うみべの女の子 2 (F×コミックス)

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 1054
レビュー : 100
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778321871

感想・レビュー・書評

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  •  街の閉塞感、モヤモヤした気持ち、思春期として吐き捨てられる感情。青いなと言われるであろうこれらの感情を言葉の表現なく展開とキャラの表情で描いてるのはさすが浅野いにお作品と思いました。

     磯辺くんのクソガキマインドは実にイイ。自分が出せず取り繕いながらそれでもダラダラと生きている。八つ当たりもすれば流されるままセックスもする、正義気取りでDQNを狩ったりもする。クソみたいな世界を変えるためなのかそれとも兄の仇討ちか、どちらか定かではないけど彼の中でひとつの節目となっています。その後気が向くまま歩きひとつの奇跡と出会う。本当にメルアド交換したとか同じ学校目指すとかはどうでもよくて彼の中で人生の変化が起きた、それだけでなんだか救われた感じがして良かった。

     女の人は小梅ちゃんに同情するだろうな。惚れた男を探して台風の中歩きだす、泣きながら彼との別れを海に叫ぶ、あぁ可哀想そんだけ愛してるんだと見た人は思うだろう。だけど彼女の行動をみると磯辺くんがセックス中に言った言葉以上の感想はでない。磯辺くんは彼女に対してこれ以上振り回されるワケにはいかないと吐き捨てるけど、対等で居られないからこその言葉ではないか。そのあとの泣きながら歩く磯辺くんの姿が色んなことを物語っている気がしました。

     中学から高校にあがる最中の出来事。通り過ぎればなんてことない過去なのか、それとも忘れことができない思い出なのか。浅野先生も感情の切り売りが激しいぶん描きたいこと終わったらどうなるのか気になります。

  • 浅野いにお氏の作品はどうも苦手なんだけど、これは素晴らしい。薦めて貸してくれた後輩に心から感謝したい。

  • 言いたいことがいっぱいあって書ききれない。やっぱり浅野いにお大好き。「なんだエロ漫画かよ」→「ただのサブカル厨漫画か」→「やべぇこれ名作じゃん」というふうに自分の中で評価がころころ変わった。台風と文化祭と誕生日と命日の高揚感。文化祭のクラスTシャツ着ながら一人で雨風に打たれる小梅の「大切な日の大切な時間が儚く流れていってしまいます感」がすごい。

    浅野いにお本人にとってはもしかすると『おやすみプンプン』のラストスパートに向けたウォーミングアップ程度の作品なのかもしれないけれど、そういう煮詰まってない作品のほうが好みだったりする。

  • カラダとココロはやっぱり分けられないから、舐めてかかると自分に返ってくるんだなと。磯辺と佐藤、痛々しいなぁ…でも結局佐藤は「今日のことなんてしれっと忘れて、それなりの男を普通に好きになってまるで初めてみたい」に束の間の孤独程度は楽勝で埋めていくのだろう。

  • 傷つくことに臆病で、強がって自分すらも
    見失ってしまう時期のことをゆっくりと解体して
    見せられた全編に圧巻だった。

    心だけでも、体だけでも不完全で
    どんなに体を重ねても、すり抜けていくような
    充足しない気持ちの真意がなんなのか、
    小梅への答えを最後のシーンに込めたところが
    すごく素敵だった。

    磯辺も幸せになってくれるといいなぁ。

  • ちょっと暴力的な破壊力と若さ故のリアルな切なさとで、まぜこぜ過ぎていいか悪いかもわかんなくなる感じ。


    小梅と磯部は中学生。
    ちょっと悪い感じの先輩をちょっと気になる感じのポジションに置いてしまった小梅は、
    好きでもないのに先輩に振り回される。
    振り回されて、傷つく。
    そんな時に、1年の時に告られた磯部と関係を持ってしまう。
    ずるずると続く関係。
    いくら体と時間を重ねても近くなるようで交わらない二人の心。


    「悲しいよ

    何が悲しいってきっと佐藤は高校行ったら今日のことなんてしれっと忘れて
    それなりの男を好きになってまるで初めてみたいなセックスするんだ

    ……要するにお前は結局自分のことしか考えてない」(2巻抜粋)


    けど、磯辺はそれでいいと思ってたんだろう。
    自分は悲しいまま、だけど、小梅はそんなのに巻き込まれなくていい。
    「何も知らなくていい」と。

    小梅が用いる「優しさ」がすごくうわ滑って、彼女が必死なのに、絶対的に間違ってるのがやるせなかった。
    それは若さ故ってだけじゃないはずで、
    桂子と鹿島がエグいくらいに対照的だから、また痛かった。


    小梅はまたある種の鈍感さを持ち合わせて、高校生になってく訳だけど、
    ちょっと歪んだり、影響受けてたり、というのがちょっとよかった。
    そこに少しだけ、救いがのこっている気がして。

  • 好き嫌いで考えると、決しで好きではないんだよなぁ。
    でもなぜか読んじゃう。

    小梅がそもそもなぜ磯辺とこういう関係を持つことになったのか2巻でもっと深く描かれるかなあと思っていたら、特にそういうこともなく。
    全部描いたからってリアルになるわけでもないし、描かなかったからリアリティに欠けるわけでもないけど。

    ラストシーンだけは、なんだかよくわからなかった。

  • この2年間は長かった笑

    この二人の結末が切ない けどさわやかな感じをうけた
    やっぱり浅野いにお好き。 すごい!

    小梅の思いがめちゃめちゃ伝わってきて、こっちもドキドキして
    そうそう、恋するってこんな感じやったよなぁと思い出した*

    でも最後のオチが
    あれ?って感じでおわってしまったというか、
    すとん とおちた感じがなかった。

    また読み返したらおちるんかなぁ。

    とにかく浅野さん好きになった!

  • 身体を交わらせても言葉は通じ合わず、言葉を編んでも伝える機会は持てず、意を決して気持ちを打ち明けても時すでに遅く・・・、伝わらないこころ、伝えられないこころ、伝えているのはかたちばかりのこころ、そんなもどかしく痛々しい感じのお話。

  • 小梅はこれからも泣いたり笑ったり、日々の出来事に流されていく事をきっと磯辺はわかっていて、自分から小梅を振り切ったのかなぁと思った。
    小梅は良くも悪くも女の子って感じ。

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