- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778204150
感想・レビュー・書評
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ベトナムの友人ができたので読んでみた。
神話とか古典によくあるような、出来事と登場人物すべてについて日記のようにつらつらと書いたような形式。
前に読んだ台湾の『あの頃、君を追いかけた』もこんな感じだった。
国によって文学的な傾向があったりするものだが、文学が盛んな地域ではエピソードの取捨選択とか起承転結といった構成がしっかりしているように思う。
ベトナムは文学が盛んな地域というわけではないので、小説としてはまだ発展途上、これからだ。
ベトナムはこれまで「市民はこうあるべき」というプロパガンダ的な作品が国の支援によって書かれてきた。
しかし、近代化の中でやっと自由な作品が書かれるようになってきている。
著者はベトナムの農村に住む人々のリアルな様子を描いたことから人気が出たそう。
厳格な父親と家の仕事を手伝う子供たちなど、日本もかつて辿った生活ぶりは、ベトナムを知る上で参考になると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3年前ベトナム行の飛行機の中でこの映画をやっていた。映画は見なかったが原作を読みたくてやっと手に入れたのにこちらは少々がっかりだった。著者は他の追随を許さないほどのベストセラー作家だそうであらゆる年代に広く読まれているらしい。この作品もYA世代あたりがターゲットなのだろうが、全く共感できる部分もないし懐かしさも感じなかった。何よりいやなのが暴力の垣根があまりに低いことで、親が子に、先生が生徒に、兄が弟にかなりの暴力を振るところが文化の違いやや時代背景を差し引いてもうけいれがたい。
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ベトナムの作家さんの小説を読んだのは初めてかもしれない。ベトナムの方というと、細くて小さくて可憐で清純、素朴なイメージがあったのだが、そのイメージを裏切らないような内容だった。小さな田舎の村に住んでいる男の子とその家族、周囲の人達に起こる、日常のちょっとした事件を描いた物語なのだけれど、登場人物たちがみんな愛らしかった。
当地ではベストセラーになり、ドラマ化もされたそう。ベトナムの農村風景を想像しながら読んだけれど、ドラマはアマプラで見られそうなので、映像で答え合わせ(?)してみたい。 -
★3.5
数年前に映画を観た時、ベトナムの農村と日本の田園風景が重なり合い、郷愁のような懐かしさを感じた。その懐かしさを、本書ではあまり感じられなかったのが残念。が、主人公ティユウの複雑な気持ちは、本書の方がさらにぐっときた。思春期を迎えたこともあって、苛立ちや嫉妬等、様々な感情が少年の内を駆け巡る。そして、苦い過去を思い出させる子どもならではの狡さが、微笑ましくも痛々しい。さらに、弟トゥオンがあまりに出来た子で、余計にティユウが不憫に思えてしまう…。児童文学ながら、棒や鞭による体罰もあり、意外にシビア。 -
グエン・ニヤット・アイン ベトナムの人気作家さん。
1980年代のベトナムは戦争が終わり経済はまだまだこれからな頃かな。
少年たちの力強い遊び、少女への淡い恋心、暮らしぶり、おとぎ話やホラー
などがあり、面白かった。
映画化され、アマゾンプライムビデオにあったから見てみよう