出来事から学ぶカルチュラル・スタディーズ

  • ナカニシヤ出版 (2017年10月31日発売)
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  • 本 ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779510472

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・開架 361.5A/Ta84d//K

  • 【版元】
    身の回りで起きている出来事、社会や文化、政治や社会運動……文化と権力の関係を捉えるための議論や視座を学べる入門テキスト

    編者:
     田中東子
     山本敦久
     安藤丈将
    ジャンル
     社会・文化 > 社会学
     社会・文化 > 文化研究
     社会・文化 > ジェンダー
     社会・文化 > アート・芸術
    出版年月日 2017/10/31
    ISBN 9784779510472
    判型・ページ数 A5・272ページ
    定価 本体2,500円+税

    身の回りで起きている出来事、社会や文化、政治や社会運動……日常に遍在する文化と権力の関係を捉えるための議論や視座をしっかり学べる入門テキスト


    本書では,昨今の文化的・社会的な出来事を糸口に,それぞれの執筆者が普段の講義で用いている具体的な題材や資料を提示し,CS(カルチュラル・スタディーズ)の観点から分析を行っている。……本書で取り上げたのは,執筆者たちが日々,大学で講義し,学生と対話し,都市や農村で調査活動を行う際に,こんな切り口をきっかけに身の回りで起きている出来事,社会や文化,政治や社会運動に関心をもってもらえれば嬉しいな,と思うような事柄である。(本文より)
    http://www.nakanishiya.co.jp/book/b314000.html


    【目次】
    Chapter 01 カルチュラル・スタディーズへの誘い 田中東子
    1-1 「出来事」を入り口に
    1-2 変わる社会と教育
    1-3 本書の内容と使い方

    Chapter 02 出来事,支配,抵抗 山本敦久
    2-1 出来事のカルチュラル・スタディーズ
    2-2 マギングとモラル・パニック
    2-3 社会の危機と「法と秩序」
    2-4 抵抗,節合,想像的解決
    2-5 「フーリガン」現象とファンによる発話行為
    2-6 黒人の表現文化,ディアスポラの音楽,資本主義批判
    2-7 まとめ

    Chapter 03 食,農,ライフスタイル 安藤丈将
    3-1 食と農のカルチュラル・スタディーズとは何か
    3-2 工業型農業のヘゲモニー形成
    3-3 シビック・アグリカルチャーの挑戦
    3-4 ライフスタイル選択としての農
    3-5 食と農の文化的な争いの未来

    Chapter 04 脱原発,社会運動,リスク社会 安藤丈将
    4-1 民主主義と社会運動
    4-2 脱原発:ライフスタイルと政治
    4-3 コミュニティ:自治と熟議
    4-4 福島:歴史的責任に支えられた民主主義

    Chapter 05 健康,予防医学,身体の管理――新たな健康のパターナリズム 二宮雅也
    5-1 社会的価値を増す「健康」
    5-2 新しい健康管理の方法:遺伝子検査のはじまり
    5-3 リキッド・ライフと健康の自己責任化
    5-4 リバタリアン・パターナリズムと健康
    5-5 カルチュラル・スタディーズと健康
    5-6 おわりに:健康を考える視点

    Chapter 06 キャラクター商品,消費型文化,参加型権力 田中東子
    6-1 キャラクターをめぐる現象
    6-2 キャラクターを愛するというのはどのような行為なのか
    6-3 カルチュラル・スタディーズにおけるポピュラー文化研究
    6-4 資本の手のひらで
    6-5 さらなる研究の展開へ向けて

    Chapter 07 ライブアイドル,共同体,ファン文化――アイドルの労働とファン・コミュニティ 竹田恵子
    7-1 アイドルファンのカルチュラル・スタディーズ
    7-2 「ライブアイドル」とは何か
    7-3 「いつでも会える」アイドルの台頭と,ファンコミュニティ
    7-4 身体を共にすること:ライブを通じた一体感
    7-5 アイドルと労働問題
    7-6 〈ライブアイドル共同体〉は可能か

    Chapter 08 第三波フェミニズム,スポーツと女性,身体表象 田中東子
    8-1 映像に描かれるスポーツと女性
    8-2 第三波フェミニズムによる視角の変容
    8-3 女性アスリートの顕在化/商品化
    8-4 「密やかなフェミニズム」の空間としてのスポーツ文化

    Chapter 09 グローバル化,移民,都市空間 栢木清吾
    9-1 「もうひとつのオキュパイ・セントラル」
    9-2 メイド・イン・ホンコン
    9-3 占拠される香港都心
    9-4 「家から離れたホーム」
    9-5 「ホーム」の居心地と「アウェイ」な心持ち

    Chapter 10 ヤンキー文化,郊外,排除と包摂――ハマータウンの野郎どもはどこへ行ったのか 川端浩平
    10-1 盗んだバイクで走り出す!?
    10-2 魂の労働
    10-3 環境管理の果てに
    10-4 ヤンキーから排外主義へ
    10-5 ヤンキーへ/の眼差しを取り戻す

    Chapter 11 ネット右翼,ナショナリズム,レイシズム 川村覚文
    11-1 インターネットナショナリズムのカルチュラル・スタディーズ
    11-2 ポストモダンな社会とインターネットナショナリズム
    11-3 インターネットナショナリズムを支える技術的次元
    11-4 インターネットナショナリズムの文化政治
    11-5 まとめ

    Chapter 12 ポピュリズム,テレビ政治,ファシズム 川村覚文
    12-1 ポピュリズムという古くて新しい現象
    12-2 スチュアート・ホールによるサッチャリズム批判
    12-3 ポピュリズムを分析する理論
    12-4 日本のポピュリズムを分析する
    12-5 まとめ

    Chapter 13 オリンピック,祝賀資本主義,アクティヴィズム  山本敦久
    13-1 “Hands up, Don't shoot”:ジョン・カーロス,再び
    13-2 表彰台のアプロプリエーション:身体表現の政治学
    13-3 トラテロルコの虐殺
    13-4 祝賀資本主義とオリンピック
    13-5 アクティヴィズムの現在:笑い・機知・皮肉,そして“人情”

    コラム① 自分がメディアになる:ZINE製作のススメ 諫山三武
    コラム② 旅する選曲:DJ,文化,Fu(n)kushima Shima(Soul Matters)/島晃一
    コラム③ 『初音ミク』がみせる,新たなコンテンツの生産と消費の関係 山際節子
    コラム④ 「情動労働」としてのアイドルの労働 竹田恵子
    コラム⑤ 歩くことの両義性:米軍基地とポケモンGO 高原太一
    コラム⑥ 即興創作の「場」としての「ニコニコ動画」 山際節子
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著者プロフィール

東京大学大学院情報学環教授。専門はメディアテクノロジーと文化、現代フェミニズム理論、カルチュラルスタディーズなど。著書に『オタク文化とフェミニズム』(青土社)、『メディア文化とジェンダーの政治学』(世界思想社)、編著に『ガールズ・メディア・スタディーズ』(北樹出版)など。

「2024年 『選挙との対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中東子の作品

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