黒髪のヘルガ (F×COMICS)

著者 :
  • 太田出版
3.65
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本棚登録 : 214
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778321468

感想・レビュー・書評

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  • "少女"が創造した、とある世界が舞台
    そこは"少女"が嫌う醜さが全て排除された美しい世界だった
    しかしそこには"時期外れ"といわれ蔑まれる少女がいて…

    思春期の女の子が持つ、"汚らわしさ"を否定しようとしながらもそれに逆らえない現実との矛盾を描いた作品

    …エフじゃなきゃ描けないだらう、きっと普通の少年少女はよみたがらない話(笑)

  • 少女がすべてを支配する世界で、少女に嫌われた存在として扱われる主人公。所謂差別。冷静になってみればそうなのですが、その世界に入ってしまえば…といったところ。
    世界観がしっかりされているというのもあるのですが、ひと昔あった某漫画と似た世界観であり、それを朔さん流にオリジナリティーが入ったといった感じかと思います。思春期という情緒不安定な時期と、大人になってからの価値観というものがしっかりと描いており、心に残る作品になっておりました。繊細です。

  • ん…?
    久しぶりに面白くなかった。
    これが好きな人すみません、好みが合わなかっただけです。

    なんだろう…大きすぎるテーマをいくつも絡めて、身近にある描写に落とし込んで、それでもって一冊完結。無理だと思う。

  • 『少女』が作った理想の世界。ある一点だけが隠された世界で、そこから外れたヘルガという少女のお話。雰囲気は好きだった。

  • 作家買い(オノ・ナツメさんの帯も)。何となく見覚えがあるような?と思ったら以前少しだけ雑誌で既読だった。ファンタジーというには少し(?)エロティック過ぎると思うが…“少女”が謎のまま終わってしまったのは(他にも少し説明不足があり)残念だけどファンタジーだからね。溢れてしまうのは時期外れだけでは無かった。「我が罪」も[我が手]の君も溢れている(しかも[我が罪]の君は忘れてもいない)気がする。この世界の均衡は既に崩れている。元「市長様」は幸せになれたのだろうか。そして今連載中の方と似ていないようで根本は同じな気がした。

  • 何と言ったらよいのでしょうか?

    湧きでるこの憎悪。グルグルグルした中に澱む汚い感情。

    さっぱりとした絵柄なのにそれらが滲み出てます。
    だからいつも引き込まれてしまう。

    ファンタジーでこの感情。ここまで引き出せるんだな。
    そして読んだ後まで引き込まれる。

    この憎悪は自分も知っている。
    そんな感じがするんだ。

    知らないフリして忘れてる。
    そんな感じもする。

    実態を掴めないような物語。

  • 寓意を何層にも織り込んだ物語、という感じ。
    「少女」の潔癖と独占欲とが創り出したひとつの閉じた世界。彼女が眠りにつくとき人びとは記憶を取り戻して、「少女」でなく他の人間を愛する醜い生き物になる。そして彼女の目覚めとともに人びとはすべてを忘れ、ただ恥じらいのこころと醜いものを憎むこころ、「少女」を崇拝し王子を慕うこころを取り戻す。
    矛盾と緊張を孕む残酷な世界。しかしいずれ人はこの摂理に気がつく、世界を閉ざしていた嵐は去り、「少女」は過去のものとなり、忘れ去られる。彼女はそれを待っている。
    ──そんな感じ。

  • いろんな想いが入り混じっていて、初めて読んだ時は気分が悪くなった。でも、不思議とまた読みたくなる。

  • 読んでいる途中は、謎に包まれた物語だけども読み終わった後はとても難しい謎が解けたときの開放感を味わえるものでした。

    独特の世界観なため一度読み終わった後、もう一度読み返しそこでようやく気づくこともあり
    何度も何度も読み返しそのたびに新しい発見ができるものだなとも思いました。

  • その閉ざされた世界は、一体なにを憎んで、なにを求めていたの?

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著者プロフィール

栃木県出身。1997年、「コミックライズ」に掲載された『きのうの裏庭』でデビュー。
以後、成人誌から青年誌に活躍の場を移し、『つゆダク』 『ハクバノ王子サマ』 『セルフ』(以上全て小学館)を発表。人間のエロスと葛藤を描き出す骨太なストーリーで、男女問わず人気を集める。
また、仏教をテーマに「生と死」を真摯に問いかけた『お慕い申し上げます』(集英社)も大きな反響を呼んだ。
2013年に、『ハクバノ王子サマ』はテレビドラマ化されている。他の著書に『黒髪のヘルガ』(太田出版)などがある。

「2019年 『神様の横顔(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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