- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779121180
作品紹介・あらすじ
本書は、「すぐ身につく」「○週間でマスター」といった短期的に
身につけられると謳ったものとは正反対の本です。
絵を描く技術書ではなく、“絵を学ぶ思考と方法”そのものを論じた
画期的な一冊です!
絵には、「すぐに上手くなる部分」と「すぐに上手くならない部分」が
あります。それらをきちんと分類して提示するのが本書の狙いです。
★絵を学び始めた人、学ぼうとしている人、
そして、絵で挫折した人は必読です!
技術書に飛びつく前にぜひ!
感想・レビュー・書評
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練習しましょう!から始めるのではなくて、その一歩手前から始まる本。あなたは何のために絵を描きますか? そもそも絵が上手いってどういう状態だと思いますか? 上手い絵描きの能力には何があると思いますか?という定義をして、その上で自分の現状を把握し、長所を伸ばすのか、短所を補うのかで練習パターンを指し示してくれるという内容。
これ、絵を描くことに限らず、何かを学ぶ、上達させるにあたって常に適用できる方法論で、とても素晴らしい。まずは自分の立ち位置と、ゴールを知らなければそもそも練習ができないわけである。自分は絵を描くということに対してほぼ何の知識もなかったことが、この本でよくわかったし、絵が上手い人を構成する要素というものが把握できて、今後の筋道も立てられるに至った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読了。とはいえ、きっと何度も立ち返ることになりそう。タイトルにひかれた方はとりあえず手にとって後悔なしかと。マインドと具体的なトレーニング方法が載っています。
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「絵を描きたい、だけど目標も決まってない
とりあえず教本を買って真似するが10p辺りで何を目指すのか分からず断念」を繰り返している。
「技術書より前段階、どういった心持ちで練習にあたるのか」なんて今更聞きたくないと思いつつ、
憧れの絵描きさんの本棚に並んでおり目を引いて読了。
絵を描く目的、絵が上手いとは何を指すのか、絵描きの能力とは何なのか、練習法の意味
作者も本の中で語る通り、絵の練習における地図の役割を果たしていると思った。
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20151212
・そもそもなぜ絵が上手くなりたいのか。
自分の絵の目的を考える。自身のここまでできてら成功だ!というラインを考えていなければ、いつまでたっても絵が上手い、という状態にはなり得ない。
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自分が絵を書く目的。
漫画を描きたい。
人物を主体とした納得のいく一枚絵を仕上げたい。
自分の個性を持って似顔絵を描いて身近な人にプレゼントしてあげたい。
・上手くなっても楽に描ける日は永久に来ない。逆に上手い人の方が必死に描いてたりする。
・作品制作はすぐすること。上手くなってから作品を作ろうと思ってたら、永久に作品は作られない。
・映像写真系、コンセプトアート系が自分には近いように思える。
これらタイプに合った練習
↓
クロッキー、デッサン、スクラップブッキング
・目標を持ってトレーニングをする。自分で何のためにこの練習をしているか、を把握していないと向上には繋がりにくい。
・構図が取れないのは物理的に姿勢が悪くて、本当に視野が狭くなっているのも原因のひとつ。鉛筆の先しか見えてない状態。全体を見渡す意識をもつ。
・デッサン→立体物を描写。
・模写→平面を描写。写真の模写はデッサンではない。
・クリアファイルに入れて自分の好きなものを時系列で追えるスクラップブッキングをしてみよう。
・自分の感性を技術を以って形にするのがすごいのである。順番が違ったり、欠けたりしちゃダメ。
感性、センスは自分に自信を持ち、自分自身を見つめ直し、高めることで鍛えられる。
・感性は様々な経験を積むことで得られる。つまり人間として成長しなければならない、ということ。
・世間の常識とのズレ。これが自身と他人との違いであり、強みとなる部分。これを磨く手段としてデッサンやクロッキーなるものがある、という考え方。
・事例、該当するのは
