ホハレ峠;ダムに沈んだ徳山村 百年の軌跡

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  • 彩流社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779126437

作品紹介・あらすじ

日本最大のダムに沈んだ村、岐阜県徳山村の最奥の集落に、
最後の一人になっても暮らし続けた女性(ばば)がいた。

奉公、集団就職、北海道開拓、戦争、高度経済成長、開発……
時代を超えて大地に根を張り生きた理由とは。

足跡をたどり出会った人たちの話から見えてきた
胸をゆさぶられる民衆の100年の歴史――。

映画『水になった村』(第16回地球環境映像際最優秀賞受賞。
書籍、情報センター出版局刊)監督の最新刊!

感想・レビュー・書評

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  •  ダムに沈む村。
     本屋で手に取って気になってしまった。

     岐阜県徳山村、かつて地図に存在した村は今は徳山ダムの湖の下に沈んでいる。
     この村の最奥の門入集落に最後まで暮らしていた老婆、廣瀬ゆきえの生涯を追うノンフィクション。

     門入集落は、村の中心地の本郷ではなく、ホハレ峠を越えた隣村との交流が盛んだった。
     東京オリンピックの年になっても村には電気は来ず、物流はボッカが担っていた。
     
     冬は雪に閉ざされるこの村で、ゆきえは生まれた。
     幼いころは畑仕事を手伝い、
     14才になり彦根の紡績工場に冬の出稼ぎに行き、
     24才で嫁いだ先は北海道真狩村だった。

     北海道真狩村は、門入の入植者が開拓した村だ。
     真狩村での取材から、門入の濃密な人間関係に気が付いていく。

     2013年8月13日、廣瀬ゆきえ逝去。

    「先代が守ってきた財産を、すっかりこと一代で食いつぶしてしまった。
     金に変えたら全てが終わりやな」

     村の記憶も、つながりも、ダムが全てを沈めてしまった。

     読み終わったあと、持ってる中部北陸マップルのページを開いて場所を確認した。
     2005年のマップルには、まだ徳山ダムはなく、集落の名前が全て印字されている。

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著者プロフィール

おおにし・のぶお
1968年、岐阜県揖斐郡池田町育ち。
東京綜合写真専門学校卒業後、本橋成一氏に師事。
1998年にフリーカメラマンとして独立。
ダムに沈む村、職人、精神科病棟、障がい者など
社会的なテーマに多く取り組む。
2010年より故郷の岐阜県に拠点を移す。
映画監督作品に、
『水になった村』、
『家族の軌跡 3.11の記憶から』、
『オキナワへいこう』などがあり
著書等に、
『僕の村の宝物 ダムに沈む徳山村山村生活記』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、1998年)、
『分校の子供たち』
(大西暢夫 著、カタログハウス、2000年)、
『山里にダムがくる』
(菅聖子 文、大西暢夫 写真、山と溪谷社、2000年)、
『おばあちゃんは木になった シリーズ自然いのちひと4』
(大西暢夫 写真・文、ポプラ社、2002年、
 第8回日本絵本賞)、
『ひとりひとりの人 僕が撮った精神科病棟』
(大西暢夫 写真・文、精神看護出版、2004年)、
『花はどこから 花・花びん・水をめぐる3つのものがたり』
(大西暢夫 写真、一澤ひらり 文、福音館書店、2005.年)、
『水になった村 ダムに沈む村に生き続けたジジババたちの物語』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、2008年)、
『徳山村に生きる 季節の記憶』
(大西暢夫 写真・文、農山漁村文化協会、2009年)、
『ぶた にく』
(大西暢夫 写真・文、幻冬舎エデュケーション、2010年、
 第58回小学館児童出版文化賞、第59回産経児童出版文化賞大賞)、
『糸に染まる季節 ちしきのぽけっと13』
(大西暢夫 写真・文、岩崎書店、2010年)、
『ミツバチとともに 養蜂家角田公次
 農家になろう2』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2012年)、
『津波の夜に ~3.11の記憶~』
(大西暢夫 著、小学館、2013年)、
『ここで土になる』
(大西暢夫 著、アリス館、2015年)、
『シイタケとともに きのこ農家中本清治 
 農家になろう8』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2015年)、
『お蚕さんから糸と綿と』
(大西暢夫 著、アリス館、2020年)他がある。

「2020年 『ホハレ峠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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