志乃ちゃんは自分の名前が言えない

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 784
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・マンガ (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778321802

感想・レビュー・書評

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  • 高校入学前夜に必死に練習したけれど、結局上手く言えずクラスメイトに笑われた。その後も授業で当てられても答えられない。そんな毎日を過ごし昼休みも気まずくなったので、校舎裏でお弁当を食べることに。すると、足音が聞こえてきたので急いで隠れると──。吃音症の少女・大島志乃(おおしましの)と、ギターを演奏できるが音痴がコンプレックスのクラスメイト・岡崎加代(おかざきかよ)の交流を描いた作品。第1〜最終(11)話+あとがき収録。
    著者の実体験が元になっているからか、志乃がどもる場面や最終話の本音を叫ぶ場面が深く心に刻まれる。特に「私をバカにしてるのは 私を笑っているのは 私を恥ずかしいと思っているのは 全部私だから」という台詞は自己嫌悪に陥りやすい自分にも当てはまると感じ、何度も読み返したくなる。また、志乃だけでなく加代や菊池たちが相手に真摯に向き合う姿勢がとても良い。個々にコンプレックスはあるが勇気を出し行動する彼らに勇気付けられる。あとがきを含め多くの人に読んでもらいたい。吃音症をテーマにした作品、重松清さんの小説『きよしこ』を再読したくなった。

  • これも良かった…「悪の華」を読んでいないのでアレですけれども、この一巻完結の漫画は非常に良かった! どこがどうってうまく言えないのであれですが…なんでも「あとがき」によると著者もこの漫画の主人公である志乃ちゃん同様、吃音症らしいのですが…だからでせうか? 著者の実体験がうまい具合に漫画と絡み合って妙なリアリティを醸成している!

    と僕などは思ってしまったのであって、だからこそ、実に傑作! と太鼓判を押すみたいな感じで読了できたのだな、僕は…そんな感慨を抱かせてくれる漫画でしたね、ええ。 ←は?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    できることなら志乃ちゃんと男の子の恋の行方みたいなものも描いてくれたらよかったのですが…そこまではさすがに贅沢ってやつですか、そうですか…みたいな後ろ髪引かれるみたいな気持ちを僕に残してくれたこの漫画にアッパレ! みたいなセリフを棒読み口調で言いつつさよならしますか…さよなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  •  タイトルが示すとおり、吃音症の少女を主人公にした青春マンガである。
     吃音症には、同じ音が連続してしまう「連発型」と、最初の音がなかなか出てこない「難発型」がある。本作のヒロイン・志乃は「難発型」だ。

     「あとがき」によれば、作者の押見自身が中学生のころから難発型の吃音症であり、本作のストーリーは自らの体験を下敷きに作り上げたものなのだという。

     それゆえ、ディテールのリアリティと、読者に訴えかける迫力がすごい。
     たとえば第1話は、高校に入学した志乃がクラスの自己紹介で名前が言えず、クラスメートたちに笑われるいきさつが描かれている。それだけの話なのに、志乃の焦燥とくやしさ、悲しみ、孤独感が、読む者にビリビリ伝わってくる。

     くわえて、本作が素晴らしいのは、この手のマンガにありがちな「クサさ」や、過度の啓蒙臭を微塵も感じさせない点だ。
     青春マンガとしてフツーに面白いし、淡いユーモアもちりばめられ、ちゃんと「押見修造の作品」になっている。

    《この漫画では、本編の中では「吃音」とか「どもり」という言葉を使いませんでした。それは、ただの「吃音漫画」にしたくなかったからです。
     とても個人的でありながら、誰にでも当てはまる物語になればいいな、と思って描きました。》

     「あとがき」にそうあるように、これは「吃音の少女をヒロインにした一級の青春マンガ」として、普遍的な魅力をもつ作品である。
     代表作『惡の華』のイメージが強いため、もっとドギツい内容を予想していたが、意外にも、センスのよい水彩画のような味わいの好作であった。

     なお、本作の「あとがき」は、一編の文章として独立した価値をもつものである。今後、マンガ家・押見修造を論ずる場合に、避けて通れない一文となるだろう。
     その印象的な一節を、以下に引く。

    《もうひとつは、言いたかったことや、想いが、心のなかに封じ込められていったお陰で、漫画という形にしてそれを爆発させられたことです。
     つまり、吃音じゃなかったら、僕は漫画家にはなれなかったかもしれないということです。
     勿論、吃音だったから漫画家になれた、というわけではありません。しかし、吃音という特徴と、僕の人格は、もはや切り離せないものになっているということです。》

  • 「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」
    公開日:2018年7月14日
    上手く言葉を話せず周囲となじめなかった高校1年生の大島志乃。だが同級生の岡崎加代からバンドを組もうと誘われる。やがて、志乃をからかった同級生の男子、菊地も強引にバンドに加入することになるのだが……。
    キャスト: 南沙良、蒔田彩珠、、萩原利久、小柳まいか、池田朱那
    監督:湯浅弘章

  • 吃音症を題材としたマンガ。
    あとがきにて、作者自身も吃音症だったとのこと。
    心理的な描写がリアルでした。

  • 教室で突っ立って、何も言えない。

    なつかしい、と言えばいいのか、その感覚。

    それに対する、励ましと言う無理解と重圧。

    はじめっから泣きそになりました。

  • あとがきの最後の一行までよめ。

  • 俺もいっとき「ありがとうございました」の「あ」が出ない時期あったなぁ。接客業なのに。
    それにしても、押見修造、既婚者だったのに、吃驚。

  • 上司から借りて読んだ。
    切なつらいが、ぐっとくるものがあった。

    本編もだけど巻末のあとがきにかなりぐっときた。
    決して「吃音」という言葉は使っていないこだわり。

  • 映画と両方観ましたが、映画、原作とそれぞれに違う面白さがあり、変にキラキラしていないのが、この漫画の良さだと思います。

    ラストが個人的に好きです。

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著者プロフィール

★漫画家。2002年、講談社ちばてつや賞ヤング部門の優秀新人賞を受賞。翌年、別冊ヤングマガジン掲載の『スーパーフライ』にてデビュー。同年より同誌に『アバンギャルド夢子』を連載した後、ヤンマガ本誌にて『デビルエクスタシー』などを連載。2008年より漫画アクションに連載した『漂流ネットカフェ』は、テレビドラマ化された。翌2009年より別冊少年マガジンにて『惡の華』を連載。

「2014年 『惡の華(11)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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