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p.126健太さん
対策:デッサンと模写が大事。人間だけでなく、動物や昆虫等も描いてた幅を広げるのもいいかも。
p.143琥珀さん
好きなものの源流を探って、本物や原点をしっかりと勉強することによって、絵やら物語に骨太感、しっかりとした土台が生まれる。
上っ面の理解でなく、その内側までも知るような深い理解が望ましい。 -
芸美系教育の基礎を理解するのに最も役立った本。営業トークのネタづくりにもずいぶん使わせてもらった。著者に感謝。
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面白かった。
絵をうまくするにはどうすればいいかというところで。
全く別の本だが60秒右脳ドローイングをやっていて、最近やっていないところもあった。というところで多分見つけて購入。
本書の中で質問として、60秒など短いデッサンは意味があるかという質問に対して、形を取るとかウォーミングアップとしては良さそう。ただそれ以上ではないという話がある。
それはそうだなと思っていて、右脳ドローイングとかも形を取るところでそれで完成させるところまでいかず、それでそこから書き込んでいく。デッサンであるので。とはいえ、完成させる勢いであって、デッサンではない。それらをウォーミングアップと言っているといえて、実際にライフハックみたいで1行だけ本を読むとすれば読んだらそのまま本を1時間読むとかもあるわけだ。
それはいいとして、
他には思考として、上達するための方法はもちろんだが、恐らくその前に、何を目指すか。手段か目的かというのが面白い。つまり絵を何かの手段とするのか、それとも絵自体を目的とする(それを描くことで満たされるとかでもいい)かどうか。それらではただ描いていたい場合、上達ってしづらく、そこで満たされるから。そういう意味では、絵を普段描いていてもっとうまくなりたいって人はここで悩むのかなと感じた。それらのアドバイスもかなりある。
自己診断をして絵の力として、8つに分解。それらは総合力なのでどれかがあれば、または8つ全部あれば良いとかってことでもないが、概ね職業として求められるベースを割り出して提示している。なるほどなと感じる。こういう考え方、理屈や分解をしているものは珍しい。
絵の上達をそもそも言語化するということは難しく、何をするとどうなるかはその人次第であり、実感や評価が異なるから。
そこを著者の経験や知見で分析しているのはとても面白いし参考になった。
僕としては、
・絵は手段で、何かアイデアを伝えるためのビジュライズとして、その情報や伝達量を多くするため
であって、そこそこ伝えられば全然いい。活字で何もないよりあると伝えられるというイメージ。
そういう意味では、描きたい時に、ストックがないと効率が悪いので、形を取るとかストックするのが恐らく良いのだろうと思えるしそういう指摘があった。いわゆる本書で言えば企画アイデアマン系ってやつとなる。
世の中には色々な仕事があり見えないことも多い。そういう意味で「絵」を使うといっても「絵が描ける」も様々なので、知らなければどんどん知って考えて戦略ではないが、思考をもっとしても良さそう。
なぜなら思考していないがためにがむしゃらにやってズレているということもあるため。最もそのあたりの配分や判断が難しいので師匠や先生がいるのだと思う。という意味では、それらのアドバイザーが適当になってしまうのは罪深いことだなとも感じるし、考えを明文化して伝えてくれるという存在はとても貴重だとも感じた。という意味で良書。 -
絵が上手くなりたいけれど何から手を付けてよいか分からない初心者や、行き詰まりを感じた中級者のための道標となるような本。読者全員に対して一様のアドバイスをするものではなく、まず簡単な絵を描いて自分の絵の特徴を知り、目指す絵との距離を知り、その距離を埋めるためにはこのような練習方法がありますよ、と紹介してくれる。
漫画『ブルーピリオド』で主人公が東京藝大を目指すにあたり取り組んだ内容も概ねこの本に書いてあることと共通していたので、美大を目指すような人はこうやって基礎を身につけるのかと妙に感動した。
余談だが、国立西洋美術館のミュージアムショップにも置いてあるのを見かけた。 -
本書にもあるが、技術書ではない
デッサンのトレーニング方法の目的などが書かれていた -
2022.11.08 大変、学びになったとは思いますが自分はターゲットではなかったという印象です。超初心者が読んでも、ちょっと厳しいかなぁ。