おふろどうぞ

著者 :
  • 太田出版
3.30
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本棚登録 : 210
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778322724

感想・レビュー・書評

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  • 「お風呂」がテーマの短編集。ここ最近の刊行作品が長編続きだったペコさん、短編も味わい深くてとてもいい。ペコ節全開!様々な「お風呂」の場面で、心も体もほぐれたところで浮かび上がる本音。ほどよく官能的で、ほどよくユーモラスで、ほどよく文学的で。語りすぎないからこそそれぞれの登場人物の暮らしが透けて見えてくるところが相変わらずうまい。
    どの話も好きだけど、かつて恋人同士だった初老男女の逢瀬を描いた「連れ込み風呂」(後編)、仕事や家庭といったしがらみを一瞬忘れてスーパー銭湯に逃避する「サボリ風呂」が面白かったな~。
    そして、見た目女性の「おとうさん」が性転換手術を前に、息子とお風呂に入る「泡姫」は、「ボーダー」のようちゃん家族!こっちの方が発表が早かったのかな。「ボーダー」では、もっとようちゃんの性転換前のエピソードを読みたいと思っていたので、嬉しかった。(勿論「泡姫」だけ読んでも十分に面白い)
    温泉、銭湯、ラブホテル、自宅のお風呂…いつ、どこで、誰と入るのか。無防備になったところからいくつものドラマが生まれているのだなあ…と、しみじみ。

  • ペコ氏の描く漫画はこう…語彙の少ない僕ちんではうまく言い表せないんですけれども…とにかくイイんですよね! 独特な雰囲気があるというか…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    個人的に若者たちの恋愛というのは多くの漫画家が描いているのであって、それに加えて僕自身、年齢が若者と言われるソレから徐々に離れている身であるのであって、そんな僕ちんはそんな若者恋愛漫画に辟易…というか、食傷気味なんですねぇ…。

    というわけで、本作なんですけれども、訳ありなカップルが多かったように思います! 「にこたま」でも感じましたけれども、著者の漫画はどれもこれもなんとなく…暗い終わり方をしますねぇ…まあ、女性の漫画家というのは得てしてそういうものなのか…

    ↑みたいな偏見が芽生えつつありますけれどもまあ、僕は個人的には好きですよ! ただ、なんか後味悪い…と解釈する人も居そうなのであるからして、そうですねぇ…人を選ぶ漫画家さんかもしれませんね…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    というわけで、お風呂に入りつつ、男女がああだこうだする短編集なのでした。さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 相変わらず、この方の漫画は生々しい。
    絵も、ストーリーも、表情も妙にリアルで生々しくってそれが印象に残る。
    思いがけず『ボーダー』の種田さん親子の話が入っていて嬉しかった。第2話「泡姫」が好きな方は『ボーダー』もぜひ。
    「効力絶大温泉紀行」の作家と担当編集者の話はホラーだと思った。「連れ込み風呂」は皮肉も感じつつ、人生の切なさ見たいなものを感じた。

    「浴室を出たら 現実の姿に戻りましょう」

    人生、綺麗事ばかりでは済まない。入浴を通して日常の中の束の間の非日常を描いたこの短編集は、どれも派手さはないけど余韻が残る話ばかりだった。

  • そこにあるのは日常と非日常の間。特別と普通の間。不思議な感覚にされる物語。

著者プロフィール

北海道出身。
2004年「ヤングユー」から『透明少女』でデビュー。その後「コーラス」や「エロティクス・エフ」など女性コミック誌を中心に連載。代表作に『東京膜』『ラウンダバウト』など。
今作が青年誌初連載!

「2013年 『にこたま(5) <完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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