クルアーンを読む (atプラス叢書13)

  • 太田出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778314989

作品紹介・あらすじ

クルアーン知らずしてイスラーム理解なし!イスラームの側からものを見たら、世界はどうみえるのか。日本人のクルアーンの読み方は本書ですべて更新される。

感想・レビュー・書評

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  • クルアーンやイスラームについてのことはもちろん、橋爪氏による比較宗教学的視点によって他宗教のことについても勉強になり、おもしろく読めた。イスラーム経済圏についての考察なんかは現在の資本主義制度と対比すると温故知新的な可能性があるような感じもしてくる。クルアーンの教義自体もそうだが、それを元にどう文化や社会に影響を与えてきたかが書かれているので流れがわかって良い。イスラームの比較対象としてわかりやすいのは、なんといってもキリスト教だが、そこから派生した資本主義やマルクス主義、国民国家体制下のナショナリズムの問題点、その対抗軸としてのカリフ制を下敷きにしたユニバーサリズムなどの視点が新鮮。

  • イスラムを少し勉強してみたいと思って読んでみた。キリスト教も、イスラム教も、ユダヤ教も基本構造や性質をは一緒で、アダムから人類が生まれたとしているなんて知らなかった。
    また、イスラームは死んだあと、天の使者に生前のことを聞かれて、ちゃんと答えられないといじめられた後寝ちゃうそうです。で、最後の審判の時にむくりと起き上がる。
    予言者や偉い人はそのまま天国へ直行できる。
    ジハードは、死んでいるように見えるが、死なずに天国に行けるという。だから、喜んでジハードで死ぬ人がいるそうです。

    キリスト教はイエスを信じるか、そこが一番大事なところで。ユダヤ教は、それが出エジプト。それぞれお祭りがあるが、イスラムはそういうことはない。

    衝撃だったのは、最後の審判の日、ペット(全ての動物)がどうなるかと言うと、生ゴミとして処分されると言う!ひどい!!涙
    2018.01.05

  • 宗教社会学者である橋爪先生と、日本人ムスリムのイスラーム法学者である中田先生の対談本。
    イスラームに関する前提知識がないと読み進めるのが辛いと思う。
    私も1年前に読んだときは途中で挫けてしまったのだが、ヨルダンからの帰国後の今読むと全く見え方が変わり、最後まで興味深く読むことができた。
    橋爪先生が投げかける疑問に対して、中田先生がクルアーンやハディースに基づく回答をされており、とても分かりやすい。イスラームの事を深く理解できる良書。

  • ウェーバーの理念型などの価値はあるのだろうけど、橋爪のイスラム理解を見るに幅広く扱う宗教社会学の限界をみた気がする。要は生涯においてかける時間が全然違うのだから、専門で○○教を研究している専門家とは知識量で敵うはずがない。炎上したふしぎなキリスト教やゆかいな仏教(橋爪も大澤真幸もキリスト教や仏教の専門家ではない)と違って、今回は日本でのイスラム研究の第一人者中田考が答えるから、事実認定での炎上は少ないかと。
    中田本としては内田樹との対談本に比べて、内容が濃くて面白い。

  • イスラムがどんな考え方をしているのか、クルアーン(と表記するということもはじめて知った)には何が書かれているのか、ちょっと知りたいなあと思って購入。中田氏の単独著ではちょっと不安?橋爪先生がついていれば安心、と思って読みました。結果的には何一つ分からないままでした。YouTubeを見れば、クルアーンの朗読?を聴くことができるということが分かったくらい。そして、それは結構雰囲気があっていいなあ、意味が分からないなりに、味わい深いと感じたくらいでした。いずれにせよ、考え方の違う人を排除するというのはいかがなものかとは思います。ただ、中田氏の発言の中にあった、たしかに貧しいけれど、幸せに生きている人々がいる、というのは真実なのだろうと思います。そんな裕福でなくてもいいから時間に余裕のある生活をしてみたい。昨夜の番組で、養老先生が言っていた。ジイサンになって、やっとゆっくり虫を眺めることができるようになったと。そういえば、本書の最後にあったけれど、65歳以上になると、飛行機に搭乗するときのチェックは甘くなる。歳を取ってテロを起こすことが統計的にほとんどないからだそうです。だから、そういう人々にISが何をしているのかを見に行ってもらい、帰国後報告してもらえばいいのだ、とか。それってどうなんだろう。

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著者プロフィール

中田考(なかた・こう) イスラーム法学者。イブン・ハルドゥーン大学客員教授。著書に『イスラームの論理』『帝国の復興と啓蒙の未来』『13歳からの世界制服』『ハサン中田考のマンガでわかるイスラーム入門』『タリバン 復権の真実』『俺の妹がカリフなわけがない』『宗教地政学から読み解くロシア原論』など多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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