『鬼滅の刃』論 鬼舞辻無惨と十二鬼月のための哀悼碑

  • 彩流社 (2024年6月18日発売)
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本 ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784779129841

作品紹介・あらすじ

滅殺される悪鬼たちのために、「哀悼碑」を捧げたい―
吾峠呼世晴氏による大人気の『鬼滅の刃』は、全23巻のコミックスシリーズの累計発行部数が1億5000万部を突破した(2021年2月)。続いてアニメ版の放映、劇場版(公開から半年あまりで累計来場者数2896万人以上)と続き、さらに劇場版が140カ国と地域以上でワールドツアーを開催した。コラボ商品はコンビニでも買えるものも含め多々あり、華々しい脚光を浴び続けている。
本書は、鬼殺隊のヒーロー・ヒロインではなく、悪鬼たちに注目する。悪鬼は人を食い、残虐な血鬼術を自由自在に使って鬼殺隊を殺そうとするが、最期は人に頚を斬り落とされるか太陽の光にあぶられて地獄に落ちる。しかし原作には、悪鬼たちが人であった頃の悲しみや鬼としての虚しさも描かれており、読者・視聴者はそんな鬼たちの人としての悲しい過去を思い憐れむ。そうした鬼滅ファンの「慈しさ」が鬼滅の世界を幾重にも豊穣なものにしている。
本書は、悪鬼たちを追うことでヒーロー・ヒロインたちの姿をより深く浮き彫りにし、これまで気づかなかった『鬼滅の刃』の魅力を再発見する。

感想・レビュー・書評

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著者プロフィール

Nobuko Margaret Kosuge 1960年東京都生まれ。
山梨学院大学法学部政治行政学科教授。専門は近現代史、国際関係論、平和研究。
上智大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科史学専攻博士課程終了。
ケンブリッジ大学国際研究センター客員研究員を経て現職。
戦争と人道、戦後・植民地支配後の平和構築と和解を巡る問題に取り組む。
震災直後から福島へ通い、支援物資を届けたり人々の声に耳を傾ける。
主著『戦後和解 - 日本は〈過去〉から解き放たれるのか』
(中公新書、石橋湛山賞受賞)『14歳からの靖国問題』(ちくまプリマー新書)
『ポピーと桜―日英和解を紡ぎなおす』(岩波書店)ほか。
共著『戦争と和解の日英関係史』(法政大学出版局)『東京裁判とその後 - ある平和家の回想』(中公文庫)
『歴史和解と泰緬鉄道 英国人捕虜が描いた収容所の真実』(朝日選書)ほか。

「2014年 『放射能とナショナリズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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