鉛筆部隊と特攻隊―もうひとつの戦史

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  • 彩流社
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779117992

作品紹介・あらすじ

特攻隊と疎開学童の知られざる心の交流!
太平洋戦争末期1945 年2 月~ 3 月、信州松本の浅間温泉に滞在中の特攻隊
(武剋隊・武揚隊:学徒兵含む、満州新京で編成)と世田谷の代沢小学校の
学童疎開生徒たち(鉛筆部隊)との間には心温まる交流があった。
ほとんど知られていないこの史実を、戦後64 年、元疎開児童の一人が
発したメール(疎開寮の寮歌の歌詞を尋ねた)をきっかけに、
さまざまな人々の証言と多くの新発見資料(手紙・辞世の句の遺墨ほか)
などをもとに浮かび上がらせる感動ノンフィクション。

※鉛筆部隊 疎開児童を引率していた国語教師、柳内達
男氏が命名。実に多くの作文(手紙」)が書かれ、一部
現存している。本書でも貴重な証言として掲載。子供
たちもまた鉛筆で戦っていた。また、「週間少國民」に
は「神鷲と鉛筆部隊」として、交流が紹介されている。 


今日、突然出発することになって、こちらへ来ました。
今日は岐阜泊まりです。元気な明ちゃん達とお別れして
急にさびしくなってしまいました。皆さんと一緒に楽しく過ごした
浅間での事をなつかしく思い出しています。もう近く再疎開ですが、
どこへ行っても元気にしっかりべんきょうしてください。さようなら

疎開学童、松本明美さん(当時小学4 年)にあてた武剋隊の特攻隊員、
時枝 宏軍曹(20 歳)の最期の手紙。彼は、この七日後の四月三日に
特攻機に乗って出撃し、沖縄沖で戦死している。 

特攻隊員の遺墨・・・本書取材過程の2012 年3 月
新たに見つかる。上記手紙との本音と建前の落差に
胸をつかれる。書き残したものが『きけわだつみのこえ』で
紹介された会津出身、明治学院、長谷川信学徒兵の遺墨もある。

感想・レビュー・書評

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  • 学童疎開、寮歌、特攻隊員との交流、“ペンで戦う”、わだつみのこえ、さくら弾機、隊長の恋文、和綴じ帳の遺墨、遺された声、…“燈滅せんとして光を増す”

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プロフィール

1945年満州(現中国東北部)撫順生まれ。童話作家・物語作家、文化探査者。
1996年『トロ引き犬のクロとシロ』で「サーブ文学賞」大賞受賞。1997年『走れ、走れ、ツトムのブルートレイン』で「いろは文学賞」大賞・文部大臣奨励賞受賞。 2011年『鉛筆部隊の子どもたち~書いて、歌って、戦った~』で「子どものための感動ノンフィクション大賞」優良賞受賞。
著作に、『トロッコ少年ペドロ』、『出発進行! ぼくらのレィルウェイ』、『広島にチンチン電車の鐘が鳴る』(いずれも汐文社)、『日本鉄道詩紀行』(集英社新書)、『峠の鉄道物語』(JTB)。『鉛筆部隊と特攻隊―もう一つの戦史』、『特攻隊と褶曲山脈―鉛筆部隊の軌跡』、『忘れられた特攻隊―信州松本から宮崎新田原出撃を追って』(いずれも彩流社)は信州特攻三部作である。これに加えて『ミドリ楽団物語―戦火を潜り抜けた児童音楽隊』(えにし書房)がある。
『北沢川文化遺産保存の会』の主幹として、世田谷、下北沢一帯の文化を掘り起こしている。地図『下北沢文士町文化地図』(改訂7版)を作成したり、ネット上の『WEB 東京荏原都市物語資料館』に記録したりしている。
この物語はこの活動から発掘されたものである。

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