幸福はなぜ哲学の問題になるのか (homo viator)

著者 :
  • 太田出版
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778315351

感想・レビュー・書評

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  • 「幸福とは何か」「いかにして幸福になるか」「なぜ幸福になるべきか」という問いを哲学的に考察する道筋をわかりやすいことばで示している本です。

    著者は、現代の哲学・倫理学における幸福論が「快楽説」「欲求充足説」「客観的リスト説」の三つについて紹介し、それらはたがいに対立するよりもむしろ「共振」するということに注目して、著者自身の幸福についての考え方が語られています。

    あるいは、テーマそのものがこうした論じ方を要求しているところもあるのかもしれませんが、哲学的な方法によって幸福の概念についての考察を展開していくのではなく、もうすこしわれわれ自身の実感に寄り添うような場面に足場を求めつつ、議論が進められているように感じられました。

  • いただきもの。勉強します。

  • 幸福とは何か?という問いへの答えはそれがどんな答えであろうと反発を受けることが避けられない。断定的な答えはもちろん、幸福とは人それぞれのものだといった答えでさえ批判を避けられない。その理由は「幸福」という言葉が多義的でありながら他方でその多義性を自ら打ち消し私たちを均質化しようとする奇妙な力をもっているから。快楽説、欲求充足説、客観的な人生の良さ説という幸福三説のどれもが時として本当であり、一つきりでないことが人生に豊かさを与える。一方で、不十分な健康やお金は人を不幸にする。

  •  幸福という概念について哲学的分析を行い、考察していく本。前半は、やたら断片的に話が進行するな、と思っていたらその理由は後半の章を読むとわかる。しかし、独りよがり感がかなりある本である。「おれの場合はこうだったから、同じ悩める人のためにこう考えたらいいんだぜパート」とか、「ぼくが考えたこどものためのわかりやすい哲学コーナー」みたいなのを入れてくることが不愉快。著者が書きたいことを書いているといった感じは伝わるが、読者としてはまったく面白くない(逆にこのパートやコーナーに感銘を受ける人もいるのだろうが、純粋に幸福を論じることだけを期待している読者はがっかりなのではないか)。また、筒井康隆の小説レビューじみたものを入れてくることも私的な感じが強くて嫌。
     とはいうものの、幸福についての哲学的分析は幸福についての概念分析において何をすればいいのか役立つ視点が多いことは事実である。その点は勉強になった。

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著者プロフィール

一九七五年生まれ。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。博士(哲学)。県立浦和高校、千葉大学文学部、日本学術振興会特別研究員、山口大学時間学研究所准教授等を経て現職。二〇〇六年、日本科学哲学会石本賞を受賞。二〇一一年、文部科学大臣表彰科学技術賞を研究グループにて受賞。著書に『時間と自由意志』(筑摩書房)、『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』(太田出版)、『分析哲学講義』(ちくま新書)、『新版 タイムトラベルの哲学』(ちくま文庫)など。

「2019年 『心にとって時間とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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