- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778118525
作品紹介・あらすじ
動物と会話できる大学生の佐倉悠は、謎のオウムに導かれ、鳥が人を支配するファッサードに来てしまう。そこには翼を持った美貌の神官エルドラドがいた。この国は滅びかけ、神を呼ぶため神官の番い-鳥の言葉がわかる「女」を必要としているのだという。オウムに懇願された悠はエルドラドの花嫁として神を欺くことを承知した。期限付きの婚姻だったが、エルドラドの凛々しい表の顔の裏にある純情で不器用な素顔に悠は惹かれはじめ-。
感想・レビュー・書評
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作家買い。初めて異世界トリップものに挑戦した作品だそうですが、月東センセらしいセンスが存分に生かされているお話に感じました。
タイトルどおり、花嫁ものです。鳥が支配する国の金髪美形神官×動物と話ができる大学生。
トリップした先が、人より鳥の方が偉いというびっくりヒエラルキーがあって、神様もなかなかユニークでした。
大学生の悠は、ゲイでも何でもないのに窮地に立たされている神官のエルドラドを思い遣って自ら花嫁になることを決断してしまうという、ちょっと自己犠牲的な性分。
センセの作品によく見られる受タイプです。自分よりもまず相手を大事にして献身的でいさぎよい男子です。でも押し付けがましくないのがすごくいいんですよね。
どんどんエルドラドにほだされていってるのがわかって、健気で微笑ましいです。
エルドラドは、美形でやさしくて強くてカッコいいという、ファンタジーらしくありえないレベルの攻です。でも、めちゃくちゃ照れ屋というギャップがあったりしてキュンとさせられるところが面白く、人間味を感じさせられました。
伏線もしっかり回収していて、構成的には上手いなと思いましたが、異世界トリップものとしてはちょっとものたりなかったかも。
盛り上がるイベントが少なかったような…途中敵に囚われたりありましたが、ハラハラドキドキ成分が少なめでした。
他の作家さんのもっと派手で鬼畜なトリップものに慣れちゃったせいか、ふつうじゃダメになってる脳細胞です…
でも二人が最初仮の花婿花嫁だったのに、困難を乗り越えるうちに最後はしっかりホンモノの愛で結ばれたのはすごくステキでした。エルドラドが予想以上に悠を深く愛していたのが劇的なラストでしたね~
悠もエルドラドとなら幸せになれると確信できました!
目にキスする習慣が刺激的で、印象に残ってます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ごく普通の異世界トリップものでした。面白い世界観なので、これでお仕舞いだともったいないです。