原点から考えるオンライン出版――著作権と電子書籍の流通 (ユニ知的所有権ブックス)

著者 :
  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778313487

作品紹介・あらすじ

送信可能化権に基づく電子書籍の出版=オンライン出版。出版史における革命である「オンライン出版」の発展のためには、いま一度「出版と人間」という原点を見つめ直すことが急務である。長年にわたり日本の著作権と出版を見つめてきた著者が語る、「オンライン出版の夜明け」に必要な著作権理解と、出版者・電子書店・閲覧端末のあり方とは?-。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年と少し古いので、考え方だけ流し読み。

    ・従来の紙の出版とオンライン出版がもっとも異なる点は、前者が基本的に複製権に基づくのに対し、後者は送信可能化権に基づく行為であること。
    ・電子書籍コンテンツは、ユーザの閲覧端末に到達した瞬間に電子書籍として完成する。つまり流通が出版の一部であるので、流通にあたる送信可能化の部分まで出版社がコントロールすべき。
    ・出版社が送信可能化をデジタルコンテンツ業者等に丸投げするのはおかしい。法的には、著者が出版社に与えている許諾には、送信可能化の再許諾権まで含まれていないはず。またテーマを発掘し、世に届けるという出版社のミッションからしてもおかしい。
    ・ハードウェアに関しては、複数フォーマット対応のビューワを備えること、終点端末であることの2点を求める。裏を返すと、フォーマット統一やスマホ対応には消極的ということか。
    ・ユーザのリクエストを、電子書店のサーバが取り次いで出版社のサーバに取り次ぎ、出版社のサーバからユーザに配信する仕組みを提唱。端末IDの把握。
    ・上記のような仕組みの中では、電子書店の役割は読者と本をつなげるナビゲーションになるだろう。
    ・フェア・ユースには批判的。司法中心のアメリカと異なり、立法中心の政治体制である日本にはそぐわないとする。
    後半は著作権の基礎的知識。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】023||K
    【資料ID】91123702

  • 著作権に詳しい、弁護士さんによる「電子出版」論。図書館から借りたので、第二部の著作権まで読み切れず、第一部の「オンライン出版発展の鍵ー出版社・電子書店・閲覧端末の位置付け」まででいったん返却。
    本の中ではあえて「オンライン出版」という言葉を使い、自動公衆送信装置を利用した送信方法による、送信可能権に基づく出版、と定義して話を進める。この辺はいかにも弁護士さんが書いた本!って感じで雑に読むと混乱しかねないが、要は「出版社が著者から許諾を受けて、インターネットを使ってユーザーに配信する出版方法」であることには違いない。
    その中で、閲覧端末はどうあるべきか、電子書店のあり方は、といったところまで述べられる。概ね納得・賛同する(端末についてはもう少しユーザーに寄るというか、思うところはある)し、実現してほしいと思う内容。「印税を左右するのが書店なら、再許諾するにすぎない出版社を中抜きせよ、という声はやがて出てくるだろう」という主張は正鵠を射ていて、耳が痛い。

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