に主導権がある関係で、実は精神的に笠井に支配されて執着している遠藤、という構図が大変美味しいです!