パリのモスク―ユダヤ人を助けたイスラム教徒

  • 彩流社
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本棚登録 : 19
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (56ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779115424

作品紹介・あらすじ

1940年から44年にかけて、パリはナチス・ドイツに占領され、ユダヤ人はいつ拘束され強制収容所に送られるかと恐怖のうちに暮らしていました。ユダヤ人だけでなく、ドイツ人以外のすべての人々の自由が制限される中で、ユダヤ人を助けようと危険をおかすような人はほとんどいません。

そのような日々に、ユダヤ人をかくまい危険なパリから脱出させるため力をつくした人々がいます。誰だったのでしょう。パリのどこで、そんなことが可能だったのでしょうか。当時も今も聞いた人の誰もが意外に感じ驚くであろう場所、それは――

この本は、これまでほとんど語られることのなかったイスラム教徒のユダヤ人救出活動に光をあて、その勇気と信念、献身を讃えるために書かれました。

感想・レビュー・書評

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  • 第二次大戦のパリでは大モスクでムスリムがユダヤ人を助けていた。大モスクにはシ・カドゥール・ベンガブリという最高指導者がいてユダヤ人救出を指導していた。ムスリムへの改宗証明書を発行したりしていた。偽の出征証明書も作成していた。北アフリカの国々では出征登録などあまりきちんとされていなかったので、ユダヤ人がそれらを持っていても証明書の真偽は確かめようもなかった。ナチスとヴィシー政府は大モスクには敬意を表していたので、乱暴に押し入ったりはしなかったが、不審に思えばやってきた。そうすると、シ・カドゥールは自分の机の真下に隠されていたボタンを密かに押して、他の場所に警報が伝わった。モスクでは兵士や警官もブーツや靴を脱ぐのが決まりだったので、軍靴を脱ぐには時間を要したので、その間に姿を隠すことができた。マチスはムスリムを適任鷲宅なかった。北アフリカでも英仏を中心とする連合軍と戦っていたドイツは、ムスリムが蜂起するのを恐れていたから 。

  • ナチ占領下のパリで、ユダヤ人やレジスタンスを匿い、脱出させたムスリムたちの話。
    『サラの鍵』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4105900838と同じ舞台。ヴェル・ディヴにも触れられている。

    ノンフィクションだけれど、聞き書きの再話と言ったほうがしっくりくる。
    エピソードをパラパラと並べて、全体像は読者の頭の中で組み立ててね、という感じ。
    ひとつひとつの話をちゃんとしりたくて隔靴掻痒。
    でも後書きを読んだら、あえてそう書いたのではなくそういう風にしか書けなかったっぽい。
    語られないまま風化しつつある過去だから。

    フランス人の手による虐殺、助けたムスリムも被差別者、WW2の後は冷戦だ独立だでゴタゴタした、占領下の非合法活動だったから記録なんてもちろんしてない、などなど。
    深く考えたくない理由がいくらでもあって、調べないうちに忘れられてしまった。
    もうすでに聞き取りができないから、かき集めたエピソードを並べることさえも大変な苦労だったらしい。
    ならば勝手に話を作らずにただ事実を並べていく書き方は誠実なのだろう。

    お気に入り度よりおススメ度を重視して★4
    あまり扱われていない題材を見せてくれたところに価値がある。


    原書は絵本だそうで、この本も一応児童書の体をとっている。
    でも子供に読ます気ないつくりだ。完全に大人に狙いを定めてる。
    「大人が手に取れるようにこのサイズにした」って逆だろう。
    大人は児童書を読めるけど子供は大人の本を見られないのだから、せめてルビくらいふればいいのに。
    絵は(特に建物が)綺麗だけど、写真の模写かそれっぽくおいたジオラマっぽくてあまり好きじゃない。


    関連
    『ユダヤ人を救った動物園』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4750509124
    軍人がきたときの対処にこれを思い出した。救う側の恐怖もしっかり書かれている。

  • ナチス占領下のフランス、パリで、イスラム教徒がユダヤ人をモスクにかくまい助けました。

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著者プロフィール

米国メリーランド州生まれ。ミシガン大学卒業、図書館学修士。図書館司書として働いた後、絵本作家となる。ニューヨーク州在住

「2010年 『パリのモスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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