生きさせろ! 難民化する若者たち

著者 :
  • 太田出版
3.64
  • (27)
  • (46)
  • (68)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 279
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778310479

作品紹介・あらすじ

自己責任の名のもとに私たちを使い捨てる社会に、企業に、反撃を開始する!この国の生きづらさの根源を「働くこと」から解き明かす宣戦布告の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 今から9年前に発行され、後に文庫化(ちくま文庫)されたが、今の雇用情勢は当時より悪化している。本書では「労基署は何もやってくれない」と訴えているが、今や労基署の窓口で失業者に対応する職員も、そのほとんどが「非正規社員」である。安倍政権は発足以来、国会で「自民党政権になって以来、雇用情勢は回復している」と強調するが、雇用が増えているのは「非正規社員」であり「正社員」は減少傾向が止まらない。工場の多くが非正規社員になったことで、日本企業の技術力は完全に失われた。
    とある投資家が「日刊ゲンダイ」に執筆しているコラムで
    「スーパーの『ダイエー』が凋落したのは、人件費を削ったからだ。パート社員が売り場の主力を占めていたのに、彼ら彼女らの勤務時間を削ったために、彼らは一斉に退職した。結果として売り場が荒れ、それが業績低迷につながった」
    と書いていたが、その通りだと思う。正当な仕事に見合う真っ当な評価を下す経営者が増加しない限り、日本経済の復活はありえないと思うのは、私だけではあるまい。

  • 他人事じゃない。自分もそうなるかもしれない。とても身近な問題。

  • 本書で度々指摘されているように、フリーターやワーキング・プア等の若年労働力を巡る問題を複雑にしているのは、彼らのプライドに関わるデリケートな部分である。本書のタイトルのように「生きさせろ!」とストレートに叫ぶことを彼らの多くは忌避するし、むしろそう叫ぶものを侮蔑することで自らの優位性を確認する。「社会のせいにしたくない」という台詞は、この世代が大人になる過程で刷り込まれた「中流的」プライドが吐かせるギリギリのつぶやきなのだろう。
    そのような彼ら心のタガをさらに固めるものとして、自己責任論や「犠牲の累進性」(典型例として曽野綾子「貧困の光景」を挙げよう)を強調する言説が存在する。「第三世界の貧困」を「餓死するものがいない」日本の現実と対比させることで、彼ら・彼女らはアフリカの不幸を嘆いているのではない。日本の貧困を糊塗し、追い込まれている人たちをさらに追い詰めているのだ。フリーターになったのは自己責任。三食欠かすわけでもなく何を甘えているのか、と。
    しかし、一人一人がフリーターにならない努力をしていれば、世の中にフリーターという存在はいなかったのか?そうではない。初めからそのような労働力の存在が期待されていた中で、たまたま彼らがその役割であっただけなのだ。つまり、彼らでなくてもまた別の「誰か」が彼の代わりにフリーターをしていただけの話である。そんな当たり前の事実を本書を通して多くの人に共有してほしい。

  • 【No.165】「彼女はたぶん自分の外部にあるものに、期待など一切していない。”いつかなんとかなる”とも”誰かがなんとかしてくれる”ともこれっぽっちも思っていない。とにかく何もかもを自分の努力で切り開いていく、というたくましさに満ちている」

  • 2013/06/18
    自宅

  • 人は機械じゃない。
    人はひと。

    感情があって個性があって生きてる。

    だから生きさせろ!

  • プレカリアート(不安定さを強いられた人々)問題に体当たりする、著者の代表的な一冊
    ここにはワイドショーでは放送させない、日本の真実があります。そしてこれからの日本に対する問題提議がある。
    20から30代の皆さん。現状に疑問があったら読んでください。
    ちょっと疲れた方、未来がないと思う人。読んでみて
    そして周りに自殺願望者が居たら、死ぬ前にデモや集会にでも誘ってみよう。
    決死の覚悟があれば、世の中変えられます。・・・・・変えられなくても仲間が見つかる・・・・・かも
    個人的には、大学でて就職できずに仕方なく就活とバイトにがんばる、弟に読ませたい。

  • 2007年出版。
    当時は予約がいっぱいで断念した本。当時と状況は変わっているのか、など、時事ネタは、時間が経つとダメな部分あり。
    原則として、みんな安定した暮らしをできないと社会が不安定になって、治安の悪化などで、私たちも巻き込まれる。他人事にはできない内容。

  • 2012/04/30読了

    フリーターの「フリー」は「自由」なのか?違う。企業にとっての使い勝手がいいという意味での「フリー」なのか。
    低賃金低コスト 果ては人権までもが投げやりなフリー
    普通に生きることさえ儘ならず、奴隷のように働かされて、どうしようもなく「自殺」という退路…いや進路しか残されない労働者
    社会に出たならば、生きることすら制限されなければならないのか
    政府や企業 経営者の方針が安価を求めて経済を円滑にしても
    弱者へのフィードバックはあるのだろうか、と、疑問に思う。
    日本は豊かだというけれども、果たして日本人は、労働者は豊かなのか?
    人権を無視され、工場の機械の一部となり、過労死を持って訴えた若い労働者にも、かつては希望と自由があったはずなのだ。
    全ての労働に関わる人間は読んでおくべき一冊。

  • 怖い。本当に現実にこんなことが起こっているのだろうか。

全44件中 1 - 10件を表示

生きさせろ! 難民化する若者たちのその他の作品

雨宮処凛の作品

生きさせろ! 難民化する若者たちを本棚に登録しているひと

ツイートする