マーガレット・アトウッド論: サバイバルの重層性「個人・国家・地球環境」

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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779116834

作品紹介・あらすじ

アトウッドは、2010年9月の国際ペン東京大会の基調講演で、「環境保全は文学の大前提」であり、環境を守れない限り、書くものは意味を為さず、環境は人間が存在する基盤であり、文学は環境と密接に関連していると述べ、いま過酷な状況下でのサバイバルの物語が読まれていると述べた。また、彼女の最新小説は、人類および地球環境が絶滅の危機に陥っている世界を描き、人類と地球の生存が一貫したテーマとなっており、いまなおサバイバル(生き抜くこと)を重要な要素として考えていることが分かる。
 しかし、そのサバイバルは、初期小説群においてはメイン・プロットの裏側に巧妙に隠された形で描かれていたのである。しかも、そのサバイバルの主体は人間だけではなく、国家共同体あるいは人類/地球環境の絶滅と生存を含むものであった。
 本書は、それら三つのサバイバル、つまり個人(人間)、国家共同体、地球環境のサバイバルが彼女の作品世界に重層的に組み込まれ関連していることを論証し、アトウッドの本質に迫る。

著者プロフィール

Yumiko Ootsuka
1948年生まれ。北九州市立大学文学部卒業後、(株)安川電機重電技術部資料課勤務、
退職後自宅英語塾主宰。
1995年、北九州市立大学文学部科目等履修生、
以後、福岡県立福岡女子大学大学院文学研究科修士課程修了、
博士後期課程単位取得満期退学、
北九州市立大学大学院博士後期課程社会システム研究科修了。博士(学術)。
福岡看護専門学校、九州共立大学非常勤講師を経て、現在、北九州市立大学、
下関市立大学、西南学院大学非常勤講師。

「2011年 『マーガレット・アトウッド論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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