概念分析の社会学 ─ 社会的経験と人間の科学

制作 : 酒井 泰斗  浦野 茂  前田 泰樹  中村 和生 
  • ナカニシヤ出版
3.25
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779503146

作品紹介・あらすじ

専門的知識と社会的経験。概念を介した両者の相互作用のなかに実践の論理を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 社会的経験は概念による記述なくしては成立し得ないという前提から出発し、「人種」や「遺伝」といった専門科学の知見と日常的経験が交錯する諸概念が実践でいかに用いられているか、という点に着目する共同研究。テーマそのものは個々の論文により異なるが、ハッキングの「ループ効果」を一つの軸として個別研究が展開されている。科学的概念もまた日常的に用いられる言語から意味を受け取っていること、その逆に日常的語彙が科学的知見によって意味を変えていくこと、こうした概念の連関のありさまが個々の研究によって解明されている。エスノメソドロジーという方法論の意義を実践によって明らかにしてくれる研究書である。

  •  概念分析とは、私たちが、自らのあり方や自らの経験、行為を理解しようとする際に、様々な概念を用いているという考え方に立ち、ある概念が「どのように」人々に用いられているかを記述していく一つの方法です。
     そのような方法論に立った上で、本書は主題として、「ループ効果」[I.ハッキング]というものを設定しています。「ループ効果」とは、人間を対象とする諸科学において、新しい概念が用いられるようになり、さらにその新しい概念が、私達の経験や行為の理解の仕方を変えてしまうような現象のことを言います。
     このような主題(ループ効果)と方法(概念分析)に基づき、本書では、生物学的人種や遺伝学的知識、ポルノグラフィ、化粧など8つの具体的なトピックが取り上げられています。加えて、そのトピックについて、「ナビゲーション」として丁寧な説明が加えられており、個々のトピックが一つのテーマ(ループ効果と概念分析)にしっかり結びつけられていきます。
     本書は、全体を通して、概念分析という立場が、「私たちはどのような社会で・どんなふうに暮らしていくか」を明らかにしようとする社会学[p261]に対してどのような貢献可能性をもっているかを明らかにした著作であると言えます。社会学を発展的に学び、考えていきたい方にお勧めの一冊です。
    (ラーニング・アドバイザー / 国際公共政策 SATO)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1349188

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