太った男を殺しますか? (atプラス叢書11)

  • 太田出版
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778314842

作品紹介・あらすじ

あるひとを助けるために、別のひとを殺すのは許されるか?思考実験「トロリー問題」の多角的な考察をつうじて、哲学・倫理学が道徳的ジレンマとどう向き合ってきたかを明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 夏の読書会の課題図書。訳書だからか読むのに時間がかかりました。キャッチーな内容とは裏腹に、本書のテーマは有名な「トロッコ問題」。

    暴走する列車の行き先の片方には5人の人間、もう片方には太った男が縛られていて、分岐スイッチのそばにはあなたしかいない。どうする?
    暴走する列車の先には5人の人間が縛られていて、高架橋の上には太った男とあなた。太った男を落とせば列車は止まる。どうする?
    それぞれの答えを出すに至った思考とは何なのか、それぞれの問いにはどんな違いがあるのか。
    こんな問題はほぼ100%起こりえないけど、同じジレンマが世界で日々起きていると思うととても面白かったです。

    ちなみに、本書でちらっと出てた別の思考実験で思い出したのがどこでもドアの話。
    入ってきた人間を分子レベルまで一度分解して行き先で再構築するのがどこでもドアの仕組みです。入った時も出た時もどちらも100%同じ人間ですが、あなたは使いますか?

  • 答えはないけど、AIは答えを求める。

  • トロリー問題を解説している本。

  • 思考実験「トロリー問題(The Trolley Problem)」を多角的に考察している。

    「トロリー問題」と、その亜種「太った男」問題とでは、なぜ結論が異なる(妥当と考える人の比率が異なる)のかを考察する。

  • ちょっと期待外れかな

  •  トロリー問題(トリオロジー)にまつわる、あらゆる哲学者が行った思考実験を紹介する一冊。「悪い選択肢」と「もっと悪い選択肢」を前に、人々はどのように判断をくだすべきか。
     「目的として意図されていた結果」と「予見はされていたが意図されていない結果」とを区別し、後者の結果を引き起こした場合、ときには許されるのが二重結果論。自己防衛が結果として殺人に至った場合などが二重結果論である。じゃあ功利主義は許されるのだろうか。
     なかなかに書いてある内容は難しい。簡単にまとめられないので、再読したいと思う。

  • 哲学の有名なトロリー問題が、哲学者たちにどう考えられてきたか、どんな反論があるのか、わかりやすく俯瞰できる。
    哲学者たち考えは、どれもそれなりに説得力もあって面白い

  • トロッコ爆破しよう
    片方のレールには1人が、もう片方には3兆円があるという設定ならどうなるだろう。3兆円を使えば1人以上の命が救えるため功利主義者なら3兆円を助けなければならないが、そうする人はどれだけいるのか?
    私はたとえ5人対1人でも、夢見が悪くなりそうだからレール切り替えしないだろうなと思うので、レール切り替えする人が多数なのは面白い驚き。
    あと、母親が娘の首を絞めなければナチスに全員が殺される話で女性の多くは首を絞めないとしたのは、単に主人公が自分と重ね合わせやすい人物だったからでは?ホラー映画の冒頭で自分と重ね合わせずらいバカップルが惨殺されても心が痛まない原理の逆で。

  • 面白い。
    トロリー問題についてだけでなく、有名な思想家の簡単な紹介もついているので、おさらいにもなる。

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