夢を売る男

著者 :
  • 太田出版
3.66
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本棚登録 : 3356
感想 : 545
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778313531

感想・レビュー・書評

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  • 本を選ぶとき、まず手にするのはお気に入りの作家さんの本。
    次に、ブクログなどのレビューで気になった本。
    そして、ジャケ買い、もしくはタイトル買い(笑)。

    でも、その本がどんな経緯で単行本となったか、文庫本となったか、などということは考えたこともありませんでした。

    最近、書店に並べられる本のからくり(というほどのものでもないけれど・・・)をほんの少し知ったりして、興味は湧いてきてはいたが、それ以上、積極的に知ろうとは思ってもみません。
    それが、こんな形で知ることになるとは・・・

    好きな作家さんのひとり、百田尚樹さん。
    古本屋さんで「夢を売る男」を見つけたときには本の内容も知らぬまま即買い。
    で、読み始めてみると・・・
    ジョイント・プレイス方式と言う名を借りた自費出版で、本を出してみたいと思っている素人作家を見事に丸め込み、200万近いお金を出させて本を出版する。
    実際に本は出版されるし、一部の書店には並べられるのだが・・・
    前半、そんな手口で次々に契約を成立させていく様子からこの本はどこへ連れて行くつもりだ?と思っていたら、後半の章では“小説家の世界”が暴露される。
    わわわ・・・、百田さん、そんなことおっしゃってもいいのですか?
    もしかしてケンカ売ってる???と、我がことのようにちょっとビビったりしていたらご自分のこともちゃっとおっしゃってました。
    「元テレビ屋の百田某みたいに、毎日、全然違うメニューを出すような作家も問題だがな」って・・・

    私にはひとつ、以前から疑問に思っていたことがあります。
    それが「小説誌」。
    読書好きを公言しているが、この「小説誌」というものを読んだことがなく・・・。
    それで、読書好きって言ってよいのか・・・、と、心の片隅で思ったりしたこともありましたが・・・
    百田さんの暴露で、「小説誌」ってそうなのかぁ~!!とスッキリ。
    おかげで(?)、罪悪感なく読書好きを公言し続けられます。

    そしてもうひとつの謎、「書き下ろし」。
    私の個人的感想ですが、「書き下ろし」っていまいち好みではない場合が多かったりするのですが・・・
    でも、この謎もちょっと納得したりして。

    ちなみに、この「夢を売る男」も実は「書き下ろし」でした。

  • 出版業界の闇。本を出したい人の気持ちはわからないでもないけど、あそこまで褒めて持ち上げられたり、お金要求されたら不審に思ったりしないかなぁ?(笑)
    この出版社の善悪が読んでるうちにわからなくなりました。
    1日でさくっと読めました。
    百田尚樹作品読みやすくて、おもしろくてどっぷりハマってます。

  • 本屋大賞を受賞した百田さんの新作。
    舞台は出版社です。
    出版業界の裏事情なんかは興味深く読みました。
    出版社の営業部長、牛河原の言葉が、出版を夢見る人に対して容赦ないです。
    誰しも自分を表現したいと思っているだろうし、人間の自己顕示欲について遠慮ない指摘があふれています。うわぁ、キッツイ( _ _ ); とても笑えません。
    売れていない作家についての物言いも強烈でした。
    ブラックコメディですか…。
    最近そんなに元気がないせいか、あまり楽しめなかったです。
    読んでいい気持ちがしなかった。
    私は特に人に薦めようとは思わないかな。

    • jyunko6822さん
      同感です。この本、面白いという人がいましたけれど、イタイ箇所あって素直に楽しめません。
      同感です。この本、面白いという人がいましたけれど、イタイ箇所あって素直に楽しめません。
      2013/06/13
    • tsuzraさん
      jyunko6822さん、こんばんは。
      マイナス気味の感想を書くのはどきどきしました。コメントいただいてほっとした気持ちです。
      ありがとうご...
      jyunko6822さん、こんばんは。
      マイナス気味の感想を書くのはどきどきしました。コメントいただいてほっとした気持ちです。
      ありがとうございます。
      2013/06/13
  • 百田さん、初読み。
    出版の裏側を知れたような気がした。
    自己顕示欲が強いのか、なるほど。
    納得させられることが多々あった。
    百田さんの小説は作品ごとに作風が異なるということなので、違う小説も読んでみたい。
    エンターテイナーだな、と思う。

  • 夢を見るのには金がいる
    こんなことずばっと言葉にされると、衝撃をうける。
    自己顕示欲がずば抜けてる日本人へのセールスとしては
    アコギではあるけど、実はちゃんと夢を売ってるのかもしれない、と思う。
    牛河原さんってほんとはいい人なのかな。

  • すごく面白くてすいすい読めた。日本人は本を読まないけど、自己表現したくて本が書けると思っているということがなんかわかる。

    私もエッセイぐらいだったら書けるかなって思った時期があった。

    フリーターの話は無いだろうって思った。ここまではっきり決断力を持ってたらきちんと仕事が出来てそう。このモデルは百田さん自身のような気がする。

  • それ言っちゃだめ
    あー言っちゃった・・・・・

    やり手のセールスマンか
    新手の詐欺師か
    はたまた、喪黒福造か

    本を出版したいアマチュア著者とそれを利用し一儲けする二流出版社のお話
    不況出版業界のひとつのお話

    勘違い人間たちのオンパレード
    私含め、ブログを書いている者もいじられてる~
    この作品によると世界中のブログ等インターネットで配信される記事で一番多い言語は日本語だそう
    自己主張を文字にして行う人が多いということ
    本当なのかな???

