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- Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779507014
作品紹介・あらすじ
なぜ平城遷都が行われたのか。平城京の都市計画は?-。
感想・レビュー・書評
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本書は、2010年に奈良大学で行われたオープンキャンパスに際して開催された第一回目のシンポジウムである。
主なテーマは二つ、1つ目は藤原京から平城京へ遷都された理由について、2つ目が平城京十条遺跡(下三橋遺跡)の発掘成果について。
1つ目のテーマは、従来の701年大宝遣唐使の影響説をいかにして克服するのかという趣旨であったと思われるが、結局明確に新たな考えが出されてわけではない。
しかしながら、奈文研の大宝遣唐使影響説の問題点(大宝遣唐使より以前の遣唐使も唐の内情や都城を見ていたのではないか、など)は、今後克服しなければならない点であろう。
2つ目の平城京十条遺構について、平城京大路の発掘成果と九条大路の羅城の遺構について。
大まかな内容としては、十条大路は奈良時代前半に放棄されたものと考えられ、九条大路の羅城は軒瓦の製作技法が奈良時代以降のものであるため、遅くとも奈良時代後半に造られたのではないかとされる。
十条大路の発見から、同じく十条の都城・藤原京との関連や、なぜ十条放棄し九条の都城にしたのかなど、今後の研究テーマを提起している。
奈良大で学部時代の学業を修めた身として、このようなブックレットを読んで、多くの人に歴史学・考古学分野に興味を持ってもらい、実際に勉強・研究をしていただきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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