ここは、おしまいの地

著者 :
  • 太田出版
3.90
  • (20)
  • (29)
  • (20)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 335
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778316129

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • おしまいの地に住む主婦、こだまさんのエッセイ。
    「夫のちんぽが入らない」の作者であることから気になってパラパラめくり別に読まなくてもいいかな〜と一度は思ったのですが、なんとなく、最後まで読むべきだという気がしました(読むべき本を読むには得てしてそういう直感を大切にしなければならない)。

    おもしろかった。辺鄙な集落で育つ、暗くて内気な一人のちいさい女の子がいた。
    生まれながらの不遇というか、持って生まれた運の悪さというか、災難を悲壮感でラッピングしたエピソードばかりが綴られていく。けれどその幸薄い感じが飄々とした文体とあわさって、病みつきになる独特な読み心地に仕上がっているのだ。
    他人の目ばかり気にしてしまう。劣等感のかたまり。小心者なのに大それたことをしてしまう。我慢が板についてしまう。そもそも自分のことが分からない。
    ごだまさんの性格(あるいは性質、習性)には共感できる部分が多すぎた。

    最終的に得た知見、「人はどのようにも生きられる」は深いなぁ。
    一見分かりやすいような言葉だが、そこには死に損なったか、極限に一度でも達したかした者でないとみえない悟りの景色が広がっている。

  • 地方と都心の格差について、最近話題になっていたが、こちらが先だったようだ。
    が、おしまいの地は、低く見るわけではなく、おもしろの地として描かれている。

    地方出身者としては、「あるあるー」と同意できないくらいぶっとんでいるが、だからこそ読み物として面白い。

    声に出すのではなく、文字に吐き出す。
    他の作品も読んでみたくなった。

  • 2018.07.14

    『夫のちんぽが入らない』の自伝エッセイを読んで、絶対次の作品も読みたいと思いました。
    期待通りの文調で、今回も大爆笑。
    特に、入院ネタが面白く、首のボルトがお守りになった話や首の骨が生まれた話、他に家が臭いという内容でも何度も爆笑しました。
    次回作にも期待大です。絶対読みます。

  • 「夫のちんぽが入らない」の作者・こだまさんのエッセイ。家族、同級生、仕事や病気のことなど、面白おかしく書いている。

    冷静にみればヘビーな人生だと思うのだが、明るく前向きに生きようとする彼女に頭が下がる。
    苦しんだ月日が彼女に強さを与えたのか、それとも彼女が思っている以上に物事をポジティブに考えられる明るい人なのか。
    生まれ故郷の閉鎖的な集落を「おしまいの地」から「おもしろの地」へと見方を変えることで生まれる、この作品の楽しさを味わって欲しい。

  • 非常にネガティヴな内容なのになぜか笑える不思議な本です。自分も筆者のように内向的でどちらかというとマイノリティな人間なので、共感できる部分が沢山あり面白かったです。
    前半あたりで登場する「エグザイルの中の誰かを失敗させたような若者」など、表現の独特さが癖になります。
    公共交通機関で読むには笑いをこらえるのが大変でした。笑

  • 買うつもりはなかった。なぜなら立ち読みしたときの最初のエピソードが、好みではなかったからである。
    だがその後も本屋に行けば、なんとなく気になっては手にとってパラパラ見た。
    川本、お前は私のクラスにも居たな。その節の最後らへんを読むと目がうるんだ。この対価は払わねばなるまい、と思い買った。

    この方の故郷は、我が田舎ではないかとちょっとドキドキしたこともある。人生の屈折具合に、謎の親近感を覚える。
    それでも、自分の痛い部分にあるような過去がざらざらと書き連ねられているのを読むと、親近感にブラウン管を挟むような距離を感じる。その距離に甘えて、不器用だなあと微笑ましいような、話してみたいような、分厚いガラスを張っている。

  • おしまいの地。
    心のスラム街。
    世界の上澄み。

  • こだまさんの文章を読んだあとは 決まってこだまさんをギュッと抱きしめたくなる。
    おしまいの地での思い出の記述は、自分の幼い頃の感覚(アザとか赤面症とか対人恐怖とか親の暴力とか)が蘇ってくるよう。どこか似ている。似ているので、笑いながら泣いてしまう。小さかった自分がここにいたら、きっと何も言わず抱きしめているだろう。
    『川本、またおまえか』が特に残る。大人になってからの川本の最後の言葉に、胸がいっぱいになった。

  • 大好きなこだまさんのエッセイ本。
    落ち着いて読める時に、大事に大事に少しずつ読んだ。

    こだまさんの文章は、わたしの「戻るべき場所」のようなものだと感じている。
    外でいろんな人と話して盛り上がり、すぐに影響受けて考えを振り回されてブレブレになり……そして、ぐったり自己嫌悪に陥る。
    そんな時、戻って来るのがここなのだ。こだまさんの本があれば、戻るべき場所に戻ってこれる。そんな感覚を抱いている。

    だから、ずっとこれからも、何度も何度も読むことになるだろう。

  • 病んでるけど面白い

全38件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

こだま
主婦。同人誌『なし水』で話題になり、その短編を元にした私小説『夫のちんぽが入らない』で2017年1月デビュー。「ブクログ大賞2017」エッセイ・ノンフィクション部門にノミネートされ、Yahoo!検索大賞 2017小説部門を獲得。2018年5月21日発売の『ヤングマガジン』25号からコミックとして連載される。2018年1月、2冊目の単行本『ここは、おしまいの地』を刊行。
2018年9月14日、『夫のちんぽが入らない』が講談社から文庫で刊行される。

ここは、おしまいの地のその他の作品

ここは、おしまいの地 Kindle版 ここは、おしまいの地 こだま

こだまの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
植本 一子
エラ・フランシス...
恩田 陸
柚木 麻子
今村夏子
辻村 深月
塩田 武士
村田 沙耶香
矢部 太郎
又吉 直樹
植本一子
有効な右矢印 無効な右矢印

ここは、おしまいの地を本棚に登録しているひと

ツイートする