- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778313081
作品紹介・あらすじ
千年の射程で人類のビジョンを示す、日本を代表する社会学者による奇蹟の対談集。
感想・レビュー・書評
-
これからの千年を人類はどう生きるべきか?千年の射程で人類のビジョンを示す、日本を代表する社会学者による奇蹟の対談集。
私の『社会と思想』に関わる思考の基礎は、見田さんとの出会い、見田さんの本から出来ていると思う。
そんな見田さんの対談集。全てを読み込むことは出来ていないけど、見田さんの思考の一部が、私の中に溶け込んでくる感覚が堪らなく好きだ。
『気流の鳴る音』、『現代社会の理論』、『社会学入門』…にして、何度も何度も読み返す中で、体に馴染んできたように思う。
この本も、何度か読み返しながら…『時間の比較社会学』、『自我の起源』も少しずつ読み進めたいとは、思っている…自分の思考の基礎を、積み上げていきたいと思う。
今回読んで、特に印象に残ったところは、
○虚構のシステムはリアリティの一点から破綻する。
○スモールワールド・セオリー…小さな交響的な共同体がたくさんできれば、全体の人間を覆うような大きな共同体を構築することができるのではないか⁈
○利己性と利他性が問われる地平そのものが、どんどん問い詰めていくと、そこが抜けていく。
○他者性を他者性として繰り込むという契機がどこかにないと、近代性の主体としての自我は存立しない。
○災害の破局は、革命の好機でもあるのだ。
○リスク社会のリスクの特徴…全体として危機に陥るほどの破局である…生起する確率が小さ過ぎて計算不能である。
○第三者の審級の許可が絶対の成功を保証してくれてから、踏み台したいという気持ちがあるから、物事は正しいだけではなかなか前進しない。
○第三者の審級による承認を待っていたら、決して、革命に匹敵するような決定的で本質的な選択はできない。
○未来の他者との連帯はいかにして可能か?その連帯を正当化するどのような理論が可能なのか?
これらの千年を生き抜くために必要な社会と思想の断片的ビジョンを手に入れた私は、自らの実践をもって、これらのビジョンをカタチあるものにしていきたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
社会学を勉強した端くれですが、三章まではなかなか
わからなかった。。。でも四章が、原発事故を例にしている
こともあり、やっと頭に入ってきた。
ソフィーの選択、を題材に、自明に思える脱原発への方向性が
なぜ進まないのか。破壊的な被害と1000年に一度?の
極めて小さなリスクの中庸は存在しなくなってしまうこと。
未来の他者とどうすれば連帯できるのか。第三の審級。
結論は出ていないけど、頷くことか多かった。 -
大学のゼミの先生とその恩師との対談集。現代社会の問題に対して、理論的に大きなスケールで構想されようとしている姿勢は素晴らしい。自分なりにも考える上で刺激を与えられる本。
-
読了。装丁がすばらしい。成長を追い求めなくても、地球規模での人口増大に耐え得るシステムがいかにあるべきか。読みながら、このことを一番よく考えた。
-
「これからの千年を人類はどう生きるべきか?」
震災をはさんで『atプラス』でおこなわれた対談に加筆を加えて収録するとともに、90年代の重要な対談、そして大澤さんの原発事故に関する論考 を収録。ものごとを大きな射程でとらえるという前提に立ち、「人間とはどう生きるべきか、社会はどうあるべきか」について、真摯に語り合っていた だいています。
日本を代表する社会学者による師弟対談集。