新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ

著者 :
  • ナカニシヤ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779501753

感想・レビュー・書評

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  • ●内容と表現が難しすぎ、半分ぐらいしか理解できなかった。これで入門書か? 大学の教科書のようである。

    ●キャリアカウンセラーの基礎知識のベースは、「心理学」であった。

  • キャリアコンサルタントの方にオススメされて読んだ一冊。

    【ザッと内容】
    キャリア理論において著名な人物とその理論を解説。理論背景だけでなく、人物の背景まで触れられている。

    【こんな方にオススメ】
    ・キャリアコンサルタント目指している方
    ・キャリアについて悩んでる方

    【感想】
    キャリア理論を一通り簡単に勉強するならまず手に取るべき一冊だと感じました。キャリア理論自体の歴史がまだ浅く、多くがアメリカで発展してるので日本語で読める本自体が現状驚くほど少ないです。そして大体驚くほどつまらないです。
    その点、この本はうまくまとまっていると思います。ただ、キャリア関連に興味ない人を惹きつける程面白くはないと思うので笑、興味のある方限定で。

  • キャリア支援について考えているのであれば、まず手に取るべき総論的1冊。

    実践よりも理論よりに感じるが、自分の引っかかる、支援したいキャリアはどれに近いのか探るにはもってこい。

    ・産業構造の急激な変化の中で、個人の心理的・精神的健康に影響が出てきている。

    ・「キャリア」
    ①前進、行程、軌跡、通過点
    →動きの意味が含まれる
    ②進行、退行、回帰、漂流
    →動きの方向性が含まれる
    ③具体的な職業、一連の仕事、使命、専門職、障害の仕事
    →個人が関わる仕事(Work)の意味
    ④猛進
    →目標を目指して突き進む、競争する意味
    ⑤達成された状態
    →熟練した、経験したという専門性の意味

    ・金井さんは、「成人になりフルタイムで働き始めて以降、生活内資人生全般の基盤として繰り広げられる長期的な仕事生活における具体的な職務・職種・職能での諸経験の連続と節目での選択が生み出していく回顧的な意味づけと将来構想・展望のパターン」として職業生活後にフォーカスを与えている。

    ・色んなキャリアの定義があるが、筆者らは、
    ①人と環境との相互作用の結果
    キャリアは仕事、家庭、市民活動、時代の変化により移ろう

    ②時間的流れ
    過去、現在、未来。転機、移行、節目などに置き換えられる。
    個人差の中でも直接観察できない欲求や動員、無意識に着目する。また、幼少期の体験を重要視する。

    ③空間的広がり
    具体的な場において個人の行動は繰り広げられる。

    ④個別性
    自律性、主体性、自己決定、選択できる働き方。個人を自分自身のキャリアの管理者になること。

    の意味が込められていると考えている。

    ・自己概念が変化するプロセスは、
    成長、探索、確立、維持、解放。志を育てるに似ている。

    ・ジョン・クルンボルツ
    人間はたらしい行動を獲得したり、これまでの行動を変容していくことが可能である。
    カウンセリングへの応用として、
    ①クライアントは、すでにある特性に基づいた意思決定ではなく、自分の能力や興味を広げる必要がある。
    →なぜなら、キャリア問題において混乱している人は、直面している問題がこれまでのスキルや興味を超えている場合が多いためである。学習とは、新しい行動を獲得したり、行動を変化させること。

    ②クライアントは職業が安定したものであると思い込まず、変化し続ける仕事に対して準備しなければならない。
    ③クライアントは、診断を下されるのではなく、行動を起こすように勇気づけられる必要がある。
    ④カウンセラーは、職業選択のみでなく、キャリア問題全般を扱う上での援助に置いて主たる役割を担う必要がある。

