- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778311872
感想・レビュー・書評
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「会ってみたい芸能人」と聞かれて生死を問わないのであれば迷うことなく忌野清志郎と答える。
個人的に些細だけれども誇りに思える繋がりがあるのが理由の1つだ。
他の理由は多くの人と変わらず、曲が好きだから、やってるとが面白いから、カッコいいから、自転車に乗ってたから、などなどだ。
RCサクセションのメンバーとしてデビューしてから忌野清志郎のソロになるまでの過程を知ることができるし、彼が見てきた音楽業界の姿や現状への考えも読むことができる。
仲井戸麗市や三宅伸治、泉谷しげるといった仲間たちだけでなく、竹中直人や武田真治、旧友の三浦友和といった名前も出てきて、それだけで楽しい。
「独立バンドマン」と忌野清志郎本人が自分を一度だけ読んでいたが、まさにその通りだと思った。
うしみつ時に製作が進むという話は本当かもしれない。
ロックで独立したい人はもちろん、ロックな生き方をしたい人や独立を考えている人は必読。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロックで成功する方法ではなく独立する方法。
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自分の腕だけで食べていこうという者が、簡単に謝ってはいけない。示唆に富む、忌野清志郎らしさのあふれる本。
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ビジネス書 小規模事業所部門 第1位
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《そう簡単に反省しちゃいけないと思う、自分の両腕だけで食べていこうって人が。》(p.30)
《でもさ、オレはね、一生にいちど、一〇〇万枚っていうのを売ってみたいんだ。音楽をなんにも変えないで、この感じで。まるで共産党が政権とるみたいなもんだろうけど。「売れたい」というより「面白がりたい」ってい欲求のほうが圧倒的に強いんだけど》(p.36)
《ロック・ミュージシャンをやめて「それよりロック的な生き方をする」ってのは、かなり難しいと思う。》(p.57)
《もしもバンドじゃなくてソロでやっていたら、そういう決断にはならなかったかもしれない。「バカバカしくてやってらんねえ」になっていたかもしれない。ところが、バンドだったから「バカバカしいけどやってみよう」になってしまった。》(p.78)
《つまり「独立」すると、そういう個人の資質やキャラクターがモロに前面に出てきて、決定的な要素になってくる。大きなシステムの流れの中なら、だれがやっても同じような問題が、全部スタッフ個人の資質や裁量の問題になってくるんだ。》(p.144)
《考えてみれば、子供時代から一緒に遊んでる仲良しグループが、ずっと仕事までいっしょにやってきて、みんな四〇歳近くになってたんだ。それぞれの関係がまったく変わらずに、同じひとつのことを同じ調子でやり続けられるほうが、よっぽど不気味じゃないか。人間としてまるで成長してないってことだろ。さもなきゃ奇跡だよ。》(p.170)
《「何がウケるか」っていうマーケティングの発想で曲をつくってたら、とてもじゃないけど何もつくれやしないよ。》(p.195) -
忌野清志郎没後10年が経ちます。ロックで独立する方法と銘打っていますが、ハウツーではありません。これを読んでも特に得する所はありませんが、ロック黎明期から第一線で活躍し続けていた彼の姿に触れられる本です。
僕自身はリアルタイムではないので(音楽に目覚めるのが遅かった)、TVコマーシャルや番組のテーマ曲のイメージが大きくて、ロックというよりポップ寄りのイメージでした。TVで出てきてもとっても気の良さそうなチャーミングな方だったので、タイマーズの過激な演奏を聴くまではただの文化人扱いしていました。申し訳ないです。
もう20年前のインタビューなので、彼が苦言を呈している音楽業界も冷え込みが進みこの本以上に音楽で生きていく事が難しい時代になりました。
彼が信用していないというTVやその他メディア、プロダクションやレコード会社の力が弱まり、SNSや動画サイトから新たな若い表現者が無手勝流に登場する現状を見たらどんな事を思うんでしょう。聞いてみたいものであります。
バンドメンバーとの軋轢なんかも赤裸々に書いていますが、仲井戸麗一(チャボ)さんはやはりイメージ通り誠実な人なんですね。2人で「君が僕を知ってる」を木の下で弾き語っている動画がありますが、本当に楽しそうで仲良しで見ていると涙が出てきます。 -
忌野清志郎の"バンドマン"としての自伝としても読める。
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懐かしい感じがした。
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忌野清志郎の自叙伝的な内容。
最近のロックは誰それが何万枚売れたとか、数値でしかニュースにならない。
曲自体や曲の内容がニュースになることはない。それで、ほんとに満足なのかね?
というのが印象的。自分はバンドマンだと言う清志郎。今も清志郎の曲は生きている。