福島第一原発廃炉図鑑

制作 : 竜田 一人  萩原 慶  石井 健 
  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778315115

感想・レビュー・書評

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  •  世界初の「1F廃炉の現場」を記録した、という触れ込みの一冊。収録されているインタビューの中には頷かされる内容のものもある。
     著者は、一般の人々には「福島は難しい、面倒くさい」と思われている、という大前提を崩さない。だが、これはたぶんに戦略的かつ政治的な位置取りだ。「難しい、面倒くさい」と思われていると表象することによって、自らが〈シンプルに〉〈わかりやすく〉解き明かす行為の価値を訴えることができるというからくりである。
     たしかに、〈3・11〉以後の〈フクシマ〉が、いたずらに怪物化されて表象されていることへの違和はわたしにもある。だがそれは、そのように表象する側の問題をこそ問うべきである。わからないことはわからないと発言し、不安や不信を持つこと自体を認めない、人々を黙らせる話法によって「福島」を代表してみせることがよいことだとは、わたしはまったく思わない。

  • 20180408

  • 事故後、常磐線広野駅まで行きました。
    帰りにいわきで寿司を食べてね。
    関東を離れたのでなかなか難しいですが、ぜひ行ってみたいところです。
    廃炉の困難、これを乗り越えた時、新しい世界があると信じています。

  • 後半ハイスピード斜め読みしてしまったから、明日の新幹線でじっくり読む。

  • 福島の話は断片的にか耳に入ってこない。著書は"ちょっと調べればわかること"と言うが、その"ちょっと調べる"が一般の、日々の生活に追われた人間には、残念ながらなかなか難しい。知りたい、知らなければという思いはあるが、全体を俯瞰して把握できるまで、じっくりと取り組む余裕はなかった。
    そのような人間に、この"図鑑"は大変ありがたかった。読み切れるだろうかと思ったが、一気に読み切った。それだけ知りたかった情報が詰まっていたんだろうと思う。
    一方で、この本で全て知りえたとも思わないし、そう思うことは逆に危険だと思う。書ききれなかったこともあると著書も書いている。ただ、時々流れてくる廃炉に関する話を、ふわふわと掴み所ないまま受け入れてしまうしかない状況からは、抜けられたのではないかと思う。

  • 福島第一原発の様子、廃炉に向けての動きの部分などはとてもわかりやすい。
    ただ少し足りないなと思ったのは、当時は隠蔽された事実があったことには一切触れられていないこと。悲観的なデマが飛び交っていたことは事実で自分もそれを鵜呑みにしていた部分はあった。ここまで綿密な調査をするなら、全てを包み隠さず描いて欲しかったとも思う。
    現在の福島は恐れるほどの線量でもないということ、既にニュースにはならなくとも徐々に復興が進んでいること、また現場で働く方々の技術力の高さなど、よくわかる良書だと思う。

  • 東日本大震災による地震と津波が原因となり発生した福島第一原発事故から5年。
    事故発生当初から、政府、事業者による事実の隠ぺいが繰り返され、それでも原発推進派、いつのまにか原発推進自民党、なにがなんても原発怖い派等から発信される情報は、あくまでも自分たちの主張を裏付けするものに偏っている。

    それは正式な事故報告が4つも存在し、それぞれの内容が異なることに象徴されている。
    http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3526040_po_0756.pdf?contentNo=1

    本書は、なるべくそれらの意見には偏ることなく、5年目の福島第一原発の事故現場がどのようになっていて、事故収束への工程、廃炉への工程がどのようになり、いまどんな状況にあるか。事故現場での作業員の状況や、原発周辺汚染地域の状況は、そこに住む住民の暮らしは?といった内容について、写真、漫画、図表そしてインタビュー記事から立体的に可視化している。

    しかし、残念なことにそれらの情報は、本書が執筆され、出版されたとき時点の情報を切り取っただけのものであることも、また一つの事実。

    汚染水を減らす切り札であったはずの凍土壁は当の政府によって否定され、福島の知恵を活かすといった東電は、老朽化している原発の再稼働を急ぐ。

    結局、原発事故からの復旧はまだめどが立っていないということなのだと思う。
    なんでもかんでも原発事故のせいというのでは、話は前に進まないかもしれないが、目をつぶって道路をすすんでいけば、いつかまた事故に遇うことは100%確実ではないかと思う。

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