    この業界を題材とした物語は数多くあるがここまでコケ降ろした作品は初めて
    ストーリーとしては特に面白くもないけど、こんな視点で書かれるとは
    あくまでコメディー
    それもブラック
    自虐ネタもあり

    百田尚樹氏の重厚でドラマティックな物語をお求めの方はちょいと違うかも
    百田作品ならではの人間が人間であるが故の人間的な物語・・・・・・それはそうなんだけど
    サラッと読めて、ちょっと心当たりのある、痛ーい作品
    http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-270.html

  • 牛河原の働く丸栄社には、本の出版を夢見る人が集まってくるが・・・
    出版業界の裏側って感じで、本好きならば興味があるのでは。
    それにしても、こんなコト書いちゃって大丈夫なのかな。

  • 75/100

    前回読んだテスカトリポカより圧倒的に読みやすくて3時間ちょっとで読み終わった。ただストーリーに大きな波がある!って感じではないかな

    でも百田尚樹という大物作家が本を作る側の人間のエゴイズムを書いているという面がすごくより説得力を増してて面白い

  • 百田さんの小説は、海賊〜で初めの方で新聞記者の描写になんか納得いかず、その後読まず仕舞いだった。
    こちらは、自費出版事業に一時興味があり、人に勧められてよんでみた。どこまでが真実に即しているかわからなかったけ!ど、思ったよりも楽しめた。最後の数ページが、ちょっとオチっぽくいい感じにまとまっていた。

  • 最初は牛河原がやることにすごくもやもやして「こんなん良いのか」って思ったけど次第に良いとか悪いとかで判断しづらい…てなった。日本人て世界のどこよりも自己表現したい人種なんだ。満足とか幸せとかって他人からみたら勘違いだったり思い込みだったりするのかな。ずーっともやもやさせるくせに最後の最後での牛河原の行動にやられて読了感はめちゃくちゃ良い、って思わされる。

  • 何とも生々しい!

  • こういう商売本当にあるのかなと思いながら読みました。もっともらしい返答は、少し参考になりました

  • 出版業界の仕組みがちょっと分かった。
    読みやすく、展開も面白かったのでサクサク読めた。終え方も良かったが、感動があるわけでもなく、爽快感があるわけでもなかったので星3つにした。

  • 軽いテイストで一気に読み進められた。
    映像化してもそこそこ面白いしっかりとしたストーリーとわかりやすいキャラクター達。

  • 軽快で読みやすい本です。

    自費出版やそれにまつわる黒い話は自分も聞いたことが有ります。
    夢とは、本とはなんなのだろうとちょっと思ってしまいました。
    出版業界のことも垣間見えて興味深いストーリーです。

    クリエイターとは常にいろんな場所でいろんなものと戦っているのだと
    思わされました。

  • 出版社が偏屈者を食い物にする話。
    自己顕示欲の強い嫌な奴を丸め込んで、金をむしり取る。
    「ざまあみろ」と思いながら、「あれ自分にも当てはまるの?」と自身を振り返った。
    海千山千の編集者。彼にも夢見ていた時期があり、夢破れたのかもしれない。だからと言って他人の夢を壊しても良いわけではない。夢は売っていない。夢を売りつけているだけ。現実を見せずに、目を覚まさせずに。
    「百田某」などと自虐ネタもあった。出版社を虚仮にすることに負い目を感じたのか。日和ったか。
    最後は格好つけて終わった。罪は罪。出版業界の真実の一端であるかもしれない。

  • 出版業界の裏側を描いた一冊。
    凄腕の編集者牛河原のキャラクターが豪快で面白い。
    前半は同じような中身の繰り返しで正直つまらなかったが、後半ライバル出版社と戦うあたりからはまぁまぁ面白かった。
    全体的には、東野圭吾の「歪笑小説」と重なる部分が多い。出版社の裏事情など。
    そのせいか新鮮味が感じられなかったのが残念。

  • 読んでいるうちに、牛河原のセリフに、ありかな〜と納得してしまう。あまりに人間が愚かだから、売られて金で買う夢もあっていいのだ、買えるなら。最後に、その一線。

  • 出版業界の現状、暗部、恥部をコミカルなストーリーにしています。
    サクサク読めて面白い。「錨を上げよ」と少しリンクしています。

著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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