ブッククラブで楽しく学ぶクリティカル・リ-ディング入門: 国際化時代を生き抜く読書力がだれでも身につく
- ナカニシヤ出版 (2010年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (122ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779504594
感想・レビュー・書評
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主に小学生に読書会の楽しさを伝えるべく、教員や図書館員を読者対象として書かれたガイド。
クリティカル・リーディングの技能の必要性や、その育成方法に関する総論には説得力がある。
しかし、文学作品を題材とした事例解説は、著者の経歴や作品の書かれた時代背景をウィキペディアで調べて、それを持ち出すというやり方で、テキスト本位でないのが私には気持ち悪い。
まあ、読書会の場を盛り上げるための材料なんだと割り切ればよいのかもしれないが。 -
読書会のコツとかノウハウみたいなもの。どういう風にテキストを解析するかと論じるかについて具体例をあげて語られる。作品や批評を整理する際のひとつの指針にはなる。実際にやることを前提で書かれている本。きっととっかかりやすくなると思う。
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どんどん本を読む。そうすれば読解力や国語力がつく、とは限らないんだな、これが。評価・批評的に読むスキルと、問題を発見し、課題解決のための自らの意見を持とうとする姿勢を持つような意識が「クリティカルシンキング」。そういう読み方をする環境・場面としての「ブッククラブ」についてわかりやすく書かれている。実際のテキストから問い(発問)を立てるのだが、そのストラテジー(戦略)を14に分類しており、どういう狙いでテキストを読む(読ませる)かがよく理解できる。ただ、ディスカッションのきっかけとなる「プロンブト」の例は豊富だが、ホストによるファシリテーションについては示されておらず、議論をどう収束させていくか、「答え」を与えてもいいものなのかについては述べられていない。ブッククラブ活動で「楽しかったー」で終わってもいいのかもしれないが、教室での活動で「やりっ放し」になるのは心配がある。
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資料ID: W0157415
分類記号: 019||A 73
配架場所: 本館1F電動書架A -
概要から具体的な説明へ、そして実践編に…という構成はわかりやすい。実際にブッククラブを主宰するためのいい教材になると思う。
ただ、クリティカル・リーディングの大切さを書いた本なのに、情報の参照元にWikipediaを使用しているのが、疑問。しかもその記述もいい加減(インターネットの情報を参照した場合は、確認した日時を記すはずなのですが…?)。そのため、Wikipediaを情報源としてどう評価するのかをきちんとレクチャーしてからでないと、学生に薦められないのが残念。(えらい先生だってふつーにやってんだから、学生の自分がやったって問題ないでしょ、なんて言われたらえらいことだ…)
その点さえ差し引けば、わかりやすくて、入門編として使いやすい一冊。