きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で) (本人本) (本人本 9)

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 313
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778311933

作品紹介・あらすじ

冬に白鳥が飛来することだけが名物の東北の小さな町で、「質実剛健」をモットーにする男子高に通う「僕」。高校では先輩たちにイビられ、モテからは遠く離れた毎日の繰り返しで、深夜ラジオの「ビートたけしのオールナイトニッポン」だけが心の支え。ある日、尊敬する高田文夫氏が出演するローカル番組で、「おもしろ素人さん」を募集しているのを見つけた「僕」は、親友たちの名前を勝手に書いて応募した…。

感想・レビュー・書評

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  • 下ネタが満載なのだけど、笑い飛ばしてしまえるのが不思議。年代が一緒のせいか、文章にさりげなく織り込まれる細かすぎる小ネタがイチイチ面白い。
    ぶっ飛んでいる内容でドン引きしてしまいそうだが、個人的にはこういうのも好きだったんだーとびっくりも。

  • 本人自伝を元にしたフィクション。
    彼の地元を知る人ならば「この場所ってあそこじゃねぇ?」とか考えながら楽しめて読めると思うが、それ以外の人が読んでも…?(笑)
    彼の文章は「おぬしの体はワイン~」でも思ったのだが、やはり映像(もしくは舞台)にして引き立つような、、、特にセリフ回しの巧妙さとか。

    ちなみに宮藤氏のお父上は、私の小学校の時の校長先生。お母様が店番している文房具店には中学~高校の頃よく通いました、確かに揺れていました(笑)。

  • 官九郎さんの私小説・・・ならぬ恥小説。
    彼に限らず、自分のことを自分で書いた本が売れる、というのはすごいと思う。

  • 「僕」が進学した男子高は先輩の言うことが絶対だった。理不尽な要求に耐えながら「女の子にモテたい」「たけし軍団に入りたい」と妄想していた。
    近所には白鳥おじさんと呼ばれる変人がいて、「僕」とおじさんは河原で奇妙なコミュニケーションを続けた。

    四角い顔の女の子にモテたり、京都の女の子と文通したり、夏期講習で出会った女のひととセックスまがいのことをして、「僕」は成長していく。
    そして白鳥おじさんは中学校に忍び込んで警察に捕まる。

    バスケ部のキャプテンである「僕」は文化祭の後夜祭で、試練のステージに上がる。直球過ぎる下ネタで群衆を味方につけた「僕」は、セックスより気持ちいい快感を知った。

    ---------------------------------------

    虚8実2ぐらいで書かれた宮藤さんのハイスクールストーリーらしい。

    白鳥おじさんの狂った面白さと、常人の「僕」がなんかやらかしてみたい!と願う思春期的欲求が混ざり合って、最初からずっと最高だった。
    後夜祭のステージで白鳥(剥製)ペニスケースをつけて踊り、七百人の地響きのような爆笑を自分のものにするラストは素晴らしすぎて笑い泣きしそうになった。

    自分が所属していた高校の部活も、挨拶は「押忍!」だったなあ。どんな意味があって押忍だったんだろう。学生のころ、意味不明な決まりがたくさんあった。そのすべてを笑いに変えられたなら、どんなに気持ちがよかっただろう。
    そんなことを考えてしまった。

    「押忍まんこ!」「ちんこギンギンぼっきんガム宮殿!」

  • 阿呆やなあ…笑
    ホントにバカバカしい、何を読んでたんだろう?な本だけど、確かにクドカン流石!というセンスを随所に感じられた。

  • 「エレキを買ったらモテるという希望は、エレキを買ったのにモテないという絶望と、いつも背中合わせだ」…クドカン節炸裂の自伝的小説。

    頼まれもしないのに白鳥の餌付けをしている近所の通称「白鳥おじさん」との対話を通して、高校生クドカンの抑圧された「性的笑動」が浮き彫りになる!

    小5の時、勉強の出来る女子に恋をして、少しばかり猛勉強したクドカンは、少し成績が上がった代償に、ストレス性十二指腸潰瘍を患ったという。そんなナイーヴで、DTで、たけしチルドレンで、だからこそいつもアンテナを張って、ここではないどこかへの脱北を願ってやまない少年が行き着くのが、パンクと「おもしろ」なのである。

    後夜祭のステージのシーンは、読んでいるこっちも鳥肌が立った。

  • クドカン版『17歳だった!』
    クドカンの才能が好きだが、人物そのものが好きだと言うわけではないと言うことに気づいた一冊 エッセイテイストのこの本における中身のなさが下ネタの量で伺える
    中学二年生向けの小説のように感じてしまった ユーモラスな人間を作るのは突飛な過去であると思うが、脚色の割合が読めない程度に事実を面白おかしく書けている作品だとは思う

  • たまには笑い転げたい!と思って読みましたが
    結果、ドン引き:笑い=9:1ぐらいかな?
    ドラマ「流星の絆」は好きでしたが放送コードが
    あったのが私には良かったのかも

    一言で言うと「女性の男性への憧れを粉砕する小説」でした…

  • 高校生の空気満載。
    鬱屈した空気感とばかばかしいことに一所懸命なとことか、笑ってしまう。

  • 2015/5/26

    東北の田舎に暮らす自意識過剰な男子高校生。ロックに憧れ、お笑いに憧れ、恋に憧れ。
    小説というか、エッセイ、ネタ帳といった感じで楽しかった。テレビ見て笑うのと同じ感覚。クドカンの作品観たくなったなー。

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著者プロフィール

脚本家、俳優、作詞家、演出家、映画監督、ミュージシャン。1970年、宮城県生まれ。91年より大人計画に参加。2001年に日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した映画「GO」をはじめ、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」、NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」など数々の話題作の脚本を手掛ける。16年「グローイング アップップ」、21年「わーわーわー~はじめてのウソ~」などの楽曲をNHK Eテレ「みいつけた!」へ作詞家として提供。また、同局のアニメ「わしも‐washimo‐」の原作絵本(安斎肇絵、小学館)も担当。

「2023年 『NHK みいつけた! グローイング アップップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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