ナガサレール イエタテール

  • 太田出版 (2013年3月6日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778321888

感想・レビュー・書評

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  • 明るく描いているけど、病気のお母さんや認知症のおばあさん、家を建てることやいろいろな届出、本当に大変だっただろうと思う。

  • 東日本大震災で家が流された祖母と母。
    東京で暮らす作者が、共に再び二人家を建てるまでを描いたコミックエッセイ。
    作者が東京在住で、地震は経験したけれど津波まで起きた実家の被災と距離があることや、祖母と母との間の様々な家族ごとなど、自分に重なるところも多く、一つ一つ頷きながら読んだ。
    コミカルな描き方でするする読めるが、終盤のところは泣いてしまう…。
    被災された方がその後実際どう暮らし、何を思っていたかを知ることができるのも大きい。
    この作品が出てからでも7年経つけれど、震災は終わっていないんだよね…。

  • 東日本大震災で被災し、津波から命からがら命拾いし、自宅全壊状態で。そんな状態で、次々苦難も降りかかるんだけど、その明るさ、愛情、ユーモアで深刻そうには見せない。ある種、あきらめというか達観というか、これは体験した人にしか分からないのかもしれない。
    婆ルは、認知症が入ってはいるけど、生まれ育った故郷への愛情を持ってたり、共済に入ってたり、生き抜いてきた人の強さが見える。本当に月並みだけど、「絆」があるから大丈夫だと思えた。

  • 東日本大震災の津波により、宮城県山元町の実家が全壊。東京在住のイラストレーターの娘(ニコルソン)、母(母ルソン)、祖母(婆ルソン)の女三代による、自宅再建記。
    んもッ、内容はヘヴィーなのに、そこかしこにしこまれた笑いの地雷踏みまくり!3・11との距離の取り方は人それぞれかと思うが、こうやってちょっと突き放して、あの経験を笑いに変える、そんなパワーも必要かと思う。自分も実家が津波被災したので、ちょっとはわかる。こんなことがあってさあ~とガハハと笑い飛ばしていた私の母のエピソードが、一部、ニコさんのネタと重なるもので。
    自宅再建を決意したはいいが、母ルのがん発覚、婆ルの認知症…東京での仕事を抱えながら、ニコ自身もどうするべきなのかと悩む日々。そのプレッシャーは如何ほどのものだったか…。読みながら、何かもう自分までアワワとしちゃうのだが、やっぱり、生まれ育った家が一番だよね、婆ル。この婆ルの愛らしいこと!プチ認知なだけに、あちゃ~なこともたくさんやらかすんだけど、憎めないのよね。
    津波被害に遭っても、こんな食品は大丈夫だった!(またはダメだった)など、なるほどエピソードもあり。そして、再建に至るまでの過程は、「ビフォーアフター」感覚で、家族の希望を取り入れ、予算削減しつつ使える物は使い。(勿論紆余曲折ありだけど!)学べることも多いです。
    震災後の生活再建事情はまだまだ知られていない。切実な状況を、多くの人に知ってもらいたいと思う。
    今回初めてニコさんを知ったけど、愛嬌のあるキャラクター、笑いのぶっこみ方、好みです。もっともっと活躍してほしいわ~。今後、期待してます!

  • ○家流されたのに、よくこんなに明け透けに、でも明るく描けるなと思う(批判じゃなくて尊敬すらする)

    作者ニコの実家が東日本大震災で流され、母や祖母と一緒に実家を文字通り"建て直そう"とする物語。

    キャッチコピーの通りで、家流されたのに、よくこんなに明け透けに、でも明るく描けるなと思う。決して批判じゃなくて尊敬すらする。
    でも、それが漫画家さんや作家さんの使命なのかな、とも思う。

    自分の苦しみや自分が感じた他人や家族の苦しみは、どうにかして吐き出したいと思うはず。いつまでも自分の胸に留めておくことはできない。文筆家ならなおさらだ。
    吐き出したいにもいろいろあり、感じた事そのものを伝えたいという形、教訓化して伝えたいという形、伝えるべきではないと封印してしばらく経ってから著す形・・・などなどあるのではないかと思う。
    そもそも絵になる母親と祖母であったが、震災をきっかけによりそのエピソードが強いものとなっただろう。身内を描くことへの抵抗もあっただろうけど、ニコ氏は果敢に、被災した当時の様子も家を建て直すときにどれくらい大変な思いをしたかも明け透けに、でも嫌味っぽくなく書いている。

    p137、「婆ル」がこたつに座って昔の位置から今の眺めをふと見上げ、涙する場面、不意にうるっと。
    新しい家で幸せに暮らしてほしいなぁ。

  • このテーマでこう書けますか!ゆとり世代(になるのかな)のものの捉え方、おそるべし‼︎ 本当に重すぎる話をここまで痛快に描かれ…ただ読ませてもらってる身には申し訳なかったのですが、作者のニコさんやご家族からしたら、「普通に生きているだけ、かわいそうな人じゃないよ」と思われるだろうし、この話は当事者だからできること。ニュースで知る内容ではなく、そこに住む人の目の前の震災を教えて頂いた気がして、感謝の気持ちでいっぱいです。新しいおうちの写真が巻末に掲載されていて、思わず涙でした。これからもいろんなことがあるでしょうが、この家族なら大丈夫。住み慣れた土地と家族。人にとってとても大切なものを再確認させてくれて、ありがとう。

  • 自分の生まれ育った場所は、その景色や歴史を含むのだと思った。例え同じ場所でも、馴染みのものがなければ喪失感がジワジワ襲ってくることだろう

  • 津波によって全壊判定を受けた家を建て直す過程で、予算のことが問題になったり、お母さんが病気になったりと、相当タフな出来事が起こっていくのに笑える!(笑)そして、ニコさんの笑いの中の繊細さからは日常の偉大さを感じたなぁ・・・!

  • 2017/06/20読了

    災害系のコミックエッセイは、できるだけいろんなものを呼んでおこうと思う。

  • あの東日本大震災での大変さをよく物語っていて改めて心にぐっときました。

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