ここは、おしまいの地

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 287
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778316129

感想・レビュー・書評

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  • おしまいの地に住む主婦、こだまさんのエッセイ。
    「夫のちんぽが入らない」の作者であることから気になってパラパラめくり別に読まなくてもいいかな〜と一度は思ったのですが、なんとなく、最後まで読むべきだという気がしました(読むべき本を読むには得てしてそういう直感を大切にしなければならない)。

    おもしろかった。辺鄙な集落で育つ、暗くて内気な一人のちいさい女の子がいた。
    生まれながらの不遇というか、持って生まれた運の悪さというか、災難を悲壮感でラッピングしたエピソードばかりが綴られていく。けれどその幸薄い感じが飄々とした文体とあわさって、病みつきになる独特な読み心地に仕上がっているのだ。
    他人の目ばかり気にしてしまう。劣等感のかたまり。小心者なのに大それたことをしてしまう。我慢が板についてしまう。そもそも自分のことが分からない。
    ごだまさんの性格(あるいは性質、習性)には共感できる部分が多すぎた。

    最終的に得た知見、「人はどのようにも生きられる」は深いなぁ。
    一見分かりやすいような言葉だが、そこには死に損なったか、極限に一度でも達したかした者でないとみえない悟りの景色が広がっている。

  • 地方と都心の格差について、最近話題になっていたが、こちらが先だったようだ。
    が、おしまいの地は、低く見るわけではなく、おもしろの地として描かれている。

    地方出身者としては、「あるあるー」と同意できないくらいぶっとんでいるが、だからこそ読み物として面白い。

    声に出すのではなく、文字に吐き出す。
    他の作品も読んでみたくなった。

  • 買うつもりはなかった。なぜなら立ち読みしたときの最初のエピソードが、好みではなかったからである。
    だがその後も本屋に行けば、なんとなく気になっては手にとってパラパラ見た。
    川本、お前は私のクラスにも居たな。その節の最後らへんを読むと目がうるんだ。この対価は払わねばなるまい、と思い買った。

    この方の故郷は、我が田舎ではないかとちょっとドキドキしたこともある。人生の屈折具合に、謎の親近感を覚える。
    それでも、自分の痛い部分にあるような過去がざらざらと書き連ねられているのを読むと、親近感にブラウン管を挟むような距離を感じる。その距離に甘えて、不器用だなあと微笑ましいような、話してみたいような、分厚いガラスを張っている。

  • おしまいの地。
    心のスラム街。
    世界の上澄み。

  • こだまさんの文章を読んだあとは 決まってこだまさんをギュッと抱きしめたくなる。
    おしまいの地での思い出の記述は、自分の幼い頃の感覚(アザとか赤面症とか対人恐怖とか親の暴力とか)が蘇ってくるよう。どこか似ている。似ているので、笑いながら泣いてしまう。小さかった自分がここにいたら、きっと何も言わず抱きしめているだろう。
    『川本、またおまえか』が特に残る。大人になってからの川本の最後の言葉に、胸がいっぱいになった。

  • 大好きなこだまさんのエッセイ本。
    落ち着いて読める時に、大事に大事に少しずつ読んだ。

    こだまさんの文章は、わたしの「戻るべき場所」のようなものだと感じている。
    外でいろんな人と話して盛り上がり、すぐに影響受けて考えを振り回されてブレブレになり……そして、ぐったり自己嫌悪に陥る。
    そんな時、戻って来るのがここなのだ。こだまさんの本があれば、戻るべき場所に戻ってこれる。そんな感覚を抱いている。

    だから、ずっとこれからも、何度も何度も読むことになるだろう。

  • 病んでるけど面白い

  • ‪前作に比べタイトルの衝撃度は大幅に後退したが、生まれ育った集落をはじめとする著者の半生が綴られた中身は今回も刺さる。読んでいて辛い話も多い中に微かな希望を見出す文章に前を向いて生きる力強さを感じた。個人的には『川本、またおまえか』と『いちご味の遺品』が温かくて好き。‬

  • 結構不幸な人生を歩んでいるのに何故か悲壮感が漂わない不思議な感じ、積極的にガシガシ前に進んでるって感じではないけれど、後ろ向きでもなく少しずつゆっくり前に進んでる感じがとても印象的だった

  • 育った環境って重要だ。

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