サンドリヨンの指輪 (ショコラ文庫)

著者 :
  • 心交社
4.00
  • (6)
  • (10)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 68
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778122324

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 気になってたけど、何となく手に取る勇気が出なかった本。読んでみたらもう。泣きながら読んだ。受の千尋の、荒んだ人柄が育った環境によるもので、そんな中体調不良を気にかけてくれた准教授に惹かれていく。
    ある日千尋は不思議な老女に「望んだ相手から望んだように愛される」指輪を貰う。でもその副作用や、指輪を外した時の代償もある。
    好きな相手、赤枝先生の愛を獲得できた、ってのはわかったけど、それ以上に父親の愛を欲してたんだってのがすごく切なかった。でも実際にストレートに愛を示されると今までのことがあって素直に喜べない。赤枝先生のことも苦しめたくないと指輪によって自分が苦しんでいく。
    結局耐えきれずに赤枝先生に指輪のことを打ち明けて、指輪を外し、案の定許せないと言われてしまうけど……老女の「あの指輪は捨ててからが本番だ」が、すごくいいなあって思った。
    指輪がすべて司っているわけはない。必ず、作用した人間の深層の思いもあるはず。赤枝先生の、「許せない。でも愛してる」って言うのが……ご都合主義じゃなくていいなぁって。まだこれから変化していく思いがあるのかなって思わされる。お父さんとの関係も。
    あと、そんな指輪に関係なくいいやつな深田くん(With彼女)が救いだったなぁ!でも変わらないってことは千尋は全く深田くんに興味がなかったってことだね(友人として)

  • 涙腺崩壊とまではいかないけど、受けが健気で可哀想で自然と頬を濡らしてしまいました。
    大学准教授×生徒。受けはロクデナシな父親と二人暮らし。悪魔と名乗る老婆から「愛されたい人から愛される』という曰く付きの指輪をもらう。しかし外すと逆に『憎まれる』というオチも。愛すのも憎むのも本人の意思に関わらず、というところが読む側には分かっているので攻めの反発にも安心して?切なくなれた。不幸もののハッピーエンドは最高です。
    (誤植というかストーカーと対峙する場面で深田くんとの名前の採り間違えがあったのかな?脱字も多々あり…)

  • 可もなく不可もなく。というのが正直な感想です。

    «愛を獲得する指輪»によって恋人、父親、友人を手に入れるのですが、愛の大きさに戸惑い次第に指輪の力で得た“ニセモノ”に互いに苦しみこのままではいけないと指輪を外しタネ明かしをする。

    タネ明かし後の流れが個人的にモヤッとしてしまって最後までわく気持ちをキープ出来ませんでした。

    真実に向き合う物語なのかなと思いました。
    指輪はそのキッカケに過ぎない。

    劇的な何かがなければ結ばれる事は難しい二人だったと思います。そう考えると«サンドリヨンの指輪»というタイトルはしっくり来ますね。愛を知り、これから今までの分も幸せになって欲しいです。

    イラストの先生がどうしても40代に見えてしまい、そのせいでタネ明かし後の対応が少し大人げないように感じたのかもしれません。28歳だと考えると納得する部分も…。

全7件中 1 - 7件を表示

綾ちはるの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×