    ・エドガー・シャイン
    個人を把握するため、①仕事、②生物学・社会的環境、③家族関係が互いに関わり合う。

    ・8つのキャリア・アンカー
    ①専門性の追求
    ②総合的な管理職位を目指す
    ③制限/規制に捉われず、自律的に仕事を進める自由度を求める
    ④経済的安定を重視
    ⑤新規のアイデアを実現していく起業家思考
    ⑥チャレンジ、誰もしたことがないものを求め続ける
    ⑦人の役に立っている社会奉仕を大切にする
    ⑧仕事とそれ以外のバランスをとる
    これらのアンカーは複雑に絡み合う。大学教授の職業を選んでも、「世の中のための研究」「地位や名声」「自由度高い仕事展開」「興味あるものへの追求」などアンカーが異なるからだ。
    また、アンカーと言うのは予測できない。実際の仕事の中で展開するものであることを抑えておく。

    これを考える上で、
    ①何が得意か、②何がしたいか、③何をしているときに充実感を感じるか、の問いを立てる。結論、外向きではなく、自己イメージ大切。

    ・転機を乗り越える(ナンシィ・シュロスバーグ)
    4S
    ①Situation:状況、クライアントの環境、環境の部分修正
    引き金は何か?/タイミングは適切か?/コントロールできる部分はどこか?/役割の変化はなにか?/期間はどの程度か?/過去に同様の転機はあるか?/転機に伴うストレスは?/その状況に対して前向きか?

    ②Self:自己、内的資源、心の平静を取り戻す
    社会的地位/性別/年齢と人生段階/健康状態/民族性/エゴイストか?/自律的に動けるか?/楽観主義か?/自己効力感はあるか?/コミットメントしているか?/価値観は?/挫折回復力は?/自分を奮い立たせることができるか?/意義や目的を感じているか?/

    ③Support:周囲の支援、外的資源、サポートを増大させる
    転機を乗り越える好意、肯定、助力を周囲から得られているか?/配偶者・家族・友人・同僚・同業者・隣人・組織・他人から援助を受けられるか?/転機により得られる・失われるサポートはあるか?/自分の転機に今あるサポート資源が有効だと捉えられているか?

    ④Strategies:戦略、対策の方向性、実行計画を進捗させる
    目の前の問題を理解できているか?/広い範囲で戦略を立てられているか?/行動を起こせているか?/転機に意味づけできているか?/ストレスを切り抜けられるよう努めているか?/何もしないことが良いこともあることを知っているか?/失敗はなく、戦略を練ることで乗り越えられる感じているか?

    ・自分は何がしたいのか?⇔自分は何をすべきか?

    ・アイデンティティの確立
    ①日々の選択
    ②サブ・アイデンティティ
    ・チャレンジングな目標をもつ
    ・目標を達成することに意味を感じている

  • これ読めば昔から最近までのキャリア研究の基礎がわかる

  • キャリアの心理学の分野では、様々な研究がされていますが、
    本書では9人のキャリア論について詳しく解説しています。

    ドナルド・スーパー
    ジョン・ホランド
    ジョン・クルンボルツ
    ハリィ・ジェラット
    エドガー・シャイン
    ナンシィ・シュロスバーグ
    ダグラス・ホール
    サニィ・ハンセン
    マーク・サビカス
    どれも骨太なキャリア論です。


    共通していることや、影響を受けていることなども多々ありますが、
    キャリアについて心理学の観点からどのようなことが言われているのか、
    概略を知るだけでもおもしろいです。


    個人的に興味が有るのが、キャリアをどう語るか、どう自己認識しているかというくだりなので、職業的語りや物語的真実(narrative truth)の考え方は惹かれます。

    語ることによって、自己の生き方、仕事観を育み、
    今後のキャリアをどう構築していくかにも、これまでの歩みをどう理解するかも
    変わってくると思っています。

    有名な理論も多く、一度基本的なことをおさえるためにもよい1冊ではないでしょうか。

    “キャリア自己概念に関してスーパーの造語を紹介しておきたい。その1つは「職業的語り」(occutalk)という言葉である。たとえば、「私は大工になりたい」というのがその例である。スーパーは、この表現を単に希望職業を述べているだけではなく、自己概念を表現していると解釈する。自己概念を具体的な職業名に翻訳して、表現しているのである。ある子供が「大工になりたい」と言う場合、その子供が「大工」を職業事典の記述通りに認知しているとは限らない。「大工」という言葉で何を表現しているかは人によって異なる。”

