ここは、おしまいの地

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 662
レビュー : 79
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778316129

感想・レビュー・書評

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  • 「おとちん」のこだまさんの自伝的エッセイ。
    壮絶です。壮絶な人生過ぎて笑ってしまう。
    これだけ、運がなくて普通に生きられない人も珍しいのではないか。
    世界運がない人ランキングがあれば間違いなく上位入選だろう。下手するとヒトケタの順位で。

    一方で、生きているだけで儲けもの、という考え方もある。そんなポジティブさがこのエッセイ集を支配している。
    悲壮感もなく淡々と綴られた壮絶な人生からは、不思議に温かみすら感じる。

    こだまさんは、最強のユーモアと知性を持ち合わせた人だと思う。

    「言えない」が好き。力強くて。

  • 結構不幸な人生を歩んでいるのに何故か悲壮感が漂わない不思議な感じ、積極的にガシガシ前に進んでるって感じではないけれど、後ろ向きでもなく少しずつゆっくり前に進んでる感じがとても印象的だった

  • おしまいの地に住む主婦、こだまさんのエッセイ。
    「夫のちんぽが入らない」の作者であることから気になってパラパラめくり別に読まなくてもいいかな〜と一度は思ったのですが、なんとなく、最後まで読むべきだという気がしました(読むべき本を読むには得てしてそういう直感を大切にしなければならない)。

    おもしろかった。辺鄙な集落で育つ、暗くて内気な一人のちいさい女の子がいた。
    生まれながらの不遇というか、持って生まれた運の悪さというか、災難を悲壮感でラッピングしたエピソードばかりが綴られていく。けれどその幸薄い感じが飄々とした文体とあわさって、病みつきになる独特な読み心地に仕上がっているのだ。
    他人の目ばかり気にしてしまう。劣等感のかたまり。小心者なのに大それたことをしてしまう。我慢が板についてしまう。そもそも自分のことが分からない。
    ごだまさんの性格(あるいは性質、習性)には共感できる部分が多すぎた。

    最終的に得た知見、「人はどのようにも生きられる」は深いなぁ。
    一見分かりやすいような言葉だが、そこには死に損なったか、極限に一度でも達したかした者でないとみえない悟りの景色が広がっている。

  • なかなかにブラックでハードなことが書かれているのに、読む人の気持ちを暗くさせない筆致がすごいなぁ。

    これはもう天が与えし才能なんだろうな。

  • スーパーの鮮魚コーナーを物色していた父が、一匹八十円と書かれた蟹を見て「虫より安いじゃねえか」と呟いた。
    『夫のちんぽが入らない』から1年。“ちょっと変わった"人生のかけらを集めた自伝的エッセイがついに書籍化!(Amazon紹介より)

    影のある人の自伝はなぜこんなにも濃密なのだろう。謎のエネルギーを感じる本でした。過去の失敗やネガティブなこともこうしてエピソードとして吐き出せるのは、それだけ人生経験を積んで、過去と向き合う勇気があるからなんだろうな。だからなのか、ネガティブで暗い中にもちょっとした余裕や明るさが感じられました。どんな生き方でも、将来笑えればそれでよい人生だと思える一冊です。

  • 今年度で終了が決定した講談社エッセイ賞を受賞した作品。つまり同賞の最後の受賞作だ。
    『夫のちんぽが入らない』に続く第2弾で、幼少期から現在までの出来事を綴った自伝的エッセイ集になっている。

    前作は、題材とタイトルのインパクトによりかかっている面が、なくはなかった。題材が比較的地味な本書によってこそ、著者の素の才能が評価されるだろう。

    そして、この人の文章と言葉のセンスは、やはりすごい。本書所収のエッセイと同じ内容を凡庸な書き手が書いたら、面白さは半減以下だろう。

    版元の特設サイトで本書の一部が試し読みできるので、冒頭に収められた「父、はじめてのおつかい」だけでも読んでみてほしい。
    この面白さ、物悲しさ、読後に残る不思議に心地よい寂寥感……。これこそ「こだま」だ。

  • 地方と都心の格差について、最近話題になっていたが、こちらが先だったようだ。
    が、おしまいの地は、低く見るわけではなく、おもしろの地として描かれている。

    地方出身者としては、「あるあるー」と同意できないくらいぶっとんでいるが、だからこそ読み物として面白い。

    声に出すのではなく、文字に吐き出す。
    他の作品も読んでみたくなった。

  • こだまさんは クラスの卒業文集で
    「早死にしそうな人」ランキングの
    一位を取ったそうですので
    イメージを覆し
    ぜひ 長生きしていただき
    こんな笑ってはいけない笑えるエッセイを
    沢山書いていただきたいです

  • 生まれ故郷のこと、家族のこと、病気のこと、住まいのこと…。
    なかなかヘビーな状況なはずなのに、どこかコミカルにつづられたエッセイ。
    無口な人は普段は飲み込む分、内面ではこんな豊かな言葉を持っているのか。
    人物描写なども「先生の物まねが上手な子」くらいの絶妙さで思わず笑ってしまう。
    なかなか生きづらそうな性格のようだが、言葉を吐き出すことが生きがいとなるのなら、吐き出されたものをこれからも読んでいきたいと思う。

  • 私小説の方は未読ですが、このエッセイを読んで俄然読みたくなりました。

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著者プロフィール

主婦。ブログ『塩で揉む』が人気。同人誌即売会「文学フリマ」に参加し、『なし水』に寄稿した短編を加筆修正した私小説『夫のちんぽが入らない』で2017年にデビュー。翌年には2作目となる著書『ここは、おしまいの地』を上梓した。現在、『クイック・ジャパン』『週刊SPA!』で連載中。

「2020年 『夫のちんぽが入らない(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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