本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (396ページ) / ISBN・EAN: 9784779130205
作品紹介・あらすじ
〈リベラル〉に反旗を翻す白人たち――
何が〈中欧〉の人々を憎悪に走らせているのか?
2014年に「非リベラルな民主主義」を高らかに宣言したハンガリーのオルバーン首相。その理念は米国のトランプやロシアのプーチンとも共鳴し、強権的政治が世界に広がりつつある。中欧は反リベラル現象の震源地なのか? 中欧出身の文化人類学者が、民主主義の危機の背景にある「白人」間の人種差別(レイシズム)を解き明かす衝撃作。
「いろいろなことが中欧ではひどい状態になっているし、西欧のほうがよい状態だということは僕も認める。でも僕が本当に言いたいのは、西欧のほうが「それほど」よいとは言えないということ。そしてもし、中欧のほうがよくないとしたら、それは西欧にも責任の一端があるということだ。」(「まえがき」より)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ブラック ライブズ マターも中欧の人からみたら自国の問題と被る。
日本は単一民族国家といわれているので、レイシズムやアイデンティティにはかなり疎い。
ヨーロッパのサッカーではこういった表現もよく使われ、個人的には心にもゆとりがない人が私が嫌いな表現をする。 -
【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/731636 -
『#白人になれない白人たち』
ほぼ日書評 Day866
中欧の立場から、ヨーロッパにおける東西対立、旧共産圏における民主化の遅れと経済の行き詰まり、さらには非リベラリズムとレイシズムの高まりといった問題点の根本原因を探ることが本書のテーマのようだ。
「ようだ」というのも、多くの日本人にとって、あまりに馴染みの薄い国々であり、文化であるからだ。
「中欧」の定義にしても、本書ではハンガリー、ポーランド、チェコおよびスロバキアの4カ国を指すのだが、一体どれほどの日本人がこれらの国の正確な位置を知っているか。
評者が子供の頃はチェコ=スロバキアでひとつの国で、いつの間にか分かれてたといった人も多かろう。
さらに、冒頭、問題の1つにあげた「レイシズム」にしても、欧州におけるユダヤやロマ(かつてはジプシーと呼ばれた人たち)に対する差別などといっても、なかなかピンとこないものがある。
本書の要旨を、誤解を承知でかなり意訳すると、以下のようになろうか。
(著者の考えではなく)欧州一般にいわば無意識的に流布する通念のようなものがあり、それは以下のような観点で大きな問題だ。
リベラルであることが西欧文明の先進性であり、それが "より白い「白人」" であることを示す。
旧共産圏に属した東欧は、自由主義経済への移行とともに民主化の進展も期待されたが、いずれも進捗の芳しくない面がある。
その背景には、東欧の人々に "人種的に劣後する遺伝特性がある" というような迷信のようなものが存在する。
対ユダヤ、ロマ、あるいはムスリムへの敵対心は、自分たちよりも "さらに劣った者たち" を見つけて心理的優位に立ちたいという欲求の裏返しである。
人種差別の派生系としてLGBT等への偏見差別が惹起される。
西欧に対する対抗心として過去に植民地支配をしたことが無いという自負心を持つが、反面、植民地支配から得られた特権の恩恵には預かりたいという欲求がある。
評者は、これらの有無を直接論ずる知見をもたないが、たとえばホロコーストについて、「ドイツ」が主語になる際には「ナチスの」と形容される(つまりドイツ人自身の罪ではないという伏線が張られる)のに対し、「ポーランド」の場合は「(ナチスに対する)ポーランド人の協力者たち」(日本語にすると長いが)とでも言うべきところを、単に「ポーランド人」と括られ、彼ら一般の犯した罪(そして未だ十分に清算されていない)と認識されてしまう等と解説されると、たしかに思い当たる節があり、中欧、東欧の人たちが抱える心理的抑圧を想像する一助となる。
冒頭にも記した通り、一読してスッキリした結論や達成感を味わうには全く対極にある内容だが、自らの知見を広げるという観点では得るものが多い。
なお、原著は英語で、「非リベラル」はilliberal(illegal等と同様に否定の接頭辞の付いたもの)の訳であるが、我が国では「保守」さらに「極右ポピュリズム」等と形容されるものとも通ずるカテゴリーとしてとらえられているようだ。
最後に、本筋とは離れるが示唆に富むと感じた点をひとつ。
レイシスムの背景には移民問題があり、しかしながら移民の実態(たとえば人数)すら適切に把握できていない理由として二重国籍の問題があげられるが、我が国の「戸籍」はこれに対応する手段として極めて有効なはずだ。
加えて、納税(社会保険や年金等を含む意味で)とサービスの対応関係を維持し、タダ乗りを排することができるならば、本書で問題視されるような沼に陥る危険は小さいと考えるが、現実社会では、それにいわば逆行するような傾向が強まっているのが、非常に気になるところである。
https://amzn.to/4hJn8xO-
補足
僕自身は、40年近く前にパリに住んでいた頃、根深いユダヤ人への偏見を垣間見ることがあった。当時、日本はバブル期の入り口で、今で言うイン...補足
僕自身は、40年近く前にパリに住んでいた頃、根深いユダヤ人への偏見を垣間見ることがあった。当時、日本はバブル期の入り口で、今で言うインバウンド爆買いみたいな奴らとして馬鹿にされることはあったが、人種的偏見という意味では、ある意味、その枠外であった。
また、いま、お世話になっている会社は、創業の地がルーマニアのため、多くの日本の方よりも、そのあたりの人々に触れる機会は多いと思うが、何となく本書で語られる問題点は感じ取れるところもある。2025/03/23
-
-
東2法経図・6F開架:312.34A/Ka29h//K
本棚登録 :
感想 :