  • 110605by三川@関西CC
    ---
    キャリアの心理学に不可欠の基本
    ドナルド・スーパー :自己概念を中心としたキャリア発達
    ジョン・ホランド :環境との相互作用によるキャリア行動の発達
    ジョン・クルンボルツ :学習理論からのアプローチ
    ハリィ・ジェラット :キャリア発達における意思決定
    エドガー・シャイン :組織内キャリア発達
    ナンシィ・シュロスバーグ :人生上の転機(トランジション)とその対処
    ダグラス・ホール :関係性アプローチ
    サニィ・ハンセン :統合的キャリア発達
    マーク・サビカス :キャリア構築理論
    新しい潮流 :カオス理論の応用
    結び :外国で育った理論の理解の困難さを再認識
    ---
    キャリア・カウンセリングのための基礎理論を、代表的な心理学者の学説を取り上げ、夫々の理論の提唱者自身のキャリアを紹介し、各理論の概略、および中核となる理論的構成概念を解説。「カオス理論の影響」等を追加した新版。
    -----旧版目次↓
    第1章 ドナルド・スーパー :自己概念を中心としたキャリア発達
    第2章 ジョン・ホランド :環境との相互作用によるキャリア行動の発達
    第3章 ジョン・クルンボルツ :学習理論からのアプローチ
    第4章 ハリィ・ジェラット :キャリア発達における意思決定
    第5章 エドガー・シャイン      :組織内キャリア発達
    第6章 ナンシィ・シュロスバーグ :トランジション理論
    第7章 ダグラス・ホール :関係性アプローチ
    第8章 サニィ・ハンセン :統合的キャリア発達
    結び 外国で育った理論の理解の困難さを再認識

  • 本書は、キャリア心理学の大海原を航海するための現時点の「羅針盤」であり、「世界地図」です。

    冒頭にキャリアの心理学の理論の「共通項」を述べた後、次々に10もの理論の紹介が続きます。それらの概説は、他書でも触れていたし、参考文献に出てくる著書のいくつかは読んではいましたが、本書の解説は各理論を深く把握しており、「なるほど、そうだったのか」と腑に落ちること、しばしばでした。

    その上で、感銘した点を抜き書き。
    ・キャリアに含まれる共通の意味…人と環境の相互作用の結果、時間的流れ、空間的広がり、個別性
    ・クルンボルツのクライエントが対処しなければならない現代社会の動向の4点のうち二つ…CLは特性を超えて、自分の能力や興味を広げる必要がある。CLには診断ではなく、行動を起こす勇気が必要。
    ・ジェラット…人間の本質は疑い深いというより信じ込みやすいから、積極的な疑いが必要。
    ・シュロスバーグの4つのS…Situation,Self,Support,Strategies
    ・ハンセンの皮肉…職業マッチングのための最先端の情報システムが膨大な資金が投資されている反面、多くの人が解雇されている現実。COはもっと共通の善を求めなければ。
    ・サビカスのキャリア・アダプタビリティの4次元…concern,control,curiosity,confidence

    以上、なかでもハンセンの主張は強烈でした。彼女は、COやTHなだけではなく、SWやPLでもある。

  • 個人のキャリア形成における理論の全体像を示した上で、各理論における理論の説明がなされている。内容は面白いと感じるものの使われている言葉が学術的なので人によっては読み難いと感じるかもしれません。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授,同大学研究センター客員研究員。筑波大学教授,同キャリア支援担当特命教授,立教大学大学院特任教授を経て現職。ペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了,Ph.D. 取得(カウンセリング心理学・カウンセラー教育専攻)。著書:『リハビリテーション・カウンセリング』(監修、ナカニシヤ出版、2010年)、『キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ』(編著、ナカニシヤ出版、2007年)

「2018年 『新版キャリアの心理学